保育士の過去問
平成30年(2018年)後期
児童家庭福祉 問59

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問題

保育士試験 平成30年(2018年)後期 児童家庭福祉 問59 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、問題について答えなさい。

【事例】
X君( 4歳10カ月)は生後6カ月からY保育所に入所し、現在は4歳児クラスにいる。朝の送迎は主に母親が、夕方の送迎は主に父親が行っていた。この2〜3週間、両親ともに疲れた様子が見られたので、担当保育士が「大丈夫ですか」と声をかけたが、2人とも「大丈夫です」と返すだけであった。その後、送迎は父親だけとなり、母親の姿を見ることがなくなった。担当保育士は父親に声をかけるがやはり「大丈夫です」と答えるだけで、担当保育士と話すのを避けているようにも感じられた。主任保育士や所長も含めこまめに声をかけていたが、父親は表情が暗く、疲れた様子でほぼ毎日同じ服を着ている。また、X君はいつも汚れた服を着ており、食事をガツガツ食べるようになった。保育所内での会議で対応を検討し、父親との面談を行ったところ、以下のことが分かった。

・ つい最近離婚し、父親がX君の親権者となった。父親の両親や親戚、知り合いは近くにおらず、誰にも頼ることができない状態である。
・ 父親は育児や家事の方法がよく分からず、日々とても苦労している。
・ 父親は早朝から夜にかけての仕事のため、保育所への送迎が大変で、日曜日や祝日も仕事が多い状況である。また、X君はよく体調を崩すため、仕事の調整にも苦労している。

次の文のうち、担当保育士のこれからの対応として、最も不適切な記述を一つ選びなさい。
  • 父親が育児で困っていることに対し、具体的な育児方法や子どもとの関わり方を提案する。
  • 仕事が忙しくても、もっとしっかりと育児や家事をしないといけないことを父親に伝える。
  • 父親の話を傾聴し、不安やストレスを受けとめる。
  • 父親に無断で、市町村に連絡する。
  • 現在の状況について保育所内で情報共有し、今後の保育所の関わりについて検討する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

1 ○ 適切です。
困っている父親に具体的な育児の方法や子どもとの関わり方を提案するのは家庭との連携を密にし、信頼を得ることにつながります。

2 × 不適切です。
父親はかなり疲弊した様子なので強制的な強い言い方はかえって逆効果です。

3 ○ 適切です。
保護者の話を聞くことは保護者の信頼を得る第一歩です。

4 ○ 適切です。
いつも汚れた服を着て、食事が満足に与えられていない様子から、児童虐待のネグレクトの可能性があり、児童相談所等に連絡することは適切です。

5 ○ 適切です。
担当保育士が一人で抱え込まず、保育園全体で情報を共有し、対応します。

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02

1の記述は適切です。
保育所の職員は、保護者の養育力の向上のためにも家庭との連携を密にしながら、保護者と共に子どもを育てるという心がけが大切です。

2の記述は不適切です。
事例を見る限り父親自身も相当疲弊している様子なので、諫めるような話し方は適切ではありません。

3の記述は適切です。
保育所は保護者に寄り添い、共に子育てをしていくという役割を担っています。

4の記述は適切です。
衣服が清潔でなかったり、食事が十分に摂れていない可能性のある事例のような状況は、ネグレクトにあたる可能性があります。市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは児童相談所に通告しなければなりません。

5の記述は適切です。
職員が一人で抱え込まず、組織内で話し合い最善の対応をとれるよう協議していくことが大切です。


よって正解の不適切な記述は2となります。

参考になった数5

03

正解は2です。

1 :〇
家庭と連携し、子育てについて共に考えていくことは保育所の役割です。

2 :×
保護者のしんどさを受け止めることが第一です。一方的に非難することは保護者との信頼関係を壊すことにもなり、今後の対応を難しくします。

3 :〇
傾聴は相談、支援において重要なスキルです。

4 :〇
市町村の関係機関と情報共有しておくことで、今後の見守りや支援につなげやすくなります。

5 :〇
保育所全体で家庭を見守り、気づきを共有することで、適切な支援が可能になります。

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