保育士の過去問
平成23年(2011年)
保育原理 問116

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問題

保育士試験 平成23年(2011年) 保育原理 問116 (訂正依頼・報告はこちら)

次のある保育所での【事例】を読んで、【問】に答えなさい。

【事例】
Mちゃん(2歳半)は、保育所で毎日のように友達にかみついてしまいます。おもちゃの取り合いや、ふざけていてかむなら理由がはっきりしていて対応の方法も考えられますが、Mちゃんの場合は突然かみついて理由がわかりません。かまれて泣いている子どもの様子を見せ、泣いている子どもの気持ちを代弁して「いたいからかまないでね」とやさしく注意するのですが、かみつきはおさまりません。

【問】
子どものかみつきに対応する際の考え方として、「保育所保育指針」に規定される保育の方法に係る基本原則に沿った考え方を○、沿っていない考え方を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【対応する際の考え方】
A 子どもはことばが通じないことが多いが、他者を傷つけるかみつきは厳しく叱ることが重要である。
B 保育所は、一人の子どものためのものではなく、保育所に通うすべての子どもの生活の場であるので、安全の確保のためには、かみつきがおさまるまで隔離することが大切である。
C 2歳前後は自らの気持ちをことばで表現することが十分ではなく、かみつきも自己表現の一つとして、子どもの気持ちを受け止めていく。
D 2歳前後の子どもはことばで自己を表現することが難しい過程にあるので、かむことは仕方ないことであり、子どもが発達するのを待つ。
E かまれた子どもだけではなく、かんだ子どもの気持ちも保育士が表現して伝えながら、かまなくても気持ちを伝えられるようにしていく。
※「保育所保育指針」の改定(平成30年4月1日施行)により、目次や記載内容等が変更されました。
この設問は平成23年に出題された設問となります。
参考情報1
参考情報2
  • A○  B○  C×  D×  E×
  • A○  B×  C○  D○  E○
  • A×  B○  C○  D○  E○
  • A×  B○  C×  D○  E×
  • A×  B×  C○  D×  E○

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

A ×
子どもに対しては、一人一人の発達過程に応じて保育することが大切です。
言葉が通じないのに厳しく叱っても、安心感や信頼感が失われるなどマイナス面が大きくなります。

B ×
保育所では、集団における活動を効果あるものにするよう援助することが求められています。
かみつきがおさまるまで隔離するという考え方は、「保育所保育指針」の基本原則に沿った考え方ではありません。

C ○
「子どもの気持ちを受け止めていく」という考え方は、「保育所保育指針」の基本原則に沿った考え方であるといえます。

D ×
「かむことは仕方ない」といって、ただ発達を待つという考えは、保育士として適切ではありません。子どもがしっかり発達できるよう、援助していくことが必要です。

E ○
かんでしまった子どもの気持ちにも寄り添い援助していくという考えは、「子ども相互の関係作りや互いに尊重する心を大切にする」という基本原則に沿っています。

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02

正解…「5」

保育所保育指針 3保育の原理 (2)保育の方法参照

Cにあるように2歳前後の子どもたちは自発的に周りに働きかけるようになり行動範囲も広がっていく時期。と共に、まだ上手く欲求を言葉で表せないためかみつきという形で自己主張する年齢である。成長過程と受け止め、当事者の気持ちを代弁しながら発語を促していく。厳しく叱ったり隔離することは子どもにっとって悪影響である。

参考になった数11

03

正解は5です。


問題文にある「保育の方法に係る基本原則」は、
平成30年に改定された「保育所保育指針」では、
「第1章 総則」「1 保育所保育に関する基本原則」
「第2章 「(1)保育の方法」にあたります。


A ×

他者を傷つけることは、
決して許されることではありません。
厳しく叱ることにより、
かみつくことがおさまるわけではなく
「安心感や信頼感を」損なう可能性があります。


B ×

隔離することにより、
他の子どもへの被害が一時的になくなりますが、
「子ども相互の関係づくりや
互いに尊重する心を大切に」し、
集団における効果的な活動を
サポートすることができなくなって
しまいます。


C ○
2歳半頃の子どもは、
言葉の獲得途中です。
「子どもの発達について理解し、
一人一人の発達過程に応じて保育」
していくことが大切です。
また、
「子どもの思いや願いを受け止めること」も
大切なことです。


D ×

Cにもあげたとおり、
言葉での表現を学んでいる段階にありますが、
その発達を待つだけでなく、
「子どもの個人差」に配慮しながら、
発達を促していくことが大切です。


E ○

「子ども相互」の「関係づくり」や
「関わり」を大切にできるよう、
「発達の個人差」に配慮して
支援にあたることが大切です。

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