保育士の過去問
平成26年(2014年)
保育原理 問20

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

保育士試験 平成26年(2014年) 保育原理 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
Jちゃん(4歳)は母子家庭であり、母親と2人で生活している。ある日、お迎えにきた母親が声をかけても、Jちゃんは母親の顔をちらりと見たが、そのまま友達との鬼ごっこに夢中で、帰ろうとしない。4歳児クラス担当の保育士が、「Jちゃんは、今、この遊びがとても好きなんですよ。5歳児の遊びにも入れてもらい、一緒に楽しんでいます」と話しかけると、母親は「私は子どものしつけができないだめな母親なんです。この先、一人でこの子を育てていくことができるのでしょうか。この頃、とても不安になります。先生、私はどうしたらいいんでしょうか」と言いながら、泣き出した。

【設問】
保育士が、この段階でまず第一に行う対応として、最も適切な記述を一つ選びなさい。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

1.× 母親は母子家庭であり、この先の生活や子育てについて不安を抱いている。泣きだしている状況の中で「父親の分も強くならなければいけない」という一方的な指導は保育士の対応としては不適切です。

2.× Jちゃんは遊びに夢中であり帰るそぶりを見せない。一方、母親は子育て上の悩みや不安を訴えているにも関わらずそれを聞かずに帰宅を促す声掛けは保育士の対応としては不適切です。

3.× 保育所の役割としてはすぐに児童相談所に連絡するのではなく母親の話を聞き傾聴につとめる。
不安な気持ちを受容しながら行政や地域でのサポート体制や社会資源の情報を提供しながら園全体で考えていく。必要時には関係機関と相談を行いながら対応をしていく。

4.○ 母親の気持ちを受容しながら別室に案内している事。別室に案内することにより他の保護者の目に入らないところで安心して話が出来る環境を整えているので正しい対応です。


5.× 突然、児童相談所に入所させるように説得するという対応は、この時点では不適切。まずは母親の話を別室で聞いて受容傾聴しながら信頼関係の構築につとめる。

よって「4」が正しい答えとなります。

参考になった数8

02

保護者への相談・助言に関する知識・技術にかかる出題です。

1:母子家庭であることのみに注目し、個々の状況や考えを理解しようとする姿勢に欠ける対応です。先入観を持たずに状況を理解し、どのような支援が必要かを洞察することが必要です。

2:保護者が子育てに対する不安を訴えているにも関わらず、真摯に受け止めていない対応です。まず保護者の話を聞き、信頼関係を築くことが必要です。

3・5:児童相談所、児童養護施設は重要な関係機関であり、不適切な養育が疑われる場合には連携して対応することになりますが、設問の「保育士が、この段階でまず第一に行う対応」としては拙速です。まず状況を把握し、外部の専門職の関与が必要かどうかを保育所として検討することになります。

4:保育所内での上司・同僚と協力しながら、子どもの安全を確保した上で、保護者の気持ちを受け止めつつ状況を把握しようとしており、保護者のプライバシーと自己決定に配慮した対応といえます。

参考になった数3

03

正解は4です。

1:×
母親は自分一人で子育てしていくことや生活していくに不安を感じています。この状況で「父親の分ももっと強くならねば。」と一方的に指導するのは不適切です。

2:×
母親が悩みを抱えている姿を見ながら、すぐ帰らせる対応は母親の気持ちを受け止めているとはいえません。

3:×
保育者としてまず行うべきことは母親の気持ちを受けと止めることです。必要に応じて職員間で相談して情報を一人で抱え込まないようにすることに留意します。専門機関への連携は必要に応じて、連絡します。

4:○
子どもの安全確保を行ってから、母親のプライバシーを守りながら落ち着けるような環境で話が出来る様に援助を行ったことは適切な対応といえる。

5:×
母親としてやっていくことに自信を失っている母親に児童養護施設に入所させるように説得する行動は不適切です。


参考になった数1