2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問57 (学科 問57)

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問題

FP技能検定2級 2024年9月 問57(学科 問57) (訂正依頼・報告はこちら)

配偶者に対する相続税額の軽減(以下「配偶者の税額軽減」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 配偶者の税額軽減の適用を受けた配偶者が相続または遺贈により取得した正味の遺産額が1億6,000万円を超える場合は、その遺産額が配偶者の法定相続分相当額以下であっても、配偶者の納付すべき相続税額は0(ゼロ)とならない。
  • 配偶者の税額軽減の適用を受け、納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、相続税の申告書を提出する必要はない。
  • 相続の放棄をした配偶者は、配偶者の税額軽減の適用を受けることができない。
  • 配偶者の税額軽減の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をしている者に限られる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、FP2級試験の「相続・事業承継」の問題です。
FPは、顧客の相続や贈与の計画をサポートする立場として、配偶者の税額軽減について正しく理解しておく必要があります。
配偶者の税額軽減(以下「配偶者の税額軽減」)とは、配偶者が取得する遺産にかかる相続税を大幅に軽減する制度です。
これは、配偶者の生活を保障するための優遇措置であり、一定の条件を満たすと相続税が減額またはゼロになることがあります。
試験では、適用要件、申告義務、法的な婚姻関係の要件などが問われるため、制度の仕組みを正しく押さえておくことが重要です。

選択肢1. 配偶者の税額軽減の適用を受けた配偶者が相続または遺贈により取得した正味の遺産額が1億6,000万円を超える場合は、その遺産額が配偶者の法定相続分相当額以下であっても、配偶者の納付すべき相続税額は0(ゼロ)とならない。

不適切
配偶者の税額軽減は、次のいずれか多い金額まで適用されます。

・1億6,000万円まで
・配偶者の法定相続分相当額まで
例えば、配偶者の法定相続分が 2分の1 であり、被相続人の正味の遺産額が 

3億円の場合、法定相続分は 1億5,000万円 です。
この場合、法定相続分相当額(1億5,000万円)が1億6,000万円を超えないため、全額が非課税 となります。

もし、配偶者が2億円を取得した場合、1億6,000万円を超えているため、

超過分(4,000万円)に対して相続税が発生 します。
しかし、法定相続分の範囲内であれば、1億6,000万円を超えても全額が非課税となります。
「税額がゼロにならない」という記述は不適切です。

選択肢2. 配偶者の税額軽減の適用を受け、納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、相続税の申告書を提出する必要はない。

不適切

配偶者の税額軽減を適用するには、たとえ相続税がゼロになっても、必ず相続税の申告書を提出しなければなりません。
これは、税務署に対して正式に税額軽減の適用を申請する必要があるためです。

申告を行わなかった場合、税額軽減の適用が認められず、結果として相続税が課される可能性があります。
「相続税額がゼロなら申告は不要」という記述は不適切です。

選択肢3. 相続の放棄をした配偶者は、配偶者の税額軽減の適用を受けることができない。

不適切

配偶者の税額軽減は、被相続人の配偶者が相続または遺贈により財産を取得した場合 に適用されます。
相続放棄をした場合、原則として相続人ではなくなるため、相続による取得は対象外となります。
しかし、遺贈により財産を取得した場合や、「みなし相続財産」(死亡保険金や退職手当金など)を取得した場合には、税額軽減の適用を受けることが可能です。

「相続を放棄した配偶者は、税額軽減を受けることができない。」という記述は不適切です。

選択肢4. 配偶者の税額軽減の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をしている者に限られる。

適切

配偶者の税額軽減を受けられるのは、被相続人と法律上の婚姻関係にある配偶者のみです。
そのため、事実婚(内縁関係)や、婚姻届を出していないパートナーは対象になりません。

また、離婚した元配偶者も適用対象外です。
「法律上の婚姻の届出をしている者に限られる」という記述は適切です。

まとめ

この問題では、配偶者に対する相続税額の軽減(配偶者の税額軽減)の適用要件や、申告の必要性、相続放棄との関係が問われています。
配偶者の税額軽減は、配偶者の生活を守るための重要な制度です。


✅ 配偶者の税額軽減は、「法定相続分相当額」または「1億6,000万円」までは相続税がかからない。
軽減の適用を受けるには、相続税の申告が必須(税額がゼロでも申告が必要)。
相続放棄をした配偶者は、相続による取得には適用されないが、「遺贈」や「みなし相続財産(生命保険金など)」を取得した場合には適用を受けられる。
配偶者の税額軽減の対象となるのは、法律上の婚姻関係にある配偶者のみ(内縁関係では適用されない)

 

「どのような場合に相続税が軽減されるのか」や「適用を受けるための条件」が頻出ポイントとなります。

適用要件や適用範囲をしっかり理解しておきましょう!

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02

減税軽減とは、ある一定の条件のもと、相続税額から一定額が控除される制度です。

配偶者の税額軽減は、婚姻関係にある夫婦間の相続の場合に控除が適用されます。

選択肢1. 配偶者の税額軽減の適用を受けた配偶者が相続または遺贈により取得した正味の遺産額が1億6,000万円を超える場合は、その遺産額が配偶者の法定相続分相当額以下であっても、配偶者の納付すべき相続税額は0(ゼロ)とならない。

不適切

配偶者の税額軽減の制度は、相続や遺贈によって取得した金額が、1億6000万円、または、配偶者の法定相続分相当額以下、のいずれか多い金額まで相続税はかかりません。本問では法定相続分相当額以下とありますので、相続税額は0となります。

選択肢2. 配偶者の税額軽減の適用を受け、納付すべき相続税額が0(ゼロ)となる場合、相続税の申告書を提出する必要はない。

不適切

相続税がかからない場合でも、申告書の提出は必要となります。

選択肢3. 相続の放棄をした配偶者は、配偶者の税額軽減の適用を受けることができない。

不適切

死亡保険金や遺贈による財産の受け取りなど、相続放棄しても配偶者の税額控除を適用できる場合があります。

 

選択肢4. 配偶者の税額軽減の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をしている者に限られる。

適切

本制度における配偶者は、法律上の婚姻関係がある者に限られます。内縁関係者は本制度の配偶者には該当しません。

 

まとめ

相続税の税額軽減には、配偶者の税額軽減以外に未成年控除や障害者控除等あります。併せて理解しておきましょう。

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