FP2級の過去問
2023年1月
実技 問22

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問題

FP技能検定2級 2023年1月 実技 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

下記の相続事例(2022年8月9日相続開始)における各人の相続税の課税価格の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。

<課税価格の合計額を算出するための財産等の相続税評価額>
 マンション(建物および建物敷地権):3,500万円
 現預金:1,000万円
 死亡保険金:1,500万円
 死亡退職金:2,000万円
 債務および葬式費用:400万円

※マンションの評価額は、「小規模宅地等の特例」適用後の金額であり、死亡保険金および死亡退職金は、非課税限度額控除前の金額である。
※マンションは配偶者が相続する。
※現預金は、長男および長女が2分の1ずつ受け取っている。
※死亡保険金は、配偶者、長男、長女がそれぞれ3分の1ずつ受け取っている。
※死亡退職金は、配偶者が受け取っている。
※相続開始前3年以内に被相続人からの贈与により財産を取得した相続人はおらず、相続時精算課税制度を選択した相続人もいない。また、相続を放棄した者もいない。
※債務および葬式費用は、すべて被相続人の配偶者が負担している。
問題文の画像
  • 配偶者:3,600万円  長男: 500万円  長女: 500万円
  • 配偶者:3,600万円  長男:1,000万円  長女:1,000万円
  • 配偶者:5,100万円  長男: 500万円  長女: 500万円
  • 配偶者:5,100万円  長男:1,000万円  長女:1,000万円

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この過去問の解説 (2件)

01

相続税の課税価格に関する問題は比較的出題されやすいですが、この設問ほど細かく資産に対して相続人が決まっていることは稀です。

もっと単純に遺産を均等に分ける問題が多いため、まずは単純な相続の分け方をしている問題から始めると良いでしょう。

これは応用問題となります。

今回の問題のポイントは、死亡保険金・死亡退職金の非課税分を覚えているかどうかです。

死亡保険金・死亡退職金の非課税額は以下の計算式で導き出せます。

500万円✕法定相続人の数

これは死亡保険金・死亡退職金それぞれに適用できます。

今回の場合であれば法定相続人は3人なので、どちらも「500万円✕法定相続人の数(3人)=1500万円」が非課税となります。

そのため、死亡保険金の相続税は課せられません

死亡退職金は「2000万円ー1500万円」となり、課税財産は500万円です。

〇母の課税財産

マンション(建物および建物敷地権):3500万円

死亡保険金:0円(非課税となったため)

死亡退職金:500万円

債務および葬式費用:400万円

3500万円+500万円ー400万円

 =3600万円

〇長男の課税財産

現預金:500万円

死亡保険金:0円(非課税となったため)

 500万円

〇長女の課税財産

現預金:500万円

死亡保険金:0円(非課税となったため)

 500万円

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02

相続税の課税価格を求める問題はよく出題されます。

計算の仕方やルールをしっかり把握しておきましょう。

今回は相続人それぞれの分を計算する必要がありますが、

課税価格の合計を求める問題が多いです。

「死亡保険金および死亡退職金は、非課税限度額控除前の金額」とあるので、

非課税限度額を計算します。

死亡保険金・退職金の相続税非課税限度額

=500万円×法定相続人の人数

=500万円×3人

1500万円

よって、死亡保険金は1500万円全額非課税、

死亡退職金は2000万円-1500万円

500万円に対して課税されます。

【配偶者の相続分】

マンション3500万円

死亡退職金2000万円

債務・葬式費用400万円

↓ 控除

マンション3500万円

死亡退職金500万円

債務・葬式費用は債務控除が適応されるので

3500万円+500万円-400万円

3600万円

【長男・長女の相続分】

預金500万円ずつ

死亡保険金500万円ずつ

↓控除

500万円+0円=500万円

参考になった数0