保育士 過去問
令和7年(2025年)前期
問58 (子ども家庭福祉 問18)

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問題

保育士試験 令和7年(2025年)前期 問58(子ども家庭福祉 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
Z君(5歳、男児)は、父親と継母(Rさん)が再婚したことに伴い転居し、Y保育所に転園してきた。すぐに友達ができ、保育所では楽しく過ごしているが、落ち着きがなく、なんでも一番でないと気が済まないところがある。Rさんが迎えに来るが、Z君はいつも帰ろうとせず、園庭で遊んでいることが多い。ある日、Z君が帰ろうとせず困っていたRさんに担当保育士が声をかけると、Rさんは、「妊娠中で体調が優れない、Z君が私の言うことを聞かないため家ではイライラして怒鳴ってしまうことがある」と言い、「子育ては私に任せっきりで、夫にZ君のことを相談する時間がない」と涙を浮かべて話し始めた。

【設問】
次のうち、担当保育士の対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを1つ選びなさい。

A  Rさんの体調の悪さ、Z君への対応に苦慮している状況を受容し、Rさんの話を傾聴する。
B  Rさんに、「Z君のことをきちんと理解し、母親としてしっかり受け止めてあげてください」と伝える。
C  Z君の対応に困っているのであれば、専門家に相談できることを伝える。
D  Rさんには伝えずにZ君の父親に連絡し、RさんがZ君の対応に困っているので父親が迎えに来るように伝える。
E  園長や管理職に報告し、RさんとZ君への保育所における対応を協議する。
  • A:○  B:○  C:×  D:○  E:×
  • A:○  B:×  C:○  D:×  E:○
  • A:○  B:×  C:×  D:○  E:○
  • A:×  B:○  C:○  D:○  E:×
  • A:×  B:○  C:×  D:○  E:○

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この過去問の解説 (2件)

01

保護者の方のお悩みやご相談、お話をうかがうときに大切な姿勢についての問いです。

 

選択肢1. A:○  B:○  C:×  D:○  E:×

答えはA:○  B:×  C:○  D:×  E:○ です。

よってこれは×です。

選択肢2. A:○  B:×  C:○  D:×  E:○

答えはA:○  B:×  C:○  D:×  E:○ です。

よってこれは〇です。

 

A  Rさんの体調の悪さ、Z君への対応に苦慮している状況を受容し、Rさんの話を傾聴する。
〇です。

「受容」とは話を聴いて、評価や批判などをせず、まず受け止めるということです。

ここで「傾聴」という単語が出てきました。能動的・積極的に話を「聴く」ことが大切というわけです。


B  Rさんに、「Z君のことをきちんと理解し、母親としてしっかり受け止めてあげてください」と伝える。

×です。

むやみにアドバイスをするのは好ましくありません。

まずは話をしっかり聴きましょう。


C  Z君の対応に困っているのであれば、専門家に相談できることを伝える。

〇です。

園は、心理職など専門家と協力して子どもの保育を行います。


D  Rさんには伝えずにZ君の父親に連絡し、RさんがZ君の対応に困っているので父親が迎えに来るように伝える。

×です。

家族の問題に介入することになり、家庭環境が悪化する可能性があります。

また、Rさんが相談してくださった気持ちを裏切ることになり、保育者や園との信頼関係が崩れてしまうかもしれません。

相談された情報を同意がないのに伝えるのは、守秘義務違反です。


E  園長や管理職に報告し、RさんとZ君への保育所における対応を協議する。

○です。

保育者ひとりで抱えるより、園全体で考えたほうが、よい保育を行えます。

たとえば他のクラスの先生は普段どのように接しているのかなど、話し合えますね。

園で一貫した対応・支援を行うと、子どもも保護者も安心できます。

選択肢3. A:○  B:×  C:×  D:○  E:○

答えはA:○  B:×  C:○  D:×  E:○ です。

よってこれは×です。

選択肢4. A:×  B:○  C:○  D:○  E:×

答えはA:○  B:×  C:○  D:×  E:○ です。

よってこれは×です。

選択肢5. A:×  B:○  C:×  D:○  E:○

答えはA:○  B:×  C:○  D:×  E:○ です。

よってこれは×です。

まとめ

今回の事例で、Rさんは勇気を出して相談してくれました。その気持ちをねぎらいながら、対応していきます。

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02

保育者としての資質が問われる問題です。基本的には、ありのままの姿や気持ちを受け止めることが大切です。

選択肢2. A:○  B:×  C:○  D:×  E:○

A:○ 傾聴とは、ただ【聞く】のではなく、心に寄り添い目と耳で【聴く】ことです。

 

B:× Rさんの気持ちに寄り添った発言ではなく、結果的に追い詰めることになります。

 

C:○ 専門機関との連携も、保育者として大事な役割です。

 

D:× Rさんの意見は個人情報になることから、たとえ家族にでも話すことは適切ではありません。

 

E:○ 保護者支援は、自分ひとりで抱えこまず、管理職に報告相談しましょう。

 

 

以上のことからこの選択肢は正答です。

まとめ

保育現場では、保護者の表情の変化や言動の違和感などに気づける力が、保護者支援につながります。

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