2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年5月
問23 (学科 問23)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年5月 問23(学科 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

株式投資信託の一般的な運用手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法を、ボトムアップ・アプローチという。
  • 割高な銘柄の買建てと割安な銘柄の売建てをそれぞれ同程度の金額で行い、市場全体の変動に左右されない収益の確保を目指す手法を、マーケット・ニュートラル運用という。
  • 企業の将来の売上高や利益の成長性が市場平均よりも高いと見込まれる銘柄を組み入れて運用するグロース運用は、PERやPBRが低い銘柄中心のポートフォリオとなる傾向がある。
  • 「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託のうち、「ベア型」は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するように設計されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は投資信託の一般的な運用手法に関するものです。

近年注目されてきた投資信託ですが、運用の仕組みや種類、

運用手法などは銘柄によって様々です。

基本的な部分を理解することによって、

他の応用的な問題も解けるようになるため、

確実に押さえておきたい問題範囲です。

選択肢1. マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法を、ボトムアップ・アプローチという。

不適切

経済環境等を基にマクロ的な分析を行った銘柄選定の方法は

トップダウンアプローチと言います。

ボトムアップアプローチは、

様々な個別銘柄の調査と分析を行って決める銘柄選定の方法です。

選択肢2. 割高な銘柄の買建てと割安な銘柄の売建てをそれぞれ同程度の金額で行い、市場全体の変動に左右されない収益の確保を目指す手法を、マーケット・ニュートラル運用という。

不適切

マーケット・ニュートラル運用とは「割安な銘柄を買い建て」、

「割高な銘柄を売り建てる」ことを同額で行う手法です。

相場が上がっても下がっても全体の影響を受けることなく

利益を出すことができます。

しかし、買い建てと売り建ての両方で利益を出せる一方で、

損失を両方で出すリスクもあります。

選択肢3. 企業の将来の売上高や利益の成長性が市場平均よりも高いと見込まれる銘柄を組み入れて運用するグロース運用は、PERやPBRが低い銘柄中心のポートフォリオとなる傾向がある。

不適切

個別銘柄の選定の組み入れる基準には二つの考え方があります。

一つは将来的な成長が見込まれるグロース型で、

もう一つは企業利益や資産などから割安な銘柄を選定する

バリュー型です。

グロース型のポートフォリオは成長性を重視して選定しているため、

市場よりもPERやPBRが高い傾向にあります。

選択肢4. 「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託のうち、「ベア型」は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するように設計されている。

適切

ブル型ファンドとベア型ファンドは、

先物取引やオプション取引などを利用して、

株価指数の値動きを上回る利益を目指す運用手法です。

ブル型ファンドはレバレッジ型とも呼ばれ、

「相場が上昇」したときに利益が出ます。

一方で、ベア型ファンドはインバース型とも呼ばれ、

「相場が下落」したときに利益が出ます。

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02

金融資産運用分野から、投資信託に関する問題になります。

投資信託とは、資産運用の専門家が、投資家に代わって株式や債券などに投資・運用する商品のことです。

選択肢1. マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法を、ボトムアップ・アプローチという。

不適切

経済環境をマクロ的に分析して購入銘柄を選定する方法を、トップダウンアプローチといいます。マクロとは、物事を全体像や広範囲にわたる視点で見ることをいいます。簡単にいえば、大きな範囲から段々小さいものへと絞っていく選定方法が、トップダウンアプローチといえます。ボトムアップアプローチは、個別銘柄の調査と分析をして銘柄を選定します。トップダウンアプローチとは逆で、小さいところから大きな視点へと広げていく選定方法です。

選択肢2. 割高な銘柄の買建てと割安な銘柄の売建てをそれぞれ同程度の金額で行い、市場全体の変動に左右されない収益の確保を目指す手法を、マーケット・ニュートラル運用という。

不適切

マーケット・ニュートラル運用とは、その名の通り、「マーケット(市場)の変動に対してニュートラル(中立)であること」を目指す運用方法です。

・割高な銘柄を売る→将来、株価が下がることを期待して売る

・割安な銘柄を買う→将来、株価が上がることを期待して買う

この二つを同額で行うことにより、株が下がっても上がっても利益を得ることが期待されます。本選択肢では、割高な銘柄を買って、割安な銘柄を売っているので、不適切となります。

選択肢3. 企業の将来の売上高や利益の成長性が市場平均よりも高いと見込まれる銘柄を組み入れて運用するグロース運用は、PERやPBRが低い銘柄中心のポートフォリオとなる傾向がある。

不適切

銘柄の選定方法としては、主として2つの考えがあります。

グロース株将来の成長が見込まれる銘柄に投資

バリュー株→企業利益や資産などから、株価が割安と考えられる銘柄に投資

PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が低い銘柄が中心となるのは、バリュー型です。

選択肢4. 「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託のうち、「ベア型」は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するように設計されている。

適切

投資信託の分類方法として、「ベア型」と「ブル型」があります。

ブル型ファンド相場が上昇した時に利益が出るように運用

ベア型ファンド相場が下落した時に利益が出るように運用

覚え方としては、「ブル型→牛→角を突き上げる→上昇相場」「ベア型→熊→手を振り下ろす→下落相場」とイメージしましょう。

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03

投資信託の一般的な運用手法は、たまに出題されています。

さらに2024年には新NISAも始まり、投資というものが一層注目されているため、特に投資信託に関する問題は、数年間はホットは話題となるでしょう。

金融の分野は特に試験が行われる年の流行に左右されることが多いです。

世界的に投資信託に限らず金融というものがキーワードがなっているので、しっかりと押さえておきましょう。

 

 

投資信託の運用手法はいくつかありますが、下記の3点を押さえておきましょう。

パッシブ運用(インデックス運用)

TOPIXや日経平均株価など特定のインデックスを運用の基準(ベンチマーク)とし、そのベンチマークに連動するような運用を目指す

 

アクティブ運用

ベンチマークを上回る運用成果を目指す

 

マーケット・ニュートラル運用

割安な銘柄の買いと割高な銘柄の売りを同じ金額で行う取引

選択肢1. マクロ的な環境要因等を基に国別組入比率や業種別組入比率などを決定し、その比率に応じて、個別銘柄を組み入れてポートフォリオを構築する手法を、ボトムアップ・アプローチという。

不適切

ボトムアップアプローチとはアクティブ運用の手法の1つです。

ボトムアップアプローチとは、個別企業を調査し、その結果に基づいて組入れる銘柄を1つ1つ選別していく手法のことです。

よって説明と違います。

 

選択肢の説明は、トップダウンアプロ―チの説明です。

トップダウンアプローチとは、景気や金利、為替などの環境要因(マクロ経済)から分析して、その結果に基づいて組入れる銘柄を絞り込んでいく手法のことです。

またトップダウンアプローチもアクティブ運用の手法の1つです。

 

ボトムアップは細かく1つ1つ選ぶ、トップダウンはたくさんの中から絞る

このようなイメージで覚えておきましょう。

選択肢2. 割高な銘柄の買建てと割安な銘柄の売建てをそれぞれ同程度の金額で行い、市場全体の変動に左右されない収益の確保を目指す手法を、マーケット・ニュートラル運用という。

不適切

マーケット・ニュートラル運用とは、割安な銘柄の買いと割高な銘柄の売りを同じ金額で行う取引のことです。

 

選択肢の文章がおかしいことに気づきましょう。

割高な銘柄を買うということは、現在の値段は元々の価値よりも高いのに買おうとしているので、損をしてしまう買い方です。

また割安な銘柄を売るということは、現在の値段は元々の価値よりも低いのに売ってしまっては、こちらも損をします。

しっかり読むと矛盾に気付ける選択肢です。

選択肢3. 企業の将来の売上高や利益の成長性が市場平均よりも高いと見込まれる銘柄を組み入れて運用するグロース運用は、PERやPBRが低い銘柄中心のポートフォリオとなる傾向がある。

不適切

グロース運用とはアクティブ運用の手法の1つで、より将来成長性に期待できる銘柄に投資をする手法です。

 

選択肢の後半の説明は、バリュー投資の説明になっています。

バリュー投資とは、割安な銘柄に投資をする手法です。

よってPERやPBRが低い銘柄を中心に投資をします。

選択肢4. 「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託のうち、「ベア型」は、ベンチマークが下落すると基準価額が上昇するように設計されている。

適切

「ブル型」「ベア型」と呼ばれる特殊型の投資信託は、先物やオプションを組み入れることで、積極的に利益を追求していく投資信託です。

 

ブル(レバレッジ型)ファンド

株価が上昇したとき、値上がり率の数倍の値上がりが期待できる

ベア(インバース型)ファンド

株価が下落したとき、下落率の数倍の値上がりが期待できる

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