保育士の過去問
令和4年(2022年)前期
保育原理 問19

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問題

保育士試験 令和4年(2022年)前期 保育原理 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
R保育所の2歳児クラスの子どもたちは、午前中にホールでリズム遊びや歌唱の活動をしていたが、給食の時間となったので、活動を終了し、2歳児の保育室へ移動が始まった。ホールから1列になって廊下を移動し始めた時に調理室から給食のいい匂いが漂ってきて、S君は思わず「ご飯だ、ご飯だぁ~」と楽しげに口ずさみ踊るように走り始めた。その時、傍らにいた担当保育士がS君の腕をつかみ、顔を近づけ「廊下で歌ったり走ったりしちゃいけないって言ったよね?」と強く言った。S君は驚いて表情を曇らせ、その後はうつむきながら歩いて保育室に入った。

【設問】
その日の夕方、担当保育士はこの場面における自分のS君への対応について振り返りを行った。担当保育士の自己評価として「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  あの時の自分は、S君に保育所でのきまりを伝えなければという思いが先に立っていたが、そのことでS君の楽しい気持ちを寸断させてしまったかもしれない。
B  2歳児は、生活のきまりに関する理解が十分ではなく、怪我につながりやすい。S君はそのときは驚いたかもしれないが、すぐに忘れるだろうから、対応として間違いはないだろう。
C  その場で強く言うのではなく、S君の気持ちに共感しつつ日々の保育の中で繰り返し言葉をかけ、S君が自分できまりに気づけるような対応がより適切だったのかもしれない。
D  今後の対応としては、安全面への配慮の重要性という視点とともに、子どもの自尊心を尊重することにも留意していこう。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

A 〇

決まりを伝えることは子どもの安全を確保するためにも必要な事ですが、S君が匂いを感じて楽しげにしているところから、注意すると急に表情を曇らせてうつむいて歩いた様子は、楽しい気持ちを寸断されていると考えられます。

B ×

「すぐに忘れるだろうから」という部分が不適切です。2歳児でも強く記憶に残る場合はあります。

C 〇

気持ちに共感するのは保育において重要なことです。また、2歳児ということで1度注意したことを繰り返すこともあると考えられます。そのため日常できまりを繰り返し伝えることは定着に繋がると考えられます。そして自分で気づけることが「ルールを守る」という面で大きな成長になります。

D 〇

安全性の確保も保育において重要な事項です。子どもの自尊心を尊重するのは情緒の安定の面でも効果的と考えられるので、どちらかに比重を置くのではなく両方かなえられるよう考えることは適切です。

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02

正解は2です。

A、〇

決まりを伝えることも大切ですが、伝え方を工夫したり、子どもの楽しい気持ちを受け止めたりすることはとても大切なので、この設問は適切です。

B、✕

子どもに対して驚くような注意の仕方は今後の正常な発達にふさわしくないので、落ち着いた口調で伝えるべきです。よって、この設問は不適切です。

C、〇

部屋を移動するときに事前にきまりを伝えて、子どもが自分で気をつけて行動できるようにするべきなので、この設問は正解です。

D、〇

保育者として正しい声かけや行動を心がけることが大切なので、この設問は適切です。

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