保育士 過去問
令和4年(2022年)前期
問18 (保育原理 問18)

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)前期 問18(保育原理 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
5歳児クラスのK君には、同じ保育所の2歳児クラスに通う妹がいる。K君の母親は、保育所に着くと、まず1階にあるK君のクラスの入り口となっているテラスに行き、K君に「支度をしていてね」と伝えてから、2階にある妹のクラスに向かう。妹の支度を終えると、母親はK君の様子を見にくる。
5歳児クラスの子どもは登園してくると、保育室でタオルをかけるなど支度をして、どんどん園庭などで遊び始める。K君は、母親が妹のクラスでの支度を終えてK君の様子を見にくるまで、テラスに上がることなく、ずっと園庭に立っている。母親は、K君のところに戻ってくると「K君、早くお支度はじめていてよ」と声をかける。K君はやっと動き、支度を始める。母親がくるまでは朝の支度を始めないという様子がここ最近続いている。

【設問】
担当保育士の対応として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  K君の朝の支度や遊び始めるのが遅くても、保育として何か問題があるわけではないので、特に何もしない。
B  自分のことを自分で取り組んでいない姿は5歳児として問題なので、母親がくるのを待たずに、朝の支度に取りかかるよう毎朝声をかけていく。
C  母親が自分のところにくるのを待っていたいK君の気持ちを認め、「お母さんが来たら支度をするのね」と声をかけ、そのまま様子を見守っていく。
D  日々の保育の様子から、K君は母親に支度に付き合ってほしい気持ちがあるのではないかと考え、母親の思いを聞く。
E  K君が朝、保育室にはりきって入ってきたくなるよう好きなことを探し、一緒にやろうと声をかける。
  • A:○  B:○  C:○  D:×  E:○
  • A:○  B:○  C:×  D:○  E:×
  • A:○  B:×  C:○  D:×  E:○
  • A:×  B:×  C:○  D:○  E:○
  • A:×  B:×  C:×  D:○  E:×

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

A ×

問題がないとは言い切れません。K君は母親が戻ってきて声を掛けられると動けるにもかかわらず、登園時の1回目の声かけではテラスにすら上がっていないということは、K君の気持ちに何か不安定な所があるかもしれないと推定されます。どうしてできないのか、K君の気持ちを聞いてみる必要があります。

B ×

5歳児として問題と断定するのは不適切です。また、母親にK君の家での様子などを聞いてみることも効果的な援助をするヒントになりうるので、まずは母親に話を聞いてみる必要があります。

C 〇

K君の中で母親を待っていたい気持ちがあるのは、設問の様子からうかがえます。母親が戻ってくれば支度ができているので、子どもの気持ちを受け止め、活動に支障がない限りは待ってあげるのは適切です。

D 〇

K君には同じ保育所に2歳の妹がいて、家庭でも母親が2歳の妹の世話に時間を取られ、K君が母親との時間を必要としているかもしれません。そのことを母親に気づいてもらうきっかけを作るためにも、母親に気持ちを聞く事は適切です。

E 〇

K君が保育室に入ることを嫌がっているわけではないことは、設問文からうかがえます。そのため、K君の母親への気持ちを否定することなく、K君の興味を引いて中に入ってきたくなるよう工夫することは、適切です。

参考になった数39

02

正解は4です。

A、✕

K君の健康状態や家での様子を保護者に聞くなど、気にかけるべきところがあるので、何もしないのは不適切です。

B、✕

家では母親に甘えたかったりもするので、どういった背景で朝の支度が出来ないのか保護者に聞いてから対応を考えるべきです。

C、〇

子どもの気持ちをしっかり受け止めているので、この設問は適切です。

D、〇

保育士の見解だけでなく、母親の思いを聞くことは大切なので、この設問は適切です。

E、〇

子どもが自発的に行動できることは重要なので、この設問は適切です。

参考になった数12

03

A→×

 身支度に取り組めないでいるのには何か理由があるのかもしれません。なぜ身支度を行わないのか、行動を起こさない理由を探り、対応する必要があります。

 

B→×

 子どもを年齢で一括りに見ることは適していません。年齢はあくまで発達の目安であり、子どもは一人ひとり違うことから、身支度ができないのは5歳児としてみるのではなく、K君はなぜ身支度をしようとしないのか、何が障害となって行動できないでいるのかをよく観察し、保育者として働きかける必要があります。

 

C→〇

 K君が身支度しようとしない気持ちを、「お母さんが来たら支度をするのね」と受け止めています。登園したらすぐに身支度をしなければならないわけではなく、K君が自ら行動できる場面を認め、主体的な行動を促しています。

 

D→〇

 身支度をしようとしないK君の思いを保育者として予想し、必要に応じて保護者に伝えることで、情報を共有することができます。保護者と保育者が相互にK君のために関わることができるようになり、よりよい環境を作ることができます。

 

E→〇

 母親と一緒に身支度をしたいという気持ちも受け止めつつ、母親がいない状態でも身支度に取り掛かろうとする姿を促すために、自ら身支度をしたくなるような環境を整えるたり、一緒に取り組もうと誘ったりすることで、行動が改善される場合もあります。ただし、強制的に行動させることはNGです。

選択肢4. A:×  B:×  C:○  D:○  E:○

正答です。

参考になった数5