保育士の過去問
令和5年(2023年)後期
子ども家庭福祉 問14
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問題
保育士試験 令和5年(2023年)後期 子ども家庭福祉 問14 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
児童養護施設で勤務するW保育士(女性)は、虐待を受けて入所しているRさん(12歳、女児)を担当している。施設での生活の中で職員に反抗的な態度をとることもあり、どのように対応していくべきか検討が続いていた。ある日、Rさんから、「絶対に誰にも言わないでほしい」と前置きされた上で、夜間ひとりでいる時にX児童指導員(男性)が、性的な話をしてくると相談された。X児童指導員はW保育士の先輩にあたり、W保育士も頼りにしてきた存在だった。
【設問】
次のうち、W保育士の対応として、適切なものを一つ選びなさい。
【事例】
児童養護施設で勤務するW保育士(女性)は、虐待を受けて入所しているRさん(12歳、女児)を担当している。施設での生活の中で職員に反抗的な態度をとることもあり、どのように対応していくべきか検討が続いていた。ある日、Rさんから、「絶対に誰にも言わないでほしい」と前置きされた上で、夜間ひとりでいる時にX児童指導員(男性)が、性的な話をしてくると相談された。X児童指導員はW保育士の先輩にあたり、W保育士も頼りにしてきた存在だった。
【設問】
次のうち、W保育士の対応として、適切なものを一つ選びなさい。
- 反抗的な態度をとることもあるRさんの発言は、X児童指導員への嫌がらせであると考え、Rさんの問題行動として記録に残す。
- 「誰にも言わないでほしい」というRさんの意向を尊重し、相談内容はW保育士の胸の内にとどめる。
- 被措置児童等虐待の疑いがあるため、速やかに児童相談所に通告する。
- 児童養護施設内でのことを外部に話すことは守秘義務違反となるため、施設内での情報共有にとどめる。
- X児童指導員は信頼できる先輩であるため、Rさんの発言内容をまずはX児童指導員に確認する。
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この過去問の解説 (2件)
01
「児童虐待防止法」第6条に通告義務が定められています。
通告義務は、守秘義務よりも優先され、児童虐待の早期発見と適切な対応のためにあります。
守秘義務よりも通告義務を優先したことによる、守秘義務違反ももちろんありません。
児童虐待は、決して許されるものではありません。
保育士として、児童虐待を発見した場合には、勇気を持って通告し、児童の命と安全を守る責務があります。
×
嫌がらせであると決めつけるのは適切ではありません。
×
その間にも、Rさんへの性的虐待が続いたり、エスカレートしてしまうことにつながりかねません。
○
適切な記述です。
×
通告義務が優先されるため、守秘義務違反にはなりません。
×
Rさんへの性的虐待がエスカレートしてしまう危険があります。
よって、「速やかに児童相談所に通告する」が正しい記述となります。
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02
保育士には、業務上知り得た個人の秘密を守る義務があります。
しかし、虐待の通告義務は、守秘義務より優先されます。
(児童虐待防止法第6条)
また、それによって守秘義務違反になることはありません。
今回の事例では「X児童指導員(男性)が、性的な話をしてくる」という、児童に対しての性的虐待が疑われるものです。
以上のことを踏まえ、選択肢を確認してください。
たとえ反抗的な態度をとることがあるRさんの発言であっても、「嫌がらせである」と考えることは適切ではありません。
Rさんの意向を尊重することは大切ですが、今回の事例の場合は性的虐待が疑われるため胸の内にとどめるのは適切ではありません。
適切な対応です。
虐待に関する通告は守秘義務違反にはなりません。
X児童指導員に確認することは、Rさんへの性的虐待を助長する可能性があり、適切ではありません。
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