保育士の過去問
令和5年(2023年)前期
保育実習理論 問16
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問題
保育士試験 令和5年(2023年)前期 保育実習理論 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
X児童養護施設に入所しているZ君(高校3年生、男児)は、高校卒業後は就職を希望している。しかし、W保育士が就職に関する話をしようとすると「今度にして」「今日はそういう気分じゃない」と言われ、W保育士と話す時間をとろうとしなかった。ある日、「テレビ見たいから後で」というZ君と個室で向き合い「少し就職について話をしたいのだけど」と伝えたところ、Z君は、「自分は働いたことがないし、人と付き合うのも苦手だから就職が不安」と言った。
【設問】
次のうち、W保育士の対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A Z君に、職場体験プログラムに参加してみながら今後の就職に向けて一緒に考えていくことを提案する。
B Z君に「自分の問題なのだから、自分で考えて決めて、決まったら教えてね」と伝える。
C 就職についての話には触れないようにする。
D Z君が進学を選択できるような支援に切り替える。
【事例】
X児童養護施設に入所しているZ君(高校3年生、男児)は、高校卒業後は就職を希望している。しかし、W保育士が就職に関する話をしようとすると「今度にして」「今日はそういう気分じゃない」と言われ、W保育士と話す時間をとろうとしなかった。ある日、「テレビ見たいから後で」というZ君と個室で向き合い「少し就職について話をしたいのだけど」と伝えたところ、Z君は、「自分は働いたことがないし、人と付き合うのも苦手だから就職が不安」と言った。
【設問】
次のうち、W保育士の対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A Z君に、職場体験プログラムに参加してみながら今後の就職に向けて一緒に考えていくことを提案する。
B Z君に「自分の問題なのだから、自分で考えて決めて、決まったら教えてね」と伝える。
C 就職についての話には触れないようにする。
D Z君が進学を選択できるような支援に切り替える。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、児童養護施設に入所している児童に対する進路の指導を行う際の関わり方について問われた内容です。
保育士は乳幼児との関りが主かと思われがちですが、児童福祉施設では乳幼児以外の年齢の児童との関りもします。
この問題に登場する児童の心情や不安について、関わり方を想像しながら解いてみましょう。
Aの〇は正しいです。
Bの〇は間違いです。
Z君は将来について話そうとしない態度ではありましたが、ある日将来について不安を感じていると聞くことができています。
このことから、徐々にW保育士に対し打ち解けはじめていると捉えることができます。
不安に感じていることから、W保育士はZ君の気持ちに寄り添いながら一緒に将来を考えていく関りが大事です。
Bの記述にあるように、突き放したような関り方であると、よりZ君は不安を深めてしまい自立した生活を過ごすことが難しくなってしまいます。
したがって、Bの記述は×が正しいです。
Cの〇は間違いです。
Dの×は正しいです。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
Aの〇は正しいです。
Z君から将来不安に感じていると打ち解けている関係ができているので、一緒に寄り添いながら援助を行うことが適切な関り方といえるでしょう。
Bの〇は間違いです。
Cの×は正しいです。
Dの×は正しいです。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
AからDまですべて正しいです。
Z君と距離を置かれていたのですが、ある日を境に、Z君が将来に対し不安を感じていることがわかるようになります。
Z君の不安を和らげられるように、W保育士は寄り添いながらZ君と将来について考えていくことが大切になります。
以上のことから、本選択肢は適切です。
Aの×は間違いです。
不安に感じていることを打ち明けてもらえていることから、寄り添いZ君と将来を考えるように援助を行うことは保育士の関わりとして適切です。
したがって、Aは〇が正しいです。
Bの〇は間違いです。
Cの〇は間違いです。
就職に対して不安を感じていますので、就職に関して触れないようにすることは、かえって不安を深めてしまいます。どのようにしたら不安を和らげることができるか、Z君と一緒に寄り添いながら考えていくことが適切な関りといえるでしょう。
したがって、Cは〇が正しいです。
Dの〇は間違いです。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
Aの×は間違いです。
不安を感じているZ君に対し、保育士は寄り添いながら援助を行うことが適切な関りといえるでしょう。
Bの×は正しいです。
Cの〇は間違いです。
就職に対して不安を感じているのに、就職に触れないようにしてしまうと不安をさらに深めてしまいます。
Dの〇は間違いです。
事例には「高校卒業後には就職を希望している」とあることから、本人の希望は就職することです。そこで不安があるからと進学に切り替えるのは適切な関りではありません。
Z君と不安についてじっくりと関わり、Z君自身が就職か進学かを選択することが大切になります。
以上のことから、本選択肢は不適切です。
児童養護施設では、退所後の将来に関して考えなければいけない場面があります。
保育士は主に乳幼児との関りと考えてしまいそうですが、児童との関りも行います。
本人の心情や将来に対する不安を受け止めつつ、適切な環境で自立できる生活を送れるように保育士をはじめとする職員は援助や支援をしなければいけません。
中学生や高校生であっても、乳幼児の子どもたちと同じく、「何故その行動を取ったのか」を発達面や心情、本人の周りの環境を踏まえて考え援助や支援を行うことが大切であり、自身で選択し行動することも大切であることを知っておきましょう。
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02
A:適切です。
「Z君に、職場体験プログラムに参加してみながら今後の就職に向けて一緒に考えていくことを提案する。」は適切です。
B:不適切です。
「Z君に「自分の問題なのだから、自分で考えて決めて、決まったら教えてね」と伝える。」は、不適切です。
就職に関する情報の提供や、就職の時期の不安定な気持ちに寄り添った支援が必要です。
C:不適切です。
「就職についての話には触れないようにする。」は不適切です。
就職に関する情報の提供等を行い、問題を先延ばしにしないようにすることが大切です。
D:不適切です。
「Z君が進学を選択できるような支援に切り替える。」は、不適切です。
一番大切なのは、Z君の意思や気持ちです。
その気持ちに寄り添った支援が必要です。
正解です。
こちらは、実際に児童養護施設に勤務した場合を想定した問題となります。
しかし、十分に常識の範囲でも解ける可能性があります。
しっかり問題を読みよく力をつけるために、過去問を数回解いて問題に慣れてみましょう。
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