介護福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
発達と老化の理解 問72
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問題
介護福祉士国家試験 第27回(平成26年度) 発達と老化の理解 問72 (訂正依頼・報告はこちら)
死別直後の遺族の心理に関する次の記述のうち。最も適切なものを1つ選びなさい。
- 周囲からのサポートに関係なく、死別後の生活に適応する。
- 悲嘆の経験は、心身に影響を及ぼさない。
- 悲嘆のプロセスは、多くの人で同じように進む。
- 十分に悲しむことが、悲嘆を乗り越えるために有効である。
- 遺族への心理的ケアは、緩和ケアに含まれない。
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この過去問の解説 (4件)
01
1:死別体験をした高齢者には,その体験を引き出し語らせることが最も有効です。
2:喪失体験とは、近親者などの喪失や死別が原因で、その喪失感ゆえに心のよりどころを失い事実を受け入れられない感情のことです。
3:悲嘆のプロセスは、多くの人で同じではありません。
4:別れに際して、十分に悲しむことで悲嘆を乗り越えて越えていくことができます。
5:遺族の心理的ケアは、緩和ケアに含まれます。
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02
1×:死別後の遺族の悲嘆は、病的なものとなることがあります。そのような時は、生活へ適応するために周囲のサポートが必要となる人もいます。
2×:悲嘆の経験から、精神疾患や身体的な症状に発展することもあります。
3×:悲観のプロセスとは、感情の状態が時と共に変化することです。個人差があります。
4○:悲嘆は、死別後にみられる深刻ではありますが、あくまでも正常な反応と考えられています。乗り越えるためには、十分に悲しみ、悲しみを整理して行く作業が必要です。
5×:緩和ケアには、利用者が亡くなった後の遺族へのケア(グリーフケア)も含まれます。
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03
1:死別後すぐに気持ちを切り替えて生活できる人はそれほど多くはありません。
食事を作る気にもなれない時には誰かがお弁当を買ってきてくれたり、憂鬱な気分で沈み込んでいる時には誰かが気分転換に連れ出したりと、周囲からのサポートを受けることで、徐々に立ち直っていくものです。
2:死別による喪失体験などの悲嘆の経験は、抑うつ感をもたらしたり、便秘や下痢を引き起こしたりと、心身に多少なりとも影響を及ぼします。
3:悲嘆のプロセスは、複数の人や機関が提唱していますがおおむね以下のような進行をたどります。
【1】死別した事実を否定する時期
【2】あの時こうしていれば死ななかったなどという自分や第三者への怒りを向ける時期
【3】死別の事実を認めたくないために「あの時に戻れたら」「この事実をなかったことにしてくれるのなら何でもするのに」などと現実を逃避する時期
【4】死別の事実を少しずつ認めはじめ「自分もあの世へ行きたい」などと抑うつ気分が出てくる時期
【5】死別の事実を受け入れはじめ「あの人の分まで私が生きよう」などと前向きな気持ちを持てるようになる時期
ただしあくまで「おおむね」であり、途中の段階が欠落する、進行具合が行ったり戻ったりすることも少なくありません。
5:緩和ケアとは、利用者本人やその家族の痛みや苦しみを和らげることです。
利用者存命中の家族のストレスを受け止めることも緩和ケアの一つですし、亡くなった後の心理ケアも緩和ケアの一つです。
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04
各選択肢については以下のとおりです。
1.2.3→悲嘆のプロセスは「ショック期」→「喪失期」→「閉じこもり期」→「癒し・再生期」と言われます。順調にこの経過をたどるケースもあれば、喪失期から抜け出せない、閉じこもり期から抜け出せない、その結果うつ病になり、心身に影響を及ぼし、死別後の生活に適応していく以前の問題が生じるというケースもあります。
5→遺族へのケアは緩和ケアに含まれます。WHOの緩和ケアについての定義でも触れられています。以下、抜粋します。
「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に対してきちんとした評価を行い、それが障害にならないように予防したり、対処したりすることでQOLを改善するためのアプローチ」であるとのことです。
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