行政書士の過去問
平成28年度
法令等 問31
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問題
行政書士試験 平成28年度 法令等 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
Aは債権者Bのため、A所有の甲土地に、被担保債権の範囲をA・B間の継続的売買に係る売掛代金債権とし、その極度額を1億円とする根抵当権を設定した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- 元本確定前に、A・Bは協議により、被担保債権の範囲にA・B間の金銭消費貸借取引に係る債権を加えることで合意した。A・Bがこの合意を後順位抵当権者であるCに対抗するためには、被担保債権の範囲の変更についてCの承諾が必要である。
- 元本確定前に、Bが、Aに対して有する継続的売買契約に係る売掛代金債権をDに対して譲渡した場合、Dは、その債権について甲土地に対する根抵当権を行使することはできない。
- 元本確定前においては、Bは、甲土地に対する根抵当権をAの承諾を得てEに譲り渡すことができる。
- 元本が確定し、被担保債権額が6,000万円となった場合、Aは、Bに対して甲土地に対する根抵当権の極度額1億円を、6,000万円と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金および債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求できる。
- 元本が確定し、被担保債権額が1億2,000万円となった場合、甲土地について地上権を取得したFは、Bに対して1億円を払い渡して根抵当権の消滅を請求することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
民法398条の4第1項・第2項に基づき、後順位抵当権者への承諾は不要とされています。
<民法398条>
1 元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。
2 前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。
2:正しいです
民法398条の7第1項のとおりです。
<民法398条の7>
1 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。
3:正しいです
民法398条の12第1項のとおりです。
<民法398条の12>
1 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。
4:正しいです
民法398条の21第1項のとおりです。
<民法398条の21>
1 元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。
5:正しいです
民法398条の22の第1項のとおりです。
<民法398条の22>
1 元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。
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02
民法398条の4第2項によれば、債権の範囲の変更には「後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない」とされています。
2 正しい
民法398条の7第1項は「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない」としています。
3 正しい
民法398条の12第1項に「元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる」とされています。
4 正しい
民法398条の21第1項で「元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる」とされています。
5 正しい
民法379条は「抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる」としています。
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03
民法398条の4第1項、第2項。極度額の変更がない限り、後順位抵当権者への承諾は不要です。
2:正
民法398条の7第1項。元本確定前は随伴性はありません。
3:正
民法398条の12.元本確定前には随伴性はないので、被担保債権の譲渡に当然に付随して移転するわけではありません。
4:正
民法398条の21第1項
5:正
民法398条の22の第1項、民法379条
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