保育士の過去問
平成26年(2014年)
保育原理 問15

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問題

保育士試験 平成26年(2014年) 保育原理 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、保育所での保護者との連携についての取り組みである。適切な記述を選びなさい。
  • 送迎の際に、保護者の気持ちを受け止めて、声をかける。
  • 保護者の養育力の向上のために、送迎の際に、保護者に保育の行動見本を示す。
  • 保護者の養育力の向上のために、保護者会で、各家庭の養育方法を評価する。
  • 親子の愛着関係を深めるために、保護者会で精神科医による家族療法を行なう。
  • 保護者の苦情に対しては、その通りに対応する。

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この過去問の解説 (3件)

01

 保育所保育指針では、保護者に対する支援について保育士の業務として明記し、独立した章(第6章 保護者に対する支援)を設けています。


 入所している子どもの保護者への支援は、日々のコミュニケーションによって築かれる相互理解と信頼関係を基本として、状況によっては個別支援を行い、また必要に応じて関係機関につなぐ場合もあります。
 保護者と保育者はともに子どもの最善の利益を目指す立場にありますが、各家庭の状況や保護者の気持ちを汲み、保護者の自己決定やプライバシーに十分な配慮をしながら、必要な支援を行っていくことが求められます。

1・2 適切です。 日々のコミュニケーションを図り、子どもに対する望ましい態度を見てもらうことによって、子どもの成長や接し方への理解を深めます。

3 不適切です。 各家庭にはそれぞれの事情があり、その中で子どもにとってよりよい状態を作り出すことが必要です。また、プライバシーの観点からも、家庭の状況を不用意に他の保護者に知らせることは許されません。

4 保護者会としては踏み込みすぎた対応です。

5 苦情解決については、「その解決を図るように努めなければならない。(保育所保育指針第1章4(3))とされていますが、保護者の言いなりになることではありません。保護者等の意向を受け止めながら、保育所の考えや保育の意図などについて十分に説明するとともに、改善や努力の意思を表明することも必要といえます。

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02

正解は1、2です。

3:×
子育ての考え方は各家庭で異なり、プライバシーにも関わるので、保護者会の議題には適しません。
4:×
精神科医による家庭療法は保護者会には行き過ぎた対応といえます。

5:×
保育者による苦情対応は努力義務です。

保育所保育指針解説の第6章で「保護者に対する支援」に下記のように記載されています。

「保育士の重要な専門性の一つは保育であり、二つは児童の保護者に対する保 育に関する指導(以下「保育指導」という。)です。以下に度々触れるように、保育士等の保護者に対する支援は、何よりもこの保育という業務と一体的に深く関連していることを常に考慮しておく必要があります。

子どもの保育の専門性を有する保育士が、保育に関する専門的知識・技術を背景としながら、保護者が支援を求めている子育ての問題や課題に対して、保護者の気持ちを受け止めつつ、安定した親子関係や養育力の向上をめざして行う子どもの養育(保育)に関する相談、助言、行動見本の提示その他の援助業務の総体をいいます。」

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03

保護者との連携も実際の保育現場では必要不可欠です。問題と選択肢をよく読んで自分が保育士としてどのような行動・援助をしていくか考えながら解けば分かる問題も多くあります。うっかりミスのないように、しっかり得点につなげましょう。

1.2 正しい。送迎の際や連絡帳などを使い情報交換をすることが必要です。保護者の気持ちを受け止めて声をかけたり保育士の助言や援助方法を保護者に伝えながら子育てが不安なく行えるようにする役割が保育士にはあります。

3.4誤り。各家庭での養育方法を一方的に評価するのは誤り。また精神科医による家族療養も保護者会で行う内容としてはふさわしくありません。各家庭での養育方法は家庭ごとに異なる事と個人情報の観点から踏込みすぎる対応と言えます。

5.誤り。保育所としては苦情解決は努力義務です。しかし保護者からの苦情に全て応じることではなく、あくまでも保育所として保護者の苦情を受け止め、園長や主任、全職員が検討をする中で、保育所として改善できる部分は改善を行なっていきます。また保護者にも説明を行いながら保育所としての方針・検討結果などを説明しながら対応をしていくことが求められます。

よって選択肢1.2が正解です。

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