保育士の過去問
令和元年(2019年)後期
社会的養護 問38
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問題
保育士試験 令和元年(2019年)後期 社会的養護 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文のうち、「児童養護施設運営指針」(平成24年3月 厚生労働省)において示されている「社会的養護の原理」に関する記述として最も適切な記述を一つ選びなさい。
- 社会的養護は、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれる。
- 社会的養護における養育は、つらい体験をした過去を現在、そして将来の人生と切り離すことを目指して行われる。
- 社会的養護における養育は、効果的な専門職の配置ができるよう、大規模な施設において行う必要がある。
- 社会的養護における支援は、子どもと緊密な関係を結ぶ必要があるので、他機関の専門職との連携は行わない。
- 社会的養護は、措置または委託解除までにすべての支援を終結し、自立させる必要がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
「児童養護施設運営指針」
(平成23年3月 厚生労働省)の
「第Ⅰ部 総論」
「2.社会的養護の基本理念と原理 」
「(2)社会的養護の原理」 に
6つの考え方が示されています。
① 家庭的養護と個別化
② 発達の保障と自立支援
③ 回復をめざした支援
④ 家族との連携・協働
⑤ 継続的支援と連携アプローチ
⑥ ライフサイクルを見通した支援
1 ○
⑤によると、
「できる限り特定の養育者による
一貫性のある養育が望まれ」ています。
2 ×
③によると、
「虐待体験や分離体験などによる
悪影響からの癒しや回復をめざした
専門的ケアや心理的ケアなどの
治療的な支援も必要」です。
過去のつらい体験を、
現在やこれからの人生と切り離すのではなく、
治療的な支援とともに、
安心感を持てる場所で、
大切にされる体験を積み重ね、
信頼関係や自己肯定感(自尊心)を
取り戻していけるようにしていくことが
求められています。
3 ×
①によると、
大規模な施設養護としてしまうのではなく、
できるだけ家庭あるいは家庭的な環境
での養育が求められています。
4 ×
⑤によると、
「社会的養護の担い手が
それぞれの専門性を発揮しながら
巧みに連携し合う」ことで、
子どもの自立や親子の支援を目指しています。
5 ×
⑤によると、
「始まりからアフターケアまでの継続した支援と、
できる限り特定の養育者による
一貫性のある養育が望まれ」ています。
また、⑥では、子どもたちが社会に出てから、
あるいは子どもを育てる側になったときなど、
ライフサイクルを通じた支援についても
言及しています。
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02
1 「すべての子どもは、適切な養育環境で、安心して自分をゆだねられる養育者によって、一人一人の個別的な状況が十分に考慮されながら、養育されるべきである。」と定義されています。
2 つらい体験をした過去を現在、そして将来の人生と切り離すことを目指すのではなく、子どもたちが、安心感を持てる場所で、大切にされる体験を積み重ね、信頼関係や自己肯定感(自尊心)を取り戻していけるようにしていくことが必要とされています。
3 「社会的養護を地域から切り離して行ったり、子どもの生活の場を大規模な施設養護としてしまうのではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」と、個々の子どもの育みを丁寧にきめ細かく進めていく「個別化」が必要である」とされています。
4 社会的養護における支援は、子どもと緊密な関係を結ぶ必要があるので、他機関の専門職との連携が重要になってきます。
5 社会的養護は、措置または委託解除までにすべての支援を終結させるのではなく、社会に出て自立した後も継続的な支援やアプローチが大切です。
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03
1 〇 適切です。
社会的養護は、できる限り特定の養育者による一貫性のある養育が望まれます。
2 × 不適切です。
社会的養護における養育は、つらい体験をした過去を現在、そして将来の人生と切り離すことを目指すのではなく、つらい体験などによる悪影響からの癒しや回復を目指して行われるものです。
3 × 不適切です。
社会的養護のおける養育には、大規模な施設ではなく、できるだけ家庭あるいは家庭的な環境で養育する「家庭的養護」が必要です。
4 × 不適切です。
社会的養護における支援においては、他機関の専門職との連携は行わないのではなく、様々な機関や施設、里親等が連携してアプローチすることが求められています。
5 × 不適切です。
社会的養護においては、措置または委託解除までにすべての支援を終結するのではなく、子どもたちが社会に出てからの暮らしを見通した支援も大切です。
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