2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問83 (実技 問23)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年9月 問83(実技 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

下記<資料>の宅地(貸家建付地)に係る路線価方式による相続税評価額の計算式として、正しいものはどれか。なお、記載のない事項については一切考慮しないものとする。
問題文の画像
  • 350,000円✕1.00✕300m2
  • 350,000円✕1.00✕300m2✕70%
  • 350,000円✕1.00✕300m2✕(1-70%)
  • 350,000円✕1.00✕300m2✕(1-70%✕30%✕100%)

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この過去問の解説 (3件)

01

相続税評価額の計算方法の問題です。

相続税評価額とは、相続税や贈与税を納税するため、相続財産を金額で評価した価額のことです。

宅地の評価方法としては、下記の2つがあります。

・路線価方式

路線価が定められた市街地にある宅地の評価方法

路線価には、道路に面する宅地の1㎡あたりの価格(千円単位)と借地権割合が明記されています。

・倍率方式

路線価が定められていない宅地の評価方法

土地の固定資産税評価額に一定の割合をかけて計算します。

 

本問では路線価方式を採用しています。

選択肢4. 350,000円✕1.00✕300m2✕(1-70%✕30%✕100%)

本問に、「宅地(貸家建付地)」とある部分に注目です。

貸家建付地の評価額の計算方法は

 

自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 

で計算されます。

この式が当てはまる選択肢を探していきます。

 

自用地評価額の計算

自用地評価額とは、自分所有の土地で、自宅が建っている土地や建物がなにもない状態の土地等を評価する場合に用いられる評価額の事です。

自用地評価額の計算方法は、下記の通りです。

 

路線価×奥行価格補正率×宅地面積

 

この式に実際の数字を入れていきます。

道路に「3500C」とあります。これは

・3500→この道路に面している宅地の1㎡あたりの価格は3,500千円(3,500,000円

・C→この道路に面している宅地の借地権割合は70%

という事を表しています。

よって、

 

路線価×奥行価格補正率×宅地面積=3,500,000円×奥行価格補正率×300㎡

 

これを上記の借家建付地の計算式に当てはめます。

 

3,500,000円×奥行補正率×300㎡×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 

本問注意書きに 「奥行補正率 1.00」「借地権割合 70%」「借家権割合 30%」「現在すべて賃貸中」(つまり賃貸割合100%)とありますので、これを当てはめると

 

3,500,000円×1.00×300㎡×(1-70%×30%×100%)

 

となり、本選択肢4が正解となります。

 

まとめ

本問は、借家建付地の評価額=自用地評価額×1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)を覚えていれば解ける問題でした。

 

さらに、解説を付け加えていきます。

借家建付地とは、自分の土地に自分の建物を建てて、その建物を他の人に貸している状態の土地の事です。

つまり、自用地よりも、貸している他の人(以下借主)の権利分、評価額を下げる必要があります。

借地権割合とは、借主の土地の権利割合、借地権とは借主の家の権利割合を示しています。

つまり

 

借主の権利割合 → 借地権割合×借家権割合 → 70%×30% → 21%

自分の権利割合 → 1-21% → 79%

 

つまり、1-借地権割合×借家権割合は、自分の権利割合を計算している部分となります。

 

 

 

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02

土地の相続税評価額に関する問題です。

評価方式としては、路線価方式倍率方式があります。

路線価方式:路線価(※)が定められている地域の評価方法

 計算式→路線価×奥行価格補正率×面積

倍率方式路線価(※)が定められていない地域の評価方法

 計算式→固定資産税評価額×一定の倍率

(※)路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価額のこと(千円単位)

選択肢4. 350,000円✕1.00✕300m2✕(1-70%✕30%✕100%)

本問では路線価方式を用いて計算します。

今回のケースでは、宅地(貸家建付地)の相続税評価額を求めるため、以下の計算式に当てはめて計算します。

自用地としての評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 

<自用地としての評価額>

 路線価方式を用いて計算します。

 路線価:3500C→千円単位のため350万円

 奥行価格補正率:1.00

 面積:300㎡

 →350万円×1.00×300㎡

 

<宅地(貸家建付地)の相続税評価額>

 借地権割合:70%

 借家権割合:30%

 賃貸割合:すべて賃貸中→100%

 →350万円×1.00×300㎡×(1-70%×30%×100%)

 

 よって、選択肢4が正答となります。

参考になった数0

03

この問題では、相続税評価額の計算方法を求められています。

 

相続税評価額とは、相続税を計算する際に必要な「財産の価額」のことを言います。

選択肢1. 350,000円✕1.00✕300m2

不適切です。

これは、自用地評価額の計算式です。

選択肢2. 350,000円✕1.00✕300m2✕70%

不適切です。

これは借地評価額の計算式です。

選択肢3. 350,000円✕1.00✕300m2✕(1-70%)

不適切です。

これは貸宅地評価額の計算式です。

選択肢4. 350,000円✕1.00✕300m2✕(1-70%✕30%✕100%)

適切です。

これは貸家建付地評価額の計算式です。

路線価・借地権割合、自用地評価額を求めた上で、宅地の種類に応じた計算方法を選択する必要があります。

 

①路線価と借地権割合の確認

路線価は、道路に面する宅地の1㎡当たりの価額のことです。

 

路線価と借地権割合は、数字とアルファベットで表されています。

問題の「3500C」であれば、以下の通りになります。

 

数字(路線価) : 1㎡あたり3,500千円 (3,500,000円

※数字に「千円」をつけて読む

 

アルファベット(借地権割合) : 70%

※ A:90% B:80% C:70%・・・と割り当てられる

 

②自用地評価額の計算

自用地評価額は、所有者自ら土地を使用する時の評価額です。

以下の計算で求められます。

 

自用地評価額=

路線価×奥行価格補正率×宅地面積

 

問題文の数字を当てはめると、

3,500,000円×1.00×300㎡ になります。

 

③相続税評価額の計算

相続税評価額の計算式は、宅地の種類によって変わります。

この問題の宅地は、貸家建付地なので、以下の計算で求めます。

 

貸家建付地の評価額=

自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 

問題文の数字を全て当てはめると、以下の通りです。

3,500,000円×1.00×300㎡×(1-70%×30%×100%)

まとめ

各宅地の計算式、路線価方式の読み方、自用地評価額の計算式を覚えておきましょう。

参考になった数0