保育士の過去問
平成24年(2012年)
精神保健 問59
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問題
保育士試験 平成24年(2012年) 精神保健 問59 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
3歳の男児。保育園ではいつもそわそわして保育士の話を最後まで聞かずに発言してしまう。一つの遊びが長続きしない。何度か迷子になったことがある。提出物の忘れ物が非常に多い。知らない大人にもなれなれしく話しかけるが、少しでも気に入らないことがあると急に不機嫌になり、相手をたたくなどの暴力が出る。同じ服を何日も続けて着ている。
【設問】
この子どもで疑われる精神医学的問題として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 行為障害
B 反応性愛着障害
C 常同運動障害
D 広汎性発達障害
E パーソナリティー障害
【事例】
3歳の男児。保育園ではいつもそわそわして保育士の話を最後まで聞かずに発言してしまう。一つの遊びが長続きしない。何度か迷子になったことがある。提出物の忘れ物が非常に多い。知らない大人にもなれなれしく話しかけるが、少しでも気に入らないことがあると急に不機嫌になり、相手をたたくなどの暴力が出る。同じ服を何日も続けて着ている。
【設問】
この子どもで疑われる精神医学的問題として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 行為障害
B 反応性愛着障害
C 常同運動障害
D 広汎性発達障害
E パーソナリティー障害
- A○ B○ C○ D× E×
- A○ B○ C× D○ E○
- A× B○ C○ D× E×
- A× B○ C× D○ E×
- A× B× C○ D○ E○
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この過去問の解説 (3件)
01
A 行為障害 ×
10歳前後に発症する、脅迫、他人の所有物の破壊、窃盗などの反社会的な行為を繰り返し行う障害です。
「3歳の男児」であることと、今回の事例は反社会的とまではいえないことから、行為障害ではないと推測されます。
B 反応性愛着障害 ○
虐待を受けた子どもは、5歳未満で反応性愛着障害を発症する可能性があり、他人を過度に警戒したり、よく知らない人に対しての過度になれなれしくなったりします。
「同じ服を何日も着ている」という記述から、ネグレクトが疑われます。
C 常同運動障害 ×
目的もなくある動作やしぐさを繰り返すことで、日常生活や社会的な活動に支障が出たり、治療を必要とする程の怪我をする障害です。
D 広汎性発達障害 ○
広汎性発達障害とは、発達障害の一つで、社会性の発達やコミュニケーション能力に障害があります。
「いつもそわそわして保育士の話を最後まで聞かずに発言してしまう」「一つの遊びが長続きしない」「何度か迷子になったことがある」「提出物の忘れ物が非常に多い。」これらは、広汎性発達障害の症状に当てはまります。
E パーソナリティー障害 ×
パーソナリティー障害とは、多くの人とは違うものの捉え方や行動をすることで本人が苦しんでいたり、周りが困っているケースに診断される精神疾患です。
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02
B・反応性愛着障害とD・広汎性発達障害の可能性がある。
反応性愛着障害とは
ネグレクトや虐待などを受けた子に現れる愛着障害の一種で、自制がきかず反抗的であったり、見ず知らずの人に甘えたかと思えば、自分を愛そうとする人に抵抗したりという症状がある。
広汎性発達障害とは
自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害の総称を言い、コミュニケーションがうまく取れなかったり、注意力が散漫であるなどの症状がある。
A・行為障害
反社会的行動パターンで、いじめや暴行など人や物へ攻撃したり、窃盗や人をだますなどの行動を言います。幼いころに虐待されていたり、両親が喧嘩ばかりしていたりなど不安定な家庭に育った背景が見られます。
C・常同運動障害
爪かみ・指しゃぶり・貧乏ゆすりなど特に目的もないのにこのような身体の特定の動作を4週間以上持続し、日常生活に支障が出たり、怪我をしたりしてしまうことを言います。
E・パーソナリティー障害
感情のコントロールや対人関係などの幅広いパーソナリティー機能の偏りから生じる障害で、周りと違う行動をすることで本人が苦しんだり、周りが困ってしまう際に診断される障害です。
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03
A 行為障害は、器物破損、窃盗、暴力などの反社会的行動を繰り返してしまう障害です。事例の男児は暴力はあるものの反社会的行動というよりは思いが通らないことに対する反抗によるものと言えるので行為障害には当てはまらないと考えて良いでしょう。
B 適切です。反応性愛着障害は、人見知りがなく誰にでも過度になれなれしくしたり、それとは逆に反抗を見せたりする愛着障害の一つです。事例の男児にもそいのような姿が見られるため、反応性愛着障害があると考えられます。
C 常同運動障害は目的もなく、爪噛みや指しゃぶり、貧乏ゆすりなどを繰り返し、それが長期間に渡って続き日常生活に支障をきたす状態を言います。事例の男児にはこのような様子はないので情動運動障害は当てはまりません。
D 適切です。広汎性発達障害は対人コミュニケーションに困難が見られたり、社会性につまずきが見られるなどの特徴があります。事例の男児は「保育士の話を最後まで聞かずに発言してしまう」「何度か迷子になったことがある」「提出物の忘れ物が非常に多い」とのことから発達障害を抱えている可能性が考えられます。
E パーソナリティー障害は、感情のコントロールをするのが難しかったり、物事の見方や捉え方が他者と違うために本人や周囲の人が苦しみ困ってしまい日常生活に支障をきたしている状態を言います。事例の男児にはこのような様子はないので、これは当てはまりません。
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