保育士の過去問
平成31年（2019年）前期
社会的養護 問38

正解は４です。児童福祉法（昭和二十二年法律第百六十四号）第四十五条の規定に基き、児童福祉施設最低基準が定められています。

１ 母子支援員は母子生活支援施設で配置が義務付けられています。

２ 心理療法担当職員は、虐待を受けた児童、DV等の心的外傷のある親子に心理療法での支援を行う職員で、児童心理治療施設だけでなく児童養護施設や乳児院、情緒障害児短期治療施設にも配置されます。

３ 児童指導員は、子どもの生活指導を行うのが担当であり、児童心理治療施設の他、児童養護施設や放課後等デイサービスにも配置されます。

５ 児童福祉司は児童養護施設でなく、児童相談所に配置されます。

答えは4です。

1は不適切です。
母子支援員とは、母子生活支援施設において母子の生活支援を行う者のことです。「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の第27条に「母子生活支援施設には、母子支援員、嘱託医、少年を指導する職員及び調理員又はこれに代わるべき者を置かなければならない、」と規定されています。

2は不適切です。
児童療法担当職員は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」において、乳児院(第21条に規定。心理療法を行う必要があると認められる乳幼児又はその保護者十人以上に心理療法を行う場合)、母子生活支援施設(第27条に規定。心理療法を行う必要があると認められる母子十人以上に心理療法を行う場合)、児童福祉施設(第42条に規定。心理療法を行う必要があると認められる児童十人以上に心理療法を行う場合)、児童心理治療施設(第73条)、児童自立支援施設(第80条に規定。心理療法を行う必要があると認められる児童十人以上に心理療法を行う場合)、に設置しなければならないとされています。

3は不適切です。
児童指導員は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」において、児童養護施設(第42条)、福祉型障害児入所施設(第49条)、医療型障害児入所施設(第58条)、福祉型児童発達支援センター(第63条)、医療型児童発達センター(第69条)、児童心理治療施設(第73条)に設置が義務付けられています。

4は適切です。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第21条において、「乳児院（乳幼児十人未満を入所させる乳児院を除く。）には、小児科の診療に相当の経験を有する医師又は嘱託医、看護師、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士及び調理員を置かなければならない。」と規定されています。

5は不適切です。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第42条において、「児童養護施設には、児童指導員、嘱託医、保育士（特区法第十二条の五第五項に規定する事業実施区域内にある児童養護施設にあつては、保育士又は当該事業実施区域に係る国家戦略特別区域限定保育士。第六項及び第四十六条において同じ。）、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士及び調理員並びに乳児が入所している施設にあつては看護師を置かなければならない。」と規定されています。児童福祉司の設置義務はありません。

1の組み合わせは不適切です。

母子支援員は、母子生活支援施設への配置が義務づけられている専門職です。

2の組み合わせは不適切です。

心理療法担当職員は児童心理治療施設のみではなく、乳児院・児童養護施設・母子生活支援施設・児童自立支援施設にも配置されます。

3の組み合わせは不適切です。

児童指導員は児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、放課後等デイサービスにも配置されます。

4の組み合わせは適切です。

看護師は乳児院において配置が義務付けられています。

5の組み合わせは不適切です。

児童福祉司は児童相談所に配置される職員です。

よって正解の正しい組み合わせは4となります。