2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問55 (学科 問55)
問題文
遺産の分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
FP技能検定2級 2024年9月 問55(学科 問55) (訂正依頼・報告はこちら)
遺産の分割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 被相続人は、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
- 共同相続人は、一定の場合を除き、遺産の全部ではなく一部の分割内容のみを定めた遺産分割協議書を作成することができる。
- 遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、原則として、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができる。
- 遺産分割協議書は、公正証書によって作成しなければならない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、FP2級試験の「相続・事業継承」の問題です。
FPは相続のルールや手続きを正しく理解し、遺産分割の仕組みについて
適切に説明することが求められます。
遺産の分割方法には、共同相続人の協議による「遺産分割協議書」、
遺言による指定分割、家庭裁判所の調停や審判による分割があります。
また、遺産分割には期限や手続き上の決まりがあるため、
制度のポイントをしっかり押さえておきましょう。
適切
被相続人(亡くなった人)は、遺言によって遺産分割を一定期間禁止することができます。
ただし、その期間は相続開始から5年以内に限られます(民法908条)
これは、相続財産の保全や相続人の調整を目的として設けられているルールです。
「遺言で、相続開始から5年間は遺産の分割を禁ずることができる。」という記述は適切です。
適切
遺産分割協議は、必ずしも相続財産のすべてを一括で決める必要はありません。
例えば、不動産について協議を行い、預貯金の分割は後にするといった「一部のみの協議」も可能です。
ただし、相続人間の合意が前提となるため、紛争を防ぐためにも明確な合意内容を協議書に記載することが重要です。
「一部の分割内容のみを定めた遺産分割協議書を作成できる」という記述は適切です。
適切
遺産分割は、原則として共同相続人全員の合意によって行いますが、協議がまとまらない場合や、協議自体が難しい場合は、家庭裁判所に分割を請求(調停・審判の申立て)することができます。(民法907条2項)
調停でも合意に至らない場合は、家庭裁判所が審判を行い、法的に遺産分割を決定します。
「協議が調わない場合、家庭裁判所に請求できる」という記述は適切です。
不適切
遺産分割協議書は、公正証書で作成する必要はありません。
通常は相続人全員が合意し、自筆やパソコンで作成した文書に署名・押印すれば有効です。
ただし、公正証書で作成することで紛争を防ぎ、証明力を高める効果があるため、争いを避けたい場合に利用されることがあります。
「遺産分割協議書は公正証書でなければならない」という記述は不適切です。
この問題では、遺産分割のルールや手続きに関する理解が問われています。
特に、遺産分割の禁止期間、分割協議の自由度、裁判所の介入、公正証書の必要性について正しく理解することが重要です。
✅遺言による分割禁止は最長5年まで可能です。
✅遺産分割協議は、相続財産の一部のみについても可能です。
✅協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割を請求できます。
✅遺産分割協議書の作成は公正証書ではなく個人作成でも問題ありません。
このように、相続手続きの流れや実務上のポイントを正しく理解しておきましょう。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
02
遺産分割について問われた設問になります。
遺言の基本と合わせて理解しておくと、整理しやすくなります。
適切
民法908条の通りです。5年間は遺産の分割をしてはいけないという遺言は有効です。5年間という期間は覚えておきましょう。
適切
民法907条に明記されています。遺産分割協議書とは、共同相続人が遺産をどのように分割するか協議した内容をまとめたものです。共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、遺産の一部の遺産分割協議書を作成することができます。全部である必要はありません。
適切
民法907条2項に明記されている通りです。共同相続人の意見がまとまらない(協議分割ができない)場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停(調停分割)を申し立てることができます。
不適切
遺産分割協議書を公正証書にて作成する義務はなく、形式は自由とされています。
この問題を機に、遺産分割の流れも押さえておきましょう。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問54)へ
2024年9月 問題一覧
次の問題(問56)へ