2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問51 (学科 問51)

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問題

FP技能検定2級 2024年9月 問51(学科 問51) (訂正依頼・報告はこちら)

民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。
  • 負担付贈与は、受贈者の負担により利益を受ける者が贈与者以外である場合には成立しない。
  • 死因贈与は、民法の遺贈に関する規定が準用されるため、贈与者のみの意思表示により成立する。
  • 書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、「ライフプランニングと資金計画」の問題です。
FPは顧客の資産管理や相続対策をサポートする立場として、贈与についての法的なルールを正しく理解しておく必要があります。
試験では、贈与の種類ごとの違いが良く出題されますので、それぞれの法的な取り扱いの違いをしっかり押さえておきましょう。

選択肢1. 定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。

適切

定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して、一定の期間にわたり継続して贈与を行うものです。定期贈与は、当事者の信頼関係に基ずく契約とされており、贈与者または受贈者が亡くなると、権利義務が相続されないため、その時点で効力を失います。

「贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。」という記述は適切です。

選択肢2. 負担付贈与は、受贈者の負担により利益を受ける者が贈与者以外である場合には成立しない。

不適切

負担贈与とは、贈与を受ける側(受贈者)が贈与を受けることを条件に一定の負債を負う契約のことです。負担付贈与は、受贈者が負担する債務によって利益を受ける者が贈与者以外であっても成立します。

例えば、父親が息子に土地を贈与するが「母の住宅ローンを完済すること」を条件とします。このように、息子(受贈者)の負担で母(第三者)が利益を受けるケースでも、負担付贈与は成立します。

「受贈者の負担により利益を受ける者が贈与者以外である場合には成立しない。」という記述は不適切です。

選択肢3. 死因贈与は、民法の遺贈に関する規定が準用されるため、贈与者のみの意思表示により成立する。

不適切

死因贈与とは、贈与者が死亡したときに効力が生じる贈与契約です。遺贈(遺言による贈与)と似ていますが、契約であるため受贈者(受け取る側)の承諾が必要となります。

一方、遺贈は遺言によって行われるため、遺言者の一方的な意思表示で成立し、受贈者の承諾は不要です。しかし、死因贈与は「贈与契約」であるため、贈与者の意志表示だけでは成立せず、受贈者の同意がなければ無効となります。

「贈与者のみの意志表示により成立する」という記述は不適切です。
 

選択肢4. 書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。

不適切

書面によらない贈与とは、口頭などで行われた贈与契約のことです。

民法では、書面がない贈与は履行前であれば撤回できますが、すでに履行された部分については解除することができません。

例えば、AさんがBさんに「時計をあげる」と口約束した場合、実際に渡す前であれば撤回できます。しかし、すでに時計をBさんに渡してしまった後には、Aさんが「やっぱり返してほしい」と言っても撤回することはできません。このように、履行済みの部分は解除できません。

「履行の終わった部分についても解除できる」という記述は不適切です。

まとめ

この問題では、贈与契約に関する民法の規定を正しく理解できているか、が問われています。特に、定期贈与・負担贈与・死因贈与・書面によらない贈与 の違いをしっかり押さえておくことが重要です。

 

定期贈与当事者の信頼関係に基づくため、贈与者または受贈者が死亡すると効力を失います。

負担贈与は、受贈者の負担によって贈与が成立するため、第三者が利益を受ける場合でも有効です。

死因贈与は、贈与契約の一種であり、贈与者の死亡時に効力が発生しますが、受贈者の承諾が必要です。

書面によらない贈与履行前であれば撤回できますが、すでに履行された部分は解除できません。

 

このように、それぞれ贈与契約には異なるルールがあるので、試験でも出題されやすいポイントとなります。

贈与契約ごとの特徴をしっかり整理し理解を深めておきましょう。

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02

民法の贈与に関する問題です。贈与の形態には、通常の贈与のほか、定期贈与、負担付贈与、死因贈与などがあります。

各々の形態と特徴を整理し、理解しておきましょう。

選択肢1. 定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。

適切

定期贈与は、決められた期間に一定の贈与を行う契約です。

贈与者または受贈者の死亡により、契約終了となります。

選択肢2. 負担付贈与は、受贈者の負担により利益を受ける者が贈与者以外である場合には成立しない。

不適切

負担付贈与とは、贈与時に条件として、受贈者に一定の債務を負担させる契約をいいます。この負担による利益を受ける者は、贈与者に限りません。

例えば、土地を贈与する代わりにその土地を無償で使用するという負担付贈与契約を結んだ場合、その土地の使用者を贈与者ではなく、第三者にすることもできます。

選択肢3. 死因贈与は、民法の遺贈に関する規定が準用されるため、贈与者のみの意思表示により成立する。

不適切

確かに、民法にて「遺贈に関する規定を準用する」と明記がありますが、死因贈与は双方の同意が必要な契約、遺贈は一方の意思表示で成立する単独行為、という違いがあります。一方で、どちらも贈与者(遺言者)の死亡によって効力が生じます。

選択肢4. 書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。

不適切

民法550条にて「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない」と明記があります。つまり、履行が終わった部分の撤回はできません。

まとめ

贈与に関しては、贈与税に比べて出題頻度は高くありません。しかしながら、贈与税の基礎となる大切な部分です。

各形態の特徴と同時に、「対象となる税」(贈与税なのか相続税なのか)も押さえておきましょう。

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