行政書士の過去問
令和2年度
法令等 問15
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問題
行政書士試験 令和2年度 法令等 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
再審査請求について定める行政不服審査法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 法律に再審査請求をすることができる旨の定めがない場合であっても、処分庁の同意を得れば再審査請求をすることが認められる。
- 審査請求の対象とされた処分(原処分)を適法として棄却した審査請求の裁決(原裁決)があった場合に、当該審査請求の裁決に係る再審査請求において、原裁決は違法であるが、原処分は違法でも不当でもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。
- 再審査請求をすることができる処分について行う再審査請求の請求先(再審査庁)は、行政不服審査会となる。
- 再審査請求をすることができる処分について、審査請求の裁決が既になされている場合には、再審査請求は当該裁決を対象として行わなければならない。
- 再審査請求の再審査請求期間は、原裁決があった日ではなく、原処分があった日を基準として算定する。
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この過去問の解説 (3件)
01
そのようなことは認められていません。
法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合のみ、再審査請求をすることができます。
【行政不服審査法第6条1項】
第六条 行政庁の処分につき法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には、当該処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。
2. 正しい
64条3項により、正しいです。
【行政不服審査法第64条3項】
3 再審査請求に係る原裁決(審査請求を却下し、又は棄却したものに限る。)が違法又は不当である場合において、当該審査請求に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、当該再審査請求を棄却する。
3. 誤り
再審査請求の請求先は、法律に定める行政庁です(行政不服審査法6条2項)。
【行政不服審査法6条】
第六条 行政庁の処分につき法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には、当該処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。
2 再審査請求は、原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決をいう。以下同じ。)又は当該処分(以下「原裁決等」という。)を対象として、前項の法律に定める行政庁に対してするものとする。
4. 誤り
そのようなことはありません。
【行政不服審査法6条2項】
再審査請求は、原裁決(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決をいう。以下同じ。)又は当該処分(以下「原裁決等」という。)を対象として、前項の法律に定める行政庁に対してするものとする。
5. 誤り
行政不服審査法62条により、誤りです。
【行政不服審査法62条】
第六十二条 再審査請求は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2 再審査請求は、原裁決があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
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02
正解.2
1.誤り
行政庁の処分につき、法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には、審査請求の裁決に不服があるものは、再審査請求をすることができます(行政不服審査法第6条1項)。
法律に定めがない場合にはたとえ処分庁の同意を得ていたとしても再審査請求は認められません。
2.正しい
本肢のとおりです。
行政不服審査法は、再審査請求に係る原裁決が違法又は不当である場合において、審査請求に係る処分が違法又は不当のいずれでもないときは、再審査庁は、裁決で、再審査請求を棄却する(行政不服審査法第64条3項)と規定します。
原処分が違法又は不当のいずれでもない、つまり適法で、その再審査請求に係る原裁決が違法又は不当な場合には、再審査請求は棄却されるということです。
本試験では捻って出題される可能性もありますので、
①原処分(審査請求に係る処分)が適法で、②再審査請求に係る原裁決(審査請求を却下し、又は棄却したものに限る)が違法又は不当である場合は、裁決で棄却する、と整理して記憶しておくのがベストです。
3.誤り
再審査請求は、原裁決等(再審査請求をすることができる処分についての審査請求の裁決又は再審査請求をすることができる処分)を対象として、法律に定める行政庁に対してするものとします(行政不服審査法第6条2項)。
したがって、請求先(再審査庁)は、行政不服審査会ではなく、法律に定める行政庁です。
4.誤り
行政不服審査法第6条2項のとおり、再審査請求は当該裁決又は処分について請求できます。
審査請求の裁決(原裁決)のみならず、審査請求にかかる処分(原処分)についても、法律に再審査請求ができる旨の定めがあれば、法律に定める行政庁に再審査請求ができます。
5.誤り
再審査請求期間は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して1ヶ月、もしくは、原裁決があった日の翌日から起算して1年を経過したときはすることができません(行政不服審査法第62条1、2項)。
したがって、請求期間は、原処分があった日ではなく、原裁決があった日を基準として算定しています。
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03
再審査請求は刑事事件でおける再審請求のようなものと思ってもらえるといいと思います。
もちろん、再審査請求=刑事事件における再審請求という訳ではありません。
あくまでも、分かりやすく例えるためのイメージです。
まず、再審査請求は原裁決又は原処分について不服がある人が行う手続きです。
そして、処分庁は再審査請求をされた場合、これにかかる労力等の不利益を負います。
ただ、労力等の不利益を負うのは処分庁ですので、同意があるのであれば法律に再審査請求をすることができる旨の定めがない場合でもしてもよいかのように思われます。
しかし、行政不服審査法には「法律に再審査請求をすることができる旨の定めがある場合には」と規定されています。(行政不服審査法6条1項)
よって、処分庁の同意があったとしても法律に再審査請求をすることができる旨の定めがない場合、することはできません。
原裁決は違法であるが、原処分は違法でも不当でもないときは、再審査庁は裁決で当該再審査請求を棄却します。(行政不服審査法64条第3項)
これは、仮に原裁決が違法であるとして取り消したとしても、原処分が違法でも不当でもない場合、再度審査請求をしたとしても、結局原処分は違法でも不当でもないとして審査請求が棄却されるから、再審査請求を認容する意味がないからです。
よって、本記述は正しいです。
行政不服審査会は審査庁の判断が妥当か否か判断するための機関です。
審査庁が審理員意見書の提出を受けた場合に「こういう判断をしようと思うのですが、どうでしょう」という風に行政不服審査会に諮問をしたりすることにより、審査庁の判断が妥当か否かお伺いをたてた上で裁決を行います。
このように、諮問された際に意見を述べたりして審査庁の判断が妥当か否かを判断する為の機関であって再審査請求に係る審査をする機関ではありません。
再審査請求は法律に定める行政庁に対してしなければなりません。(行政不服審査法6条第2項)
よって、本記述は誤っています。
再審査請求は法律に定めがある場合、原裁決だけではなく、原処分に対してもすることができます。(行政不服審査法6条第2項)
再審査請求は「再」と付くようにもう一度審査請求をすることです。
行政不服審査法のどこにも「裁決に限る」なんてことは書いてありません。
よって、本記述は誤っています。
再審査請求の再審査請求期間は原裁決があった日の翌日から起算します。
もし、原処分があった日を基準として算定すると、原裁決にかかる審査請求の係属中に再審査請求期間が満了してしまうおそれがあり、原裁決がされる前に再審査請求ができなくなる為です。
よって、本記述は誤っています
本問はぶっちゃけ難しいです。
令和2年以前の行政書士試験の過去問を見てみましたが、私が知る限りでは出題されていませんし、司法試験、予備試験などの過去問を見ても、再審査請求について詳しく聞くような問題は私が調べた限りでは出題されていません。
もちろん、私が知らないだけで出題されたことはあるかもしれませんが、再審査請求について聞かれた問題のアウトプットの部分があまり練習できないかのように思います。
ただ、一度出題されているので、今後択一式や記述式で出題される可能性もあるかと思います。
条文を読み込み、今後出題された時に正解できるように対策しておくとよいと思います。
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