保育士の過去問
令和2年(2020年)後期
子どもの保健 問108
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問題
保育士試験 令和2年(2020年)後期 子どもの保健 問108 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、注意欠如・多動症についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A DSM-5の診断基準によれば、不注意、多動性及び衝動性の症状が、2つ以上の状況(例:家庭、学校)で存在する必要がある。
B 近年の疫学調査によると、有病率は学童期で約20%である。
C 病因として遺伝的関与が強い。
D 自閉スペクトラム症を併存することがある。
E 出生体重が1,500g未満で生まれることは、注意欠如・多動症のリスク因子である。
A DSM-5の診断基準によれば、不注意、多動性及び衝動性の症状が、2つ以上の状況(例:家庭、学校)で存在する必要がある。
B 近年の疫学調査によると、有病率は学童期で約20%である。
C 病因として遺伝的関与が強い。
D 自閉スペクトラム症を併存することがある。
E 出生体重が1,500g未満で生まれることは、注意欠如・多動症のリスク因子である。
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この過去問の解説 (4件)
01
A 〇 適切です。
DSM-5はアメリカ精神医学会(APA)が作成した診断する際の指針になるものです。
「2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること」と記載されています。
B × 不適切です。
注意欠如・多動症(ADHD)の有病率は報告によって差がありますが、学齢期の小児の3~7%程度と考えられています。
C 〇 適切です。
決定的な原因はわかっていませんが、遺伝的素因が関係しているとされています。
D 〇 適切です。
自閉スペクトラム症を併存することがあります。
E 〇 適切です。
危険因子として、低出生体重(1500グラム未満)、頭部のけが、脳の感染症、鉄欠乏症、出生前のアルコール、タバコが考えられます。
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02
DSM-5の診断基準として、下記の条件を満たす必要があります
①しばしば6カ月以上認められる。
②患児の発達水準から予測されるよりも著しい。
③少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる。
④12歳前に(少なくともいくつかの症状が)みられる。
⑤家庭,学校,または職場での機能を妨げている。
Bは×です。誤った記述です。
ADHDの有病率は報告によって差がありますが、学齢期の小児の3-7%程度と考えられています。
Cは○です。適切な記述です。
親がADHDの場合、その子どももADHDである可能性は非ADHDの親の場合と比べると5〜10倍高いといわれています。
Dは○です。適切な記述です。
ADHDの診断を受けた子どもにASDの特性が併存することや、ASDの診断を受けた子どもにADHDの特性が併存することもあります。両者の特性を併せ持っているとき、日常生活の困難が増すことが知られています。
Eは○です。適切な記述です。
ADHDのリスク因子としては、出生体重1500g未満、頭部外傷、鉄欠乏症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、鉛曝露、アルコール・タバコ・コカインへの出生前曝露などがあります。
よって、正解の組み合わせは3となります。
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03
「注意欠如・多動症(ADHD)」は、神経発達障害の一種です。
ADHDの子どもは、注意力や集中力が持続できず、
ソワソワと落ち着きがない様子が見られます。
また、コミュニケーションに問題があることも多いです。
よく物を無くしたり、物忘れが多いという傾向も見られます。
ADHDは、生まれつきのものであると、研究で明らかになっています。
A ○です。
DSM-5の診断基準によれば、
①「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と
「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が
同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
②症状のいくつかが12歳以前より認められること
③2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること
④発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
⑤その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、
他の精神疾患ではうまく説明されないこと
の、5つ全てが認められるとき、ADHDと判断されます。
B ×です。
近年の疫学調査による有病率は、学童期で約8〜11%とされており、
男性に多く見られます。
C ○です。
注意欠如・多動症の具体的な原因はまだ判明していませんが、
遺伝的関与が強いことは分かっています。
D ○です。
自閉スペクトラム症を併存することがあると、研究結果で分かっています。
E ○です。
出生体重が1,500g未満で生まれることは、注意欠如・多動症のリスク因子の1つです。
他に、頭部のケガ、脳の感染症、出生前にアルコールやタバコにさらされるなどが、
危険因子とされています。
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04
A 適切です。DSM-5の診断基準によれば、不注意、多動性及び衝動性の症状が、2つ以上の状況(例:家庭、学校)で存在する必要があると言われています。
B 不適切です。ADHDの有病率は、学童期で約3~7%だと言われています。
C 適切です。親がADHDの場合、その子どもが同じような症状を持つ確率は50~80%だと言われています。
D 適切です。自閉スペクトラム症を併存することがあります。
E 適切です。出生体重が1,500g未満で生まれることは、注意欠如・多動症のリスク因子であると言われています。
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