2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年1月
問53 (学科 問53)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年1月 問53(学科 問53) (訂正依頼・報告はこちら)

贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 本控除は、贈与を受けた年の1月1日時点において婚姻期間が20年以上である配偶者から受けた贈与でなければ、適用を受けることができない。
  • 配偶者から受けた贈与について本控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。
  • 本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。
  • 本控除の適用を受け、その翌年に贈与者の相続が開始した場合、本控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続税の課税価格に加算されない。

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この過去問の解説 (3件)

01

贈与税の配偶者控除のポイントは以下になります。

①婚姻期間が20年以上

②基礎控除とは別に2,000万円までの控除。

③居住用不動産またはその費用の贈与

④贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住開始し、

引き続き居住し続ける見込みであること

⑤同じ配偶者からは1回しか適用できない。

⑥贈与税額が0円でも贈与税の申告書の提出が必要。

⑦この特例を受けた贈与財産は、

相続税の生前贈与加算の対象にはならない。

選択肢1. 本控除は、贈与を受けた年の1月1日時点において婚姻期間が20年以上である配偶者から受けた贈与でなければ、適用を受けることができない。

不適切な選択肢。

贈与日において婚姻期間が20年以上である必要があります。

選択肢2. 配偶者から受けた贈与について本控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。

適切な選択肢。

選択肢3. 本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。

適切な選択肢。

配偶者控除は基礎控除と合わせて2,110万円まで控除することができます。

選択肢4. 本控除の適用を受け、その翌年に贈与者の相続が開始した場合、本控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続税の課税価格に加算されない。

適切な選択肢。

参考になった数14

02

贈与税の配偶者控除については頻出です。

贈与税の配偶者控除は、夫婦間で居住用不動産やその敷地、または居住用不動産の購入資金の贈与に対して控除ができることを指します。

特例の適用条件は、必ず押さえておきましょう。

 

また「配偶者控除」は所得税・住民税など、さらに相続税にも配偶者の軽減税額軽減の特例というように、たくさんの種類があります。

混乱しないように、それぞれをしっかり分けて覚えるようにしましょう。

選択肢1. 本控除は、贈与を受けた年の1月1日時点において婚姻期間が20年以上である配偶者から受けた贈与でなければ、適用を受けることができない。

不適切

贈与税の配偶者控除は、贈与日において20年以上の婚姻期間がある配偶者から受けた贈与でなければなりません。

なお、1年未満は切り捨てとなります。

 

1月1日時点というのは、長期譲渡所得と短期譲渡所得を区分する際に使われます。

こちらも頻出なので、必ず振り返りましょう。

選択肢2. 配偶者から受けた贈与について本控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。

適切

贈与税の配偶者控除は、同一夫婦間では一生に一度だけです。

そのため、一度でも贈与税の配偶者控除を適用受けたことがあれば、二度と同じ夫婦間ではこの控除の適用を受けることはできません。

選択肢3. 本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。

適切

贈与税の配偶者控除の計算式は以下の通りです。

 

110万円+2000万円

 

暦年課税の基礎控除である110万円に、贈与税の配偶者控除額である2000万円を合わせた2110万円を控除することができます。

110万円を忘れがちなので、しっかり押さえておきましょう。

選択肢4. 本控除の適用を受け、その翌年に贈与者の相続が開始した場合、本控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続税の課税価格に加算されない。

適切

贈与者が死亡し被相続人となった場合、配偶者である相続人には相続税がかかります。

その中で生前贈与加算という制度があります。

※この生前贈与加算に関しては、2024年1月1日から、段階的に3年から7年に引き延ばしていくことが税制改正で決まっているため、今後狙われる可能性があります。

生前贈与加算とは、死亡から7年前までの贈与に関しては、相続税の課税対象とするという制度です。

死亡の前年に贈与を受けた場合は、基本的にそれは贈与税ではなく相続税の課税対象となります。

 

しかし生前に贈与税の配偶者控除の適用を受けた部分に関しては、贈与税の配偶者控除が適用され、相続税の課税対象とはなりません

参考になった数2

03

相続・事業継承の贈与の分野、贈与税の配偶者控除に関する問題です。

選択肢1. 本控除は、贈与を受けた年の1月1日時点において婚姻期間が20年以上である配偶者から受けた贈与でなければ、適用を受けることができない。

不適切

配偶者控除は、贈与日において婚姻期間が20年以上である夫婦間で適用されます。「贈与を受けた年の1月1日時点」としている本選択肢は間違いです。

選択肢2. 配偶者から受けた贈与について本控除の適用を受けたことがある場合、その後、同一の配偶者から贈与を受けても、再び本控除の適用を受けることはできない。

適切

配偶者控除は、同一の配偶者につき、一生に一回のみの適用となります。

そのため、本選択肢のように控除の適用を受けたことがある場合は、その後要件を満たした贈与を受けたとしても、配偶者控除の適用を受けることはできません。

選択肢3. 本控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、贈与税の課税価格から、基礎控除額のほかに最高2,000万円を控除することができる。

適切

配偶者控除の控除額は最高2,000万円となります。これは、基礎控除額は含めていない金額となりますので、実際の控除額は、

基礎控除額110万円+配偶者控除2,000万円=2,110万円

となります。

選択肢4. 本控除の適用を受け、その翌年に贈与者の相続が開始した場合、本控除の適用を受けた財産のうち、その控除額に相当する金額は、相続税の課税価格に加算されない。

適切

被相続人の死亡時、加算対象期間に贈与された財産を相続財産に含めることを、生前贈与加算といいます。ただし、被相続人から生前贈与された財産でも下記に該当する場合は、生前贈与の加算はされません。

贈与税の配偶者控除に相当する金額

・親や祖父母から贈与を受けた住宅取得等資金の非課税適用部分

・親や祖父母から一括贈与を受けた教育資金のうち、すでに使用した非課税適用部分(残額は加算)

・親や祖父母から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち、すでに使用した非課税適用部分(残額は加算)

(国税庁HP、No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)参照)

まとめ

贈与税の配偶者控除をまとめると下記のようになります。

・対象者→婚姻期間20年以上の夫婦

・贈与内容→住居用不動産の贈与、又は住居用不動産を取得するための金銭の贈与

・控除額→最高2,000万円まで

・条件→贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与によって取得した不動産に住んでいて、以後引き続き住む見込みであること

・注意事項→同じ相手に一生で一回のみ贈与税の申告が必要

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