保育士の過去問
平成27年(2015年)
保育原理 問15

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問題

保育士試験 平成27年(2015年) 保育原理 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

次の保育所での2歳児クラスの【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
Gちゃんと保育士が砂場で型抜きをして「たんたん誕生日…」とケーキに見立てて歌いだす。近くで砂遊びをしていたH君が歌の途中でさっと寄って来て足でケーキを踏みつぶしてしまった。Gちゃんはキョトンとし、H君も踏みつぶした跡を眺めている。保育士がH君に「踏んじゃいやだー!手で食べてよ!」と言い、保育士が歌いながらケーキを作り始めるとH君も座り込んで3人でケーキを作り始める。そこへJ ちゃんがやって来て無言でさっとケーキを踏みつぶす。保育士が「ありゃー、踏んじゃった」と言いながらも、手で山を作りながら歌い続けていると、3人も嬉しそうに山を囲んで歌に合わせて手をたたいた。保育士が「ふーってやって」と言うと、一人ずつ嬉しそうにローソクを消してケーキを食べる真似をした。

【設問】
「保育所保育指針」の第1章「総則」の(2)「保育の方法」、第2章「子どもの発達」、第3章「保育の内容」の2「保育の実施上の配慮事項」に基づいた保育士の対応についての振り返りとして、適切なものを○、不適切なものを× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  大人である保育士が「踏んじゃいやだー!」と子どものようにH君に言ったことは言葉を獲得する時期の子どもへの対応として不適切である。
B  Gちゃんの作ったケーキを踏みつぶしたH君にきちんと注意すれば、その様子をみていたJ ちゃんもケーキを踏みつぶすことがなかったと思う。
C  模倣も盛んになってきているので、保育士が子どもと一緒にごっこ遊びをすることはこの時期には大切な経験である。
D  この遊びの場面では、「ケーキを踏みつぶしてはいけない」と言うのではなく、どうすれば楽しく遊べるのかを一緒に遊びながら伝えることが大切である。
E  楽しく遊ぶことよりも、ケーキを踏みつぶしたH君とJちゃんには、その場でGちゃんに謝らせるべきであった。
※ 「保育所保育指針」の目次や記載内容等が、指針の改定(平成30年4月1日施行)により変更されました。 この設問は平成27年に出題された設問となります。 参考1   参考2

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この過去問の解説 (3件)

01

してはいけないことをする子ども。わざとなのか、理解できていないのかはともかく、ここでは最初の遊びの意図をどのように伝えるかです。遊び方が間違えてることを否めるのではなく、今は何をして楽しいかを感じさせることが大切です。

参考になった数5

02

指針の改定後(平成30年4月1日施行)の文章での解説をします。

A→誤りです。
設問の事例は2歳児クラスなので「1歳児以上3歳児未満の保育に関わるねらい及び内容」を参照します。
「楽しい雰囲気の中で保育士等との言葉のやり取りができるようにすること」とあるので、Aに記載の対応は不適切ではありません。

B→誤りです。
子どもの遊びの場面での表現を「積極的に受け止め、様々な表現の仕方や感性を豊かにする経験となるようにする」とあります。
保育士の受容的な関わりによって、感情をコントロールすることへと繋がっていくので、きちんと注意することが必ずしも正しいわけではありません。

C→正しいです。
保育所保育指針にも「保育士等とごっこ遊びをする中で、言葉のやり取りを楽しむ。」とあります。

D→正しいです。
保育所保育指針にも「保育士等の仲立ちにより、他の子どもとの関わり方を少しずつ身につける」とあります。

E→誤りです。
この時期の子どもには、「保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる」ことがねらいにもあげられるため、謝ることよりもみんなが楽しく生活できることを優先に考えるべきです。

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03

三歳未満児の保育に関わる配慮事項では、「子どもの自我の育ちを見守り、その気持ちを受け止めるとともに、保育士等が仲立ちとなって、友達の気持ちや友達との関わり方を丁寧に伝えていくこと。」とあります。これによりAは不適切であり、×となる。さらにBも、×です。
C.D正しい
保育所保育指針の保育の方法では、「子ども相互の関係作りや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするよう援助すること。 子どもが自発的、意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。」とあります。よって、Eは不適切であり×となります。
(厚生労働省より引用)
組み合わせより正解は4です。

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