行政書士の過去問
平成30年度
法令等 問13

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問題

行政書士試験 平成30年度 法令等 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

行政手続法の定める意見公募手続に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 命令等制定機関は、他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするときであっても、内容が完全に同一でなければ、命令等を定めるに当たって意見公募手続を実施しなければならない。
  • 命令等制定機関は、意見公募手続を実施して命令等を定めるに当たり、意見提出期間内に当該命令等制定機関に対して提出された当該命令等の案についての意見について、整理または要約することなく、そのまま命令制定後に公示しなければならない。
  • 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合において、委員会等の議を経て命令等を定める場合であって、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときには、改めて意見公募手続を実施する必要はない。
  • 行政庁が、不利益処分をするかどうか、またはどのような不利益処分をするかについて、その法令の定めに従って判断するために必要とされる処分基準を定めるに当たっては、意見公募手続を実施する必要はない。
  • 行政指導指針は、行政庁が任意に設定するものであり、また法的な拘束力を有するものではないため、行政指導指針を定めるに当たっては、意見公募手続を実施する必要はない。

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この過去問の解説 (4件)

01

意見公募手続
原則
命令等の案を公示し(39条2項)、30日以上の意見提出期間内に意見を提出させる(39条3項)。行政庁は必要に応じ、周知し情報提供に努めなければならない。(41条)

1誤り
他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするときは、意見公募手続を実施する必要はありません。(39条4項5号)

2誤り
必要に応じ当該提出意見を整理または要約したものを公示することができます(43条2項前段)。

3正解
当該委員会等が意見公募手続に準じた手続きを実施したときは、39条1項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しません(40条2項)。

4誤り
処分基準は、「命令等」に含まれる(2条8号ハ)ので、処分基準を定めるときは、意見公募手続を実施する必要があります。

5誤り
行政指導方針は、「命令等」に含まれる(2条8号ニ)ので、処分基準を定めるときは、意見公募手続を実施する必要があります。

参考になった数13

02

意見公募手続は、
当初行政手続法が対象としていなかった行政立法の
制定過程の手続的統制手段として、
平成17年(2005年)の法改正で追加されたものです。
※法では、行政立法を「命令等」と呼びます。
(法第2条8号)

意見公募手続は、パブリックコメント手続とも呼ばれます。

1
誤り。

法第39条4項5号に、
「他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた
命令等と実質的に同一の命令等を定めようとする」
ときには、
意見公募手続の実施を定める法第39条1項を適用しないとしています。

2
誤り。

法第43条2項は、
「命令等制定機関は・・(中略)・・当該提出意見を
整理又は要約したものを公示することができる。」
と定めています。

3
正しい。

法第40条2項は、
「命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令を定めようとする場合において、
当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施した時は、
自ら意見公募手続を実施することを要しない。」
と規定しています。

4
誤り。

法第39条1項が意見公募手続を要求する「命令等」には、
処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分をするかの基準)
が含まれます。(法第2条8号ハ)
よって処分基準を定める際には、
意見公募手続を実施しなければなりません。

5
誤り。

法第39条1項が意見公募手続を要求する「命令等」には、
行政指導指針(法第36条)が含まれます。
(法第2条8号二)
よって行政指導指針を定める際には、
意見公募手続を実施しなければなりません。

以上より、本問は3が正解となります。

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03

正解は3
2005年の法改正で法定された意見公募手続に関する設問です。
行政手続法39条1項を引用します。「命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。」

1× 「他の行政機関が意見公募手続を実施して定めた命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき」(同条4項5項)は、39条1項は適用されませんので、意見公募手続は不要です。

2× 「命令等制定機関は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。」(同法43条2項前段)と規定されているため、誤りです。

3〇 同法40条2項の通りです。「命令等制定機関は、委員会等の議を経て命令等を定めようとする場合(前条第四項第四号に該当する場合を除く。)において、当該委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施したときは、同条第一項の規定にかかわらず、自ら意見公募手続を実施することを要しない。」

4× 処分基準は「命令等」に含まれるため(同法2条8号ハ、以下に引用)、意見公募手続が必要です(同法39条1項)。
「八 命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。 イ 法律に基づく命令(処分の要件を定める告示を含む。次条第二項において単に「命令」という。)又は規則 ロ 審査基準(申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。) ハ 処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。) ニ 行政指導指針(同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときにこれらの行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。以下同じ。)」

5× 肢4と同様に、行政指導指針は「命令等」に含まれるため(同法2条8号ニ)、意見公募手続が必要です(同法39条1項)。

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04

行手法に定める意見公募手続は、命令等の案について、「広く一般の」意見を求めるものです。

①誤り
行手法39条4項5号では、「命令等と実質的に同一の命令等を定めようとするとき」は意見公募手続を要しないとしています。

②誤り
行手法43条2項では、命令等の案についての意見について、整理または要約することを認めています。

③正解
行手法40条2項に規定されています。

④誤り
行手法39条1項が想定する「命令等」には、行手法2条8号ハの「処分基準」が含まれます。

⑤誤り
行手法39条1項が想定する「命令等」には、行手法2条8号ニの「行政指導指針」が含まれます。

したがって、③が正解となります。

参考になった数1