保育士の過去問
平成28年(2016年)前期
保育原理 問5

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問題

保育士試験 平成28年(2016年)前期 保育原理 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A  彼の著作である『エミール』において、子ども固有の時期があることを主張し、子どもは未成熟な大人であるとする当時の子ども観に一石を投じた。
B  最も恵まれない子どもを豊かに育む方法こそ、すべての子どもにとって最良の方法であるとする信条のもと、保育学校を創設し医療機関とも連携を図って保育を進めた。

【Ⅱ群】
ア  マクミラン(McMillan, M.)
イ  デューイ(Dewey, J.)
ウ  エレン・ケイ(Key, E.)
エ  ルソー(Rousseau, J.-J.)
  • (A)ア   (B)イ
  • (A)イ   (B)ア
  • (A)イ   (B)ウ
  • (A)エ   (B)ア
  • (A)エ   (B)ウ

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 4 です。
選択肢の詳細については、以下の通りです。


A.
『エミール』の著者は、「近代教育思想の祖」と呼ばれるルソー(選択肢【エ】)です。
1762年に刊行され、正式名称は『エミール、または教育について』と言います。
「エミール」という架空の孤児が成長していく過程を追って、
ルソーの教育論や人間論が書かれています。


B.
マクミラン(姉妹)(選択肢【ア】)は、
1911年、ロンドンの貧民区に自宅を開放し、
労働者や貧しい家庭、共働き家庭の5歳以下の子どもを対象に保育学校を開設しました。

健康面の改善や指導、戸外遊び、体を丈夫にする保育などを重視し、
その後イギリスの保育学校ナーサリースクールのモデルとなっていきました。



以下は、正解の選択肢ではないですが、補足です。

デューイ(選択肢【イ】)は、アメリカの哲学者、教育思想家です。
子どもが、主体的に経験を通して学ぶ教育法を主張しました。

エレン・ケイ(選択肢【ウ】)は、
スウェーデンの女性評論家です。
1900年に著書『児童の世紀』を発表しました。
児童中心主義を唱え、婦人問題や家庭教育に関することまで追求していました。
日本では、大正デモクラシー期の婦人運動にも大きな影響を与えています。

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02

正解は4です。

ア マクミラン姉妹はロンドンのスラム街に「保育学校」を設立しました。子どもの健康改善のため1日3回の給食を提供し、歯磨きなどの衛生習慣の指導や医療機関との連携など子どもの望ましい生活習慣の形成に取り組みました。

ィ デューイはシカゴ大学で教鞭をとりながら、実験のための小学校(実験学校)を設立しました。「学校と社会」(1899年)はその理念と実践の記録です。

ウ エレン・ケイはスウェーデンの女性運動家です。著書「児童の世紀」で子ども中心主義に基づく学校改革の必要を訴えました。

エ 「エミール」を著したルソーは幼少期には自然に従う教育により、大人が必要以上に介入せず、子どもに体験させることによって理解に導くことを主張しました。ルソーの教育思想は「消極教育」と呼ばれます。

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03

正解は4です。

・『エミール』の著者はルソーで、「近代教育思想の祖」と呼ばれています。よってAの答えは(エ)です。

・マクミラン姉妹はイギリスの「保育学校」の創設者です。「すべての子どもをあなた自身の子どものように教育しなさい」という教えを説きました。
よってBの答えは(ア)です。

(イ)デューイはアメリカの哲学者、教育思想家です。「経験主義的教授理論」を説きました。

(ウ)エレン・ケイはスウェーデンの教育学者です。著書『児童の世紀』の中で「教育の最大の秘訣は、教育しないことにある」と説いています。これは「子どもは自ら成長する者である」ということを表現しています。

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