保育士の過去問
令和元年(2019年)後期
児童家庭福祉 問58
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問題
保育士試験 令和元年(2019年)後期 児童家庭福祉 問58 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Y保育所のX保育士は、5歳児クラスを担当している。このクラスに4月より入所したZ君は、母親と二人で生活している。彼は数日にわたり同じ服を着ていることが多く、時折異臭がすることもあり、X保育士は所長に相談しながら様子を見ていた。
6月のある日、Z君がX保育士に「何日もお風呂に入っていないから体がかゆい」と訴えた。理由を尋ねると、Z君は「お金がなくて電気もガスも使えないから、しばらくはあったかいご飯やお風呂は我慢して、とお母さんが言ってた」と答えた。朝食はどうしたかを尋ねると、「何も食べていない」と答えた。
【設問】
次の文のうち、X保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 改めて所長にZ君の状況を伝え、保育所内で情報を共有し、職員全員でZ君と母親の支援を図る。
B 家庭の状況や経済状況は個人情報に関わるので、母親からの相談があるまで何もせず見守る。
C 不適切な養育が疑われる事例として、要保護児童対策地域協議会で検討し、市町村や関係機関と連携し、対応を図る。
D Z君の母親に現在置かれている状況を確認し、社会資源に関する情報提供や市町村への仲介を提案する。
【事例】
Y保育所のX保育士は、5歳児クラスを担当している。このクラスに4月より入所したZ君は、母親と二人で生活している。彼は数日にわたり同じ服を着ていることが多く、時折異臭がすることもあり、X保育士は所長に相談しながら様子を見ていた。
6月のある日、Z君がX保育士に「何日もお風呂に入っていないから体がかゆい」と訴えた。理由を尋ねると、Z君は「お金がなくて電気もガスも使えないから、しばらくはあったかいご飯やお風呂は我慢して、とお母さんが言ってた」と答えた。朝食はどうしたかを尋ねると、「何も食べていない」と答えた。
【設問】
次の文のうち、X保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 改めて所長にZ君の状況を伝え、保育所内で情報を共有し、職員全員でZ君と母親の支援を図る。
B 家庭の状況や経済状況は個人情報に関わるので、母親からの相談があるまで何もせず見守る。
C 不適切な養育が疑われる事例として、要保護児童対策地域協議会で検討し、市町村や関係機関と連携し、対応を図る。
D Z君の母親に現在置かれている状況を確認し、社会資源に関する情報提供や市町村への仲介を提案する。
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この過去問の解説 (3件)
01
A・・・〇
全職員間で情報共有をすることが、虐待防止・早期発見の観点からも重要です。
B・・・✖
個人情報については慎重に取り扱う必要がありますが、この事例の場合、Z君への何らかの不利益が生じている可能性があるので、慎重に情報収集をすることが必要と考えられます。
C・・・〇
自治体へも情報提供することで、保育園内だけでなく、その他の場面でも子どもを守ることが出来ます。
D・・・〇
母親自身も困っていることが考えられるので、慎重に情報提供を行うことは大切です。
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02
次のような事例の内容から、
Z君が不適切な養育等を受けている可能性が
考えられます。
・Z君が数日にわたり同じ服を着ていることが多い
・時折異臭がする
・Z君が「何日もお風呂に入っていないから
体がかゆい」と訴えた
・Z君がお母さんにご飯とお風呂は
しばらく我慢するよう言われたと話していた
・Z君が朝食は何も食べていないと言っていた
これらをふまえ、
「保育所保育指針」の
「第4章 子育て支援」
「2 保育所を利用している保護者に対する
子育て支援」
「(3)不適切な養育等が疑われる家庭への支援」
を参考にすると、下記のとおりとなります。
A ○
保育所において支援を行う場合には、
施設長や主任保育士、他の保育士等と
役割分担をしながら組織的な対応を行う
必要があります。
B ×
個人情報に留意することは大切ですが、
不適切な養育等や虐待が疑われる場合には、
保護者と子どもとの関係に気を配り、
関係機関との連携の下に、
子どもの最善の利益を重視して
支援を行う必要があります。
また、児童福祉法第21条10の5によると、
支援が必要な児童を把握したときは、
市町村に通告しなければなりません。
C ○
要保護児童対策地域協議会とは、
虐待を受けている子どもなど、
支援を要する児童等の早期発見や
適切な保護を図るため、
関係機関等が情報などを共有し、
適切な連携の下で対応していくための
ネットワークのことです。
必要に応じ、
要保護児童対策地域協議会で検討するなどの
適切な対応をしていくことも考えられます。
D ○
保護者に育児不安などが見られる場合は、
保護者の希望に応じ、
個別の支援を行うようにしなければなりません。
保育士の専門的な関わりを通して、
Z君の母親の置かれている状況を確認し、
必要に応じ市町村をはじめとする関連機関との
連携を行なっていきます。
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03
A 適切です。子どもの「気になること」に関しては、園長を始め職員全員と共有し対応を考えていくことが大切です。
B 保護者が知られたくない情報(経済状況など個人情報に関すること)を無理に聞きだすのはあまり良くありません。母親から話してくれるまで見守ることも必要です。
C 適切です。「何日もお風呂に入っていない」「食事を摂っていない」ということは不適切な養育が疑われる事例として、要保護児童対策地域協議会で検討することが必要です。市町村や関係機関と連携し、対応を図った方が良いでしょう。
D 適切です。Z君の母親に現在置かれている状況を確認し、社会資源に関する情報提供や市町村への仲介を提案することが必要です。
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