2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年1月
問54 (学科 問54)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年1月 問54(学科 問54) (訂正依頼・報告はこちら)

民法上の相続人等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  • 離婚した元配偶者との間に出生した被相続人の子が当該元配偶者の親権に服している場合、その子は相続人とならない。
  • 特別養子縁組による養子は、実方の父母および養親の相続人となる。
  • 被相続人の子が廃除により相続権を失った場合、その者に被相続人の直系卑属である子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。
  • 被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とみなされて相続人となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

相続の分野において、誰が相続人となるのかを問われる問題は頻出です。

特に実技では、相続人の数や法定相続分を計算させる問題が頻出なので、文章問題であったとしても、しっかり判別できるようにしておきましょう。

しかし今回は一般的というよりも、特別な場合の相続となります。

文章がややこしくなっていることが多いですが、被相続人との相関図を書いたりして、整理しながら読むようにしましょう。

選択肢1. 離婚した元配偶者との間に出生した被相続人の子が当該元配偶者の親権に服している場合、その子は相続人とならない。

不適切

今回は以下のような場合です。

 

A(被相続人)ー離婚ーB

            ↓

 子C(Bに引き取られる)

 

この場合の子Cの相続に関してですが、親が離婚をしても子供には血の繋がりがあるため、子Cには相続権があります

しかしBは離婚をしているため、相続権はありません

 


またAが再婚している場合も一緒に覚えておきましょう。

 

Dー再婚ーAー離婚ーB

 ↓     ↓

 子E    子C

 

Aが被相続人の場合、今回の相続人は再婚相手のDとその子E、そして子Cです。

法定相続分は現配偶者であるDが1/2で、子はEとCそれぞれ1/4ずつです。

選択肢2. 特別養子縁組による養子は、実方の父母および養親の相続人となる。

不適切

特別養子縁組では、実方の父母との縁が切れてしまいます

そのため、実方の父母の相続人になることはできません

しかし一方、普通養子縁組では実方の父母との縁は切れません

この場合は実方・養親どちらの相続人となることができます。

特別養子縁組と普通養子縁組、どちらが実方の相続人になれるのか、しっかり覚えておきましょう。

選択肢3. 被相続人の子が廃除により相続権を失った場合、その者に被相続人の直系卑属である子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。

適切

被相続人の子が何らかの理由によって廃除や欠格となった場合は、廃除となった被相続人の子はもちろん相続人とはなれません

しかし、その子である、被相続人からすると孫に当たる者は、代襲相続人となります

欠格や廃除になる者は、被相続人に対して重大な過失がある場合が多いですが、その欠格や廃除となった者の子には罪はないため、相続人となることができます。

 

被相続人 - 配偶者

     ↓

     子(廃除)

     ↓

 被相続人から見て孫

 (代襲相続人となる)

選択肢4. 被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とみなされて相続人となる。

不適切

内縁関係にあった者には、相続権がなく、相続人にはなれません

社会保険の分野では、内縁関係であっても配偶者と同じように扱われますが、相続に関してはあくまで法律上での繋がりがないため、配偶者とは見なされません

相続では、しっかり法律によって配偶者と認められていなければなりません。

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02

相続・事業継承分野の相続人に関する問題です。

選択肢1. 離婚した元配偶者との間に出生した被相続人の子が当該元配偶者の親権に服している場合、その子は相続人とならない。

不適切

被相続人の配偶者は常に相続人となりますが、配偶者以外の第1順位相続人は、死亡した人の子供です。この子供には養子や非嫡出子も含みますが、「親権者が誰であるか」は問われません。よって、元配偶者の親権に服している子供は、相続人となります

選択肢2. 特別養子縁組による養子は、実方の父母および養親の相続人となる。

不適切

養子には特別養子縁組普通養子縁組があり、違いは下記のとおりです。

特別養子縁組実親との法的関係解除(相続人になれない離縁するには条件を満たす必要がある

・普通養子縁組→実親との法的な親子関係は残る(相続人になれる)当事者の合意で離縁できる

本選択肢では、特別養子縁組による養子は、実方の父母と養親の両方の相続人になれるとしている点、不適切です。

選択肢3. 被相続人の子が廃除により相続権を失った場合、その者に被相続人の直系卑属である子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。

適切

代襲相続とは、被相続人の相続人(子や兄弟姉妹)の代わりにその子供が遺産を相続できる制度の事を言います。相続人が相続しない原因によって、代襲相続ができる場合と、できない場合があります。

〈代襲相続できる場合〉

・相続人が相続発生時に死亡している場合

・相続人が相続欠格になる場合

相続人が相続人廃除になる場合

〈代襲相続できない場合〉

・相続人が相続放棄した場合

※兄弟姉妹が相続する場合、代襲相続できるのは一代限りです。

選択肢4. 被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とみなされて相続人となる。

不適切

被相続人の相続人となる配偶者の要件として、婚姻関係であることが必要です。内縁関係である者、事実婚状態である者、離婚している元配偶者は、相続人になれません。

まとめ

補足として、相続欠格と相続人廃除を説明します。

相続欠格

・内容→相続人として相応しくない人の相続資格をなくす制度

・主な欠格事由→被相続人を殺害もしくは殺害しようとした場合、遺言書の偽造や隠ぺいを行った場合

・手続き→家庭裁判所などの手続きはなく、当然に資格を失う

相続人廃除

・内容→被相続人の意思で、相続人の相続権を剥奪する制度

・理由→被相続人に対する虐待、重要な侮辱、著しい非行があった場合

・手続き→家庭裁判所に申立て(家庭裁判所が判断)

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03

相続人に関する問題です。

選択肢1. 離婚した元配偶者との間に出生した被相続人の子が当該元配偶者の親権に服している場合、その子は相続人とならない。

不適切な選択肢。

子が相続人となる際には親権に服しているかどうかは関係ありません。

選択肢2. 特別養子縁組による養子は、実方の父母および養親の相続人となる。

不適切な選択肢。

養子が実父母との親子関係を断ち切り、

養父母との親子関係を作ることを「特別養子」といいます。

この場合原則、養父母のみの相続人となります。

実父母との親子関係を維持したまま養父母との親子関係を作る「普通養子」については、

実父母・養父母の両方の相続人になります。

選択肢3. 被相続人の子が廃除により相続権を失った場合、その者に被相続人の直系卑属である子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。

適切な選択肢。

「代襲相続」は相続開始時に相続人となる人が、

死亡・欠格・廃除よって相続権がなくなっている場合に、

その人の子が代わりに相続することをいいます。

選択肢4. 被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とみなされて相続人となる。

不適切な選択肢。

婚姻の届出をしていない事実婚内縁の場合は相続人にはなれません

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