2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問58 (学科 問58)

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問題

FP技能検定2級 2024年9月 問58(学科 問58) (訂正依頼・報告はこちら)

金融資産の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 普通預金の価額は、課税時期現在の既経過利子の額が少額なものに限り、課税時期現在の預入高によって評価する。
  • 外貨預金の邦貨換算は、原則として、取引金融機関が公表するその外貨預金の預入時における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。
  • 金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、原則として、課税時期の最終価格と課税時期において利払期が到来していない利息のうち源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。
  • 相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約(解約返戻金等のないものを除く)に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、FP2級試験の「相続・事業承継」分野の問題です。
FPは、顧客の相続や資産管理をサポートする立場として、

金融資産の相続税評価のルールを正しく理解しておく必要があります。

金融資産には、預貯金・公社債・上場株式・生命保険契約の権利など

さまざまな種類があり、それぞれ異なる評価方法が定められています。
試験では、課税時期の評価基準や計算方法が問われることが多いため、

適用ルールをしっかり押さえておきましょう。

選択肢1. 普通預金の価額は、課税時期現在の既経過利子の額が少額なものに限り、課税時期現在の預入高によって評価する。

適切
普通預金は、相続税評価額として課税時期の残高(預入高)に既経過利息を加えた金額が原則となります。
ただし、既経過利息が少額である場合には、預入高のみで評価できるとされています。
この評価方法は、実務上の簡便性を考慮したものです。

「普通預金は既経過利息が少額な場合、預入高で評価する」という記述は適切です。

選択肢2. 外貨預金の邦貨換算は、原則として、取引金融機関が公表するその外貨預金の預入時における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。

不適切
外貨預金は、相続開始時点の評価額を算出するため、邦貨換算(円換算)が必要です。
この際、課税時期(相続開始日)のTTB(対顧客直物電信買相場)または、

これに準ずる相場を用いるのが原則です。
したがって、外貨預金の相続税評価には、預入時の為替レートではなく、

課税時期(相続開始時点)の為替レートを適用します。
「外貨預金の邦貨換算は預入時のTTBを用いる」という記述は不適切です。

選択肢3. 金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、原則として、課税時期の最終価格と課税時期において利払期が到来していない利息のうち源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。

適切
上場されている利付公社債(国債や地方債など)は、相続税評価において市場価格を基準に評価されます。
具体的には、課税時期(相続開始日)の最終価格と、すでに発生しているが未払いの既経過利息(源泉所得税相当額を控除した額)を合計した金額が評価額となります。
「利付公社債の価額は市場価格+既経過利息で評価する」という記述は適切です。

選択肢4. 相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約(解約返戻金等のないものを除く)に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価する。

適切
生命保険契約のうち、「解約返戻金のある保険」については、相続開始時点での解約返戻金相当額をもとに評価されます。
これは、保険契約そのものに財産的価値があるため、解約した際に受け取れる金額(解約返戻金)をもって評価するルールとなっています。
既払込保険料や保険金額ではないので注意しましょう。
「生命保険契約の評価は解約返戻金を基準とする」という記述は適切です。

まとめ

この問題では、金融資産の相続税評価の基本的な仕組みや計算方法についての理解が問われています。
特に、評価の基準となる時点(課税時期)や、適用するレート・価格の選択などは試験でも頻出のポイントなので、しっかり整理しておきましょう!

 

✅ 普通預金の評価:課税時期の「残高+既経過利息」が基本。
ただし、利息が少額なら預入高のみで評価可能です。
✅ 外貨預金の評価:相続開始時点の為替レート(TTB)で邦貨換算し、
預入時のレートは適用しません!(試験で狙われやすいポイントです)
✅ 利付公社債の評価:課税時点の最終価格+既経過利息(源泉所得税控除後)を合計した金額で評価します。
✅ 生命保険契約の評価:解約返戻金のある契約は、相続開始時の解約返戻金相当額で評価します。

 

金融資産の相続税評価は、相続開始時点(課税時期)の評価基準を正しく理解しておきましょう。

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02

相続税の財産評価の問題になります。

 

選択肢1. 普通預金の価額は、課税時期現在の既経過利子の額が少額なものに限り、課税時期現在の預入高によって評価する。

適切

預貯金の評価額は通常、課税時期における預入高既経過利子(源泉所得税相当額控除後で計算されます。しかし、課税時期現在の既経過利子の額が少額な場合、同時期現在の預入高によって評する、とされています。つまり、利子が少額なら計算に入れず、預入高=評価額となります。

選択肢2. 外貨預金の邦貨換算は、原則として、取引金融機関が公表するその外貨預金の預入時における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。

不適切

相続財産が外貨の場合、円貨へ換算して評価します。換算に関しては、課税時期における最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準じた相場によります。

外貨預金の預入時としている本選択肢は誤りとなります。

選択肢3. 金融商品取引所に上場されている利付公社債の価額は、原則として、課税時期の最終価格と課税時期において利払期が到来していない利息のうち源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額との合計額によって評価する。

適切

利付公社債とは、国や地方公共団体などが投資家から資金を集めるために発行する有価証券で、定期的に利子が支払われる債券のことです。利払いは年間の一定期日に行われます。

金融商品取引所に上場されている利付公社債評価額は、(課税時期最終価格+既経過利息額(源泉所得税相当額控除後))×券面額/100円で計算されます。

 

 

選択肢4. 相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約(解約返戻金等のないものを除く)に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価する。

適切

上述の通りです。また、本選択肢に、解約返戻金のないものを除くとありますが、いわゆる掛捨保険といわれる解約返戻金のない生命保険契約は、評価されません。

まとめ

金融資産の評価問題は、株式の評価が重点となります。

株式以外の財産の出題頻度はあまり高くはありませんが、基本は押さえておきましょう。

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