2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問52 (学科 問52)

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問題

FP技能検定2級 2024年9月 問52(学科 問52) (訂正依頼・報告はこちら)

贈与税の配偶者控除(以下「本控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
  • 過去に本控除の適用を受けたことがある場合、同一の配偶者からの贈与について、再び本控除の適用を受けることはできない。
  • 本控除の適用を受けるためには、贈与者である配偶者との婚姻期間が贈与を受けた日の属する年の1月1日において20年以上でなければならない。
  • 配偶者からの贈与について本控除の適用を受け、その翌年に当該配偶者が死亡した場合、当該配偶者に係る相続税額の計算上、本控除の適用を受けた財産のうち、本控除により控除された金額に相当する部分は相続税の課税価格に加算されない。
  • 居住用不動産である家屋およびその敷地のうち、敷地のみの贈与を受けた場合であっても、本控除の適用を受けることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、FP2級試験の「タックスプランニング」の問題です。
FPは、顧客の資産管理や相続対策をサポートする立場として、贈与税の仕組みや特例について正しく理解しておく必要があります。

特に「贈与税の配偶者控除」の適用条件や仕組みを押さえておきましょう。

選択肢1. 過去に本控除の適用を受けたことがある場合、同一の配偶者からの贈与について、再び本控除の適用を受けることはできない。

適切
贈与税の配偶者控除は、同じ配偶者からの贈与について、一生に一度しか適用できません。そのため、過去に適用を受けた場合、同じ配偶者からの贈与に対して再度適用することはできません。

例えば、夫が妻にこの控除を適用して居住用不動産を贈与した後、数年後にもう一度別の居住用不動産を贈与した場合、2回目の贈与となり本控除は適用されなくなります。

「過去に本控除の適用受けた場合、同一の配偶者から再度本控除の適用を受けることはできない。」という記述は適切です。

選択肢2. 本控除の適用を受けるためには、贈与者である配偶者との婚姻期間が贈与を受けた日の属する年の1月1日において20年以上でなければならない。

適切
本控除を適用するためには、婚姻期間20年以上という要件があります。この婚姻期間は、贈与を受けた1月1日時点で判定されるため、例えば、婚姻期間が19年目の夫婦で「結婚記念日が1月10日」の場合、婚姻期間が20年を迎えるのは1月10日です。しかし、本控除の婚姻期間は「贈与を受けた年の1月1日時点」で判定されるので、この夫婦がその年に「居住用不動産」または「その取得金の贈与」を受けたとしても、本控除は適用されません。本控除を受けられるのは、翌年の1月1日以降の贈与からとなります。
「婚姻期間が20年以上必要である」という記述は適切です。

選択肢3. 配偶者からの贈与について本控除の適用を受け、その翌年に当該配偶者が死亡した場合、当該配偶者に係る相続税額の計算上、本控除の適用を受けた財産のうち、本控除により控除された金額に相当する部分は相続税の課税価格に加算されない。

適切
通常、相続税では、生前3年以内の贈与財産は相続税の課税対象に加算されます。
しかし本控除の適用を受けた財産については、相続税の課税価格に加算されません。

例えば、妻が本控除を適用して夫から居住用不動産を贈与された後、翌年に夫が亡くなった場合、この不動産は、相続税の計算において「3年以内の贈与加算」の対象とはなりません。
「本控除の適用を受けた財産は相続価格に加算されない」という記述は適切です。

選択肢4. 居住用不動産である家屋およびその敷地のうち、敷地のみの贈与を受けた場合であっても、本控除の適用を受けることができる。

不適切
本控除の対象となるのは、「居住用不動産」または「その取得金の贈与」です。したがって、「敷地(※土地)のみ」を贈与された場合には適用されません。
例えば、夫が所有する家と土地のうち、「土地だけ」を妻に贈与した場合、家が含まれていないので、本控除の適用は受けられません。逆に、「家だけ」を贈与する場合は、本控除の対象になります。

「敷地のみの贈与でも適用を受けられる」という記述は不適切です。

まとめ

この問題では、「贈与税の配偶者控除」の適用条件やルールを正しく理解できているか、が問われています。
本控除は、婚姻期間20年以上の配偶者から、居住用不動産またはその取得資金の贈与を受けた場合に適用される特例です。

特に重要なポイントとして、以下の点を押さえておきましょう。

 

✅本控除は一生に一度しか適用できないため、同じ配偶者から再適用はできません。
✅婚姻期間は、贈与を受けた年の1月1日時点で20年以上あることが条件です。
✅本控除を適用した財産は、相続税の「3年以内の贈与加算」の対象にはなりません。
✅「敷地のみ」の贈与は適用対象外であり、建物を含む必要があります。

 

本控除の適用要件や適用範囲を正しく理解し、試験での出題に対応できるようにしておきましょう。
 

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02

贈与税の配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間で贈与した場合、その内容が自宅などの居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭だったら、贈与税の申告をすることにより控除を受けることができるという特例です。その控除額は、基本控除額(110万円)と特別控除額(2,000万円)の合計額となります。

選択肢1. 過去に本控除の適用を受けたことがある場合、同一の配偶者からの贈与について、再び本控除の適用を受けることはできない。

適切

贈与税の配偶者控除は、同じ配偶者の間では一生に一度のみです。

選択肢2. 本控除の適用を受けるためには、贈与者である配偶者との婚姻期間が贈与を受けた日の属する年の1月1日において20年以上でなければならない。

不適切

贈与税の配偶者控除の特例を受けるためには、夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたことが必要です。「贈与を受けた日の属する年の1月1日において」とありますが、正確には「贈与日において」20年以上でなければならない、となります。

選択肢3. 配偶者からの贈与について本控除の適用を受け、その翌年に当該配偶者が死亡した場合、当該配偶者に係る相続税額の計算上、本控除の適用を受けた財産のうち、本控除により控除された金額に相当する部分は相続税の課税価格に加算されない。

適切

通常、相続税の対象となる相続財産の中には、「生前に贈与された財産」も含まれます。しかし、配偶者控除の適用を受けて贈与した財産は対象外となります。

選択肢4. 居住用不動産である家屋およびその敷地のうち、敷地のみの贈与を受けた場合であっても、本控除の適用を受けることができる。

適切

建物のみや敷地のみの贈与の場合でも、配偶者の特別控除の適用を受けることができます。家屋と敷地一緒でないと適用できない、ことはありません。ちなみに、居住用不動産とは、「専ら居住の用に供する土地もしくは土地の上に存する権利または家屋で国内にあるもの」(国税庁HP、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4452.htm)と定義されています。

まとめ

贈与税の配偶者控除は、贈与税の特例のひとつです。他の特例も併せて確認しておきましょう。

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