介護福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
発達と老化の理解 問71
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問題
介護福祉士国家試験 第27回(平成26年度) 発達と老化の理解 問71 (訂正依頼・報告はこちら)
老年期の精神疾患(mental disease)と精神症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 老年期うつ病(senile depression)は、若年者のうつ病(depression)と比べて抑うつ気分が軽い。
- アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、脳の器質的変化を伴わない。
- うつ病(depression)等で自殺を試みた高齢者が死に至る率は、若年者の場合と比べて低い。
- せん妄(delirium)は夜間よりも昼間に生じやすい。
- 老年期に発病した統合失調症(schizophrenia)は、妄想型が少ない。
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この過去問の解説 (4件)
01
老年期のうつ病は、抑うつ感よりも、めまい・肩こり・便秘といった身体症状や、被害妄想、もの忘れに似た症状が出ることが多く、病院で初めてうつ病だとわかることも少なくありません。
2:アルツハイマー型認知症は、脳の委縮という器質的変化を伴います。
3:公的機関の調査では、若年者よりも高齢者の自殺の方が死に至る確率が高いとされています。
4:せん妄とは、意識障害によってパニックを起こしている状態を言います。
健康な人なら「寝ぼけている」と言われるような症状です。
5:老年期に発病した統合失調症は、妄想型が中心です。
「ものを盗られた」「家に石を投げ込まれている」など、若年期のものよりも具体的な妄想であることが多く、攻撃的になること多いとされています。
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02
1:高齢期のうつは若年者に比べて症状がそろっていないうつ病の頻度が高く見逃されやすいです。
また、悲哀の訴えが少なく、気分低下やうつ思考が目立たないのが特徴です。
2: 組織や細胞が変形、変性あるいは破壊されていき、元の形に戻らなくなるように変化することを器質的変化といいます。
アルツハイマー型認知症では器質的変化をもたらします。
3:自殺を試みた高齢者が死に至る率(完遂率)は若年に比べ高齢者のほうが高いです。
4:意識レベルが低下する夜に起きやすいのです。
5:高齢者の統合失調症は妄想型が特徴です。
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03
1○:高齢者の方が若年者より、抑うつ気分が軽い場合が多いとされています。そのため、見逃されやすい傾向があり注意が必要です。
2×:認知症とは、一度獲得された知能が後天的な器質的な障害によって持続的に低下した状態を言います。アルツハイマー型認知症は、脳が萎縮する器質的な変化を伴います。
3×:自殺率の約4割が高齢者で、「うつ病」が大きな原因となっています。一方で、若年者は大人と比べて自殺未遂が多い、精神障害との関連性は低いとされています。
4×:せん妄とは、意識障害の一種です。幻覚、不安、不穏、興奮を示す状態のことです。夜間に強く出現をし、不眠で興奮・多動となり、昼間はぼんやりしていることが多いです。
5×:老年期の統合失調症の主な症状は、妄想と幻覚です。
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04
老年期のうつ病は悲哀の訴えが少なく、気分低下やうつ思考が目立たないのが特徴です。
各選択肢については以下のとおりです。
2→脳萎縮がみられます。よって誤りです。
3→高齢者のうつ病で死に至る率は高いです。平成24年の内閣府自殺対策白書に具体的な数字が示されています。参考は以下のURLです。
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2012/pdf/gaiyou/pdf/p28-34.pdf#search='%E8%87%AA%E6%AE%BA%E7%8E%87+%E3%81%86%E3%81%A4%E7%97%85+%E5%B9%B4%E9%BD%A2'
4→日没現象といわれ夕方に悪化するケースや昼夜逆転のケースもあり、夜間の方が多いです。
5→物盗られ妄想のように現実・具体的な妄想が多いです。
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