保育士の過去問
令和3年(2021年)後期
保育実習理論 問152

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問題

保育士試験 令和3年(2021年)後期 保育実習理論 問152 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
Vちゃん(4歳、女児)とW君(10歳、男児)のきょうだいは、母親と3人暮らしである。父親は4年前に離婚して以降、所在不明である。Vちゃんは保育所に通っているが、休むことが多く、登園する際にはいつもW君が送迎しており、最近母親の姿を見ることはなかった。この状況を心配したVちゃんの保育所は、児童相談所に相談した。児童福祉司が家庭訪問をした際にW君と母親に話を聞いたところ、W君は、「Vの面倒は僕がみているから大丈夫です。それに、母はお金を置いていくので生活には困っていません」と答えた。母親からも同様の回答があった。母親は、夜勤のある仕事をしているため、夜間、家を不在にすることが多く、VちゃんとW君は、母親に渡されたお金で、毎日、コンビニエンスストアで弁当などを購入している。

【設問】
次のうち、児童相談所の当面の対応として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A  通っている小学校からW君の就学状況や家庭状況について情報収集を行う。
B  母親が養育についてどのように考えているかの聞き取りをする。
C  直ちに母子分離をし、子どもたちを児童養護施設に措置する。
D  W君が家庭生活の維持に役割を果たしていることを認め、その役割をこれまで以上に果たすように指示する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

A.適切です。

W君が小学校に通えているのか、家庭の状況はどうなっているのかなどの情報を入手し、対応を検討します。

B.適切です。

小学生であるW君に負荷がかかっていると思われる状況から、養育に関する母親への聞き取りが必要と思われます。

C.不適切です。

調査の結果、虐待などで危機的状況にある子どもの安全確保に必要だと判断された場合、児童相談所は強制的に子どもを保護者から引き離し一時保護することがあります。

このケースでは、直ちに母子分離をするのではなく、まずは情報収集と調査が必要であると思われます。

D.不適切です。

W君はまだ小学生であることから、家庭内での役割を果たさせるのではなく、

母親への支援や指導など、適切な援助を行うことが良いと思われます。

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02

正解は「A, B」です。

A:○

W君はしっかりとした印象ですが、W君についてもきちんと生活をすることができているかを調べる必要があります。

B:○

母親に対しての支援が必要に感じます。子育ての悩みがないか、生活に困ったことはないかなど、母親の味方になれるようなサポートをしていきます。

C:×

すぐに母子分離をすることは、母親からの不信感に繋がり、今後の母子関係に溝ができてしまうかもしれません。きちんとした判断のもと、母子分離が必要であれば行うようにしなければなりません。

D:×

W君もまだ未成年です。W君の未来のためにも、しっかりと支援が必要です。

選択肢1. A, B

正解です。

選択肢2. A, C

上記説明より、誤りです。

選択肢3. A, D

上記説明より、誤りです。

選択肢4. B, C

上記説明より、誤りです。

選択肢5. C, D

上記説明より、誤りです。

参考になった数1

03

設問A~Dについて解説します。

A 適切な記述です。

支援を行うにあたって、まずは状況を確認することは大切です。

B 適切な記述です。

支援を行うにあたって、親である母親自身が養育についてどのように考えているかを確認することは大切です。

C 不適切な記述です。

「直ちに」母子分離を行うのは不適切です。母親と子どもたちの意向をしっかりと聞き取る必要があります。

D 不適切な記述です。

W君はまだ小学生であることから、これ以上家庭生活の維持に力を注がせるのは適切であるとは言えません。W君は「大丈夫」と言っていますが、無理をしていることも考えられます。

適切な選択肢は「A,B」です。

選択肢1. A, B

正解です。

選択肢2. A, C

不正解です。

選択肢3. A, D

不正解です。

選択肢4. B, C

不正解です。

選択肢5. C, D

不正解です。

まとめ

この事例では、母親の育児放棄(ネグレクト)と言う虐待にあたる可能性があります。

また、W君は自身も小学生ながら妹の世話をしています。これは、「ヤングケアラー」にあたります。

これらの課題を解決するため、無理に親子を引き離すのではなく、始めはしっかりと話を聞いて信頼関係を築いていくことが大切になります。

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