保育士の過去問
平成28年(2016年)後期
保育の心理学 問99

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問題

保育士試験 平成28年(2016年)後期 保育の心理学 問99 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
F君(5歳、男児)は、市内の児童精神科クリニックで、自閉スペクトラム症の診断を受けている。保育所では最近、他児をたたき、怪我をさせてしまうことがある。先日も、迎えにきた母親と一緒にいたF君は、そばにいたG君を押して泣かせてしまった。G君の母親もその場に居合わせ、保育士もそれを見ていた。F君の母親はF君の行動を見ても無関心で、G君やG君の母親に謝罪をせずに、そのまま帰宅してしまった。F君の母親は、最近、他の母親から孤立していることが多い。
【設問】
次のうち、保育士の対応として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  F君の母親と個別に話をする機会を設ける。
B  F君の体にあざがないか、身なりが清潔かどうかなどを確認する。
C  F君の母親も自閉スペクトラム症だと考え、母親に精神科への受診を強く勧める。
D  G君の母親に、F君は自閉スペクトラム症なので、F君とF君の母親を許すように伝える。
  • ( A )○  ( B )○  ( C )○  ( D )○
  • ( A )○  ( B )○  ( C )×  ( D )×
  • ( A )○  ( B )×  ( C )○  ( D )○
  • ( A )×  ( B )×  ( C )○  ( D )○
  • ( A )×  ( B )×  ( C )×  ( D )×

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:2

Aについては、保育士として適切な対応です。

Bについては、母親がF君の行動に無関心で他の母親からも孤立していることから、悩みを一人で抱え、相談する人がおらずうつ状態になっていないか、F君に対して家庭で虐待、放置などはないか、十分監視する必要があるとの考えから、適切です。

Cは、母親の問題は保育士の職域を超えており、精神科への受診を勧めることも論外のため、不適切です。

Dは、他の保護者に対し、F君の障害について説明する必要はないため、不適切です。

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02

Aの記述は適切○です。
Fくんの母親は、他の母親からも孤立してしまっているともあるので、Fくんの母親と親身に話し合うことは大切です。

Bの記述は適切○です。
Fくんに対して無関心な様子が気になります。身なりや身体のあざなどがないか気をつけてチェックすることで、虐待があった場合に早期に気付くことができます。

Cの記述は不適切×です。
医師ではない保育士が決めつけることはできません。保育士に対する不信感にもつながります。

Dの記述は不適切×です。
自閉症スペクトラムの診断を受けたことはFくんの個人情報となるので保育士の判断で外部の人間に知らせてはいけません。また、そうだからといって一方的に許さなくてはならないという考え方も不適切です。

よって正解の組み合わせは2となります。

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03

正解は2です。

A 適切な対応です。Fくんの母親と個別に話をし、寄り添うことが大切です。

B 適切な対応です。Fくんの母親が他の母親から孤立していること、Fくんのことに無関心なことから、Fくんの身の回りのことも気にする必要があると言えます。

C この時点で母親に精神科への受診をすすめることは母親の余計な不安を煽ることにもなるので控えた方が良いです。

D 他の母親にFくんの障害のことを必要以上に話す必要はないですし、障害があるからと言ってFくんが他人を傷つけるのを許すのもFくんの成長にはつながらないので不適切な対応です。

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