2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年5月
問99 (実技 問39)
問題文
裕子さんは、老齢年金の繰上げ受給を検討しており、FPの飯田さんに質問をした。裕子さんの老齢基礎年金の繰上げ受給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

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問題
FP技能検定2級 2024年5月 問99(実技 問39) (訂正依頼・報告はこちら)
裕子さんは、老齢年金の繰上げ受給を検討しており、FPの飯田さんに質問をした。裕子さんの老齢基礎年金の繰上げ受給に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

- 「老齢基礎年金の繰上げ請求を行った場合の年金額は、0.4%に繰上げ請求月から65歳に達する月の前月までの月数を乗じた率に基づき減額されます。」
- 「老齢厚生年金の繰上げ請求を行うことができる人が老齢基礎年金の繰上げ請求をする場合、老齢厚生年金も同時に繰上げ請求しなければなりません。」
- 「老齢基礎年金と併せて付加年金を受給できる人が老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合、付加年金も減額されて繰上げ支給されます。」
- 「20歳から60歳になるまでの間に保険料を納めていなかった期間がある人については、老齢基礎年金の繰上げ請求をした後であっても、国民年金に任意加入することができます。」
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この過去問の解説 (3件)
01
不適切な選択肢を選ぶ問題です。
老齢になった際に受け取る公的年金を「老齢基礎年金」といい、受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した期間)が10年以上ある場合に65歳から受け取ることができます。
また、老齢基礎年金の受給開始年齢は原則65歳からですが、60歳から65歳になるまでの間に年金の受け取りを開始する「繰上げ受給」や、66歳から75歳までに年金の受け取りを開始する「繰下げ受給」を選択することもできます。
老齢基礎年金の繰上げ請求を行った場合、『繰り上げた月数(繰上げ請求月から65歳に達する月の前月まで)×0.4%』の割合で、年金額から生涯にわたり減額されます。
選択肢の内容は適切なので、この選択肢は間違いです。
老齢基礎年金の受給資格を満たす人に厚生年金の加入期間がある場合(公務員や会社員だった場合)には、老齢基礎年金に上乗せして「老齢厚生年金」を受け取ることができます。
老齢厚生年金は、老齢基礎年金と同じく「繰上げ受給」と「繰下げ受給」を選択することができますが、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つを別々に繰上げ受給することはできません。
選択肢の内容は適切なので、この選択肢は間違いです。
なお、「繰下げ受給」は別々に受給することができるので注意しましょう。
第1号被保険者(自営業者など)が任意で月額400円を国民年金保険料に上乗せして納付することで、『200円×付加保険料を納めた月数』分が老齢基礎年金に加算される制度を「付加年金」といい、付加年金を受給できる人が老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合には、老齢基礎年金と同じ割合で付加年金も減額されて繰上げ支給されます。
選択肢の内容は適切なので、この選択肢は間違いです。
20歳以上60歳未満のすべての人は「国民年金」に加入しますが、本人の申し出により「60歳以上65歳未満」の5年間、国民年金保険料を納めることで65歳から受け取る老齢基礎年金を増やすことができる制度を「国民年金の任意加入」といいます。
ただし、老齢基礎年金の繰上げ受給をした場合には国民年金の任意加入はできなくなるので注意が必要です。
選択肢の内容は不適切なので、この選択肢が正解です。
したがって、答えは「20歳から60歳になるまでの間に保険料を納めていなかった期間がある人については、老齢基礎年金の繰上げ請求をした後であっても、国民年金に任意加入することができます」です。
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02
国民年金の被保険者には、以下の3種類があります。
◆第1号被保険者:20歳以上60歳未満で第3号被保険者以外の者
◆第2号被保険者:厚生年金保険の加入者
◆第3号被保険者:20歳以上60歳未満で第2号被保険者の被扶養配偶者
受給資格期間が10年以上ある人が65歳になると、
老齢年金の給付が始まります。
選択肢の文章の通りです。
これに対して、年金の受給開始時期を遅らせる繰下げ請求を行った場合は、
0.7%に65歳に達した月から繰下げ申し出月の前月までの月数を乗じた率に基づき増額されます。
繰上げによる減額も、繰下げによる増額も、一生涯続きます。
よって、正しいです。
繰上げ請求は老齢基礎年金と老齢厚生年金を、
同時にしなければなりません。
繰下げ請求については、
老齢基礎年金と老齢厚生年金のどちらか一方だけでも可能です。
よって、正しいです。
付加年金は、第1号被保険者のみの制度です。
月額400円を保険料に上乗せして納付すると、
付加年金納付月数×200円/年が、老齢基礎年金に加えて支給されます。
老齢基礎年金の繰上げ請求をすると、付加年金も一緒に減額されて支給されます。
繰下げた場合は、一緒に増額して支給されます。
よって、正しいです。
20歳から60歳になるまでの間に保険料を納めていなかった期間がある場合でも、
老齢基礎年金の繰上げ請求をした後は、国民年金に任意加入することはできません。
保険料の支払いを、免除・猶予された期間の保険料を
追納することもできません。
よって、誤りです。
老齢年金を受け取るためには、請求手続が必要です。
受給開始年齢に達する3ヵ月前に送られてくる年金請求書に、
必要事項を記入して、年金事務所に提出します。
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03
老齢年金を繰上げ受給する際の留意点として、下記の内容があります。
減額率:繰上げ受給をすると、受給開始年齢を早めた月数に応じて年金額が
減額されます。1ヶ月繰上げるごとに0.4%減額され、最大で24%
の減額となります。
取り消し不可:一度繰上げ受給を選択すると、取り消しや変更はできず、
減額された年金額が一生続きます。
国民年金と厚生年金の同時請求:国民年金と厚生年金を同時に繰上げ請求する
必要があります。一方のみの繰上げ請求はできません。
他の年金との関係:繰上げ受給をすると、65歳までは老齢年金と遺族厚生年金
を同時に受給することができません。また繰上げ後に障害者や
寡婦になっても、障害年金や寡婦年金の請求はできません。
任意加入や追納の制限:繰上げ受給後は、国民年金の任意加入や過去の保険料
免除期間の追納はできません。
正しい
老齢基礎年金、老齢厚生年金を繰上げ受給した場合の年金額は、
繰上げた月数×0.4%だけ減額されます。
60歳から繰上げ受給する場合、
年金額は24%(=12ヶ月×5年×0.4%)減額されます。
なお1962年4月1日以前に生まれた方は、1ヶ月繰上げるごとの減額割合が0.5%となります。
正しい
年金の繰上げ請求をする場合は、
老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行う必要があります。
なお繰り下げ請求の場合は、いずれか一方のみ単独で行うことができます。
正しい
老齢基礎年金を繰上げ受給する場合、
付加年金も同率で減額されます。
なお繰り下げ受給する場合は、
付加年金も老齢基礎年金部分と同率で増額されます。
誤り
老齢基礎年金の繰上げ請求をした後は、
国民年金の任意加入や追納は出来なくなります。
繰上げ受給の注意点はきちんと抑えておきましょう。
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