介護福祉士の過去問 第27回（平成26年度） 障害の理解 問90

◇正解は　５です。

１：21番目の染色体が3本あるために起こる生まれつきの疾患です。
染色体異常による疾患のうち一番頻度の高いものです。

２：原因は完全に解明されていません。
脳内のニューロン・シナプスが脱落し神経細胞が壊れ、脳が萎縮していき、知能、身体全体の機能も衰える病気です。

３：自閉症の原因はまだ特定されていませんが多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳の機能障害が原因と考えられています。

４：統合失調症は、さまざまな刺激を伝えあう脳をはじめとした神経系が障害される慢性疾患です。感情の動きや表現が乏しくなったり、意欲が低下する症状を示すのが統合失調症の陰性症状です。
その他陰性症状には、会話をしていても比喩などの抽象的ないい回しが使えなかったり、理解できなかったりする思考の貧困や自発的に何かを行おうとする意欲がなくなったりいったん始めた行動を続けていくことができなくなる意欲の欠如があります。
　

高次脳機能障害の原因とされる疾患（多い順）
① 脳血管障害；脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など
② 外傷性脳損傷 ；交通事故や転落事故などの際に頭に強い衝撃が加わることで、脳挫傷や脳の神経線維が傷つくものです。
③ その他の原因 ： 脳炎など

正解は5です。
高次脳機能障害は脳の損傷（脳外傷、脳血管障害、脳症、脳炎など）によっておこります。

各選択肢は以下のとおりです。
1→ダウン症は先天性染色体異常です。よって原因疾患ではありません。

2→アルツハイマーでは脳萎縮が起こります。損傷とは違います。よって原因疾患ではありません。

3→自閉症スペクトラム障害は、遺伝、環境、脳機能の異常などさまざまな原因があります。よって原因疾患ではありません。

4→統合失調症は神経系の障害といわれています。よって原因疾患ではありません。

正解は”５”です。

１：ダウン症は、染色体異常を原因とする代表的な疾患であり、不適切です。

２×：高次脳機能障害の原因は、主に脳の損傷です。
アルツハイマー型認知症は、脳の萎縮が主な特徴であり、不適切です。

３×：自閉症スペクトラム障害の原因は、遺伝子の影響や脳の機能障害などと考えられていますが、メカニズムは未だに解明がされていません。何にせよ、脳の損傷とは関係がないために不適切です。

４×：統合失調症は、脳をはじめとした神経系に生じる慢性の疾患です。脳の損傷とは関係がないために不適切です。

５○：高次脳機能障害の原因として、脳血管障害（脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など）、外傷性脳損傷、その他の原因（脳炎・低酸素脳症など）があります。

正解は　5　です。

高次脳機能障害とは、脳梗塞のような脳血管障害や、事故、脳炎などの脳の病気によって脳が損傷して起こる障害です。
一般的に「先天性」のものではなく「後天性」のものを指します。

1：ダウン症は先天性の障害ですし、脳の機能障害ではなく染色体異常が原因であると解明されています。

2：アルツハイマー型認知症は、脳の委縮という病変は見られますが脳が損傷して起こっているわけではありません。

3：自閉症スペクトラム障害は先天性の障害です。原因が完璧に特定されているわけではありませんが、脳の損傷が原因でなく機能的なところに問題があるのではないかと考えられています。

4：統合失調症は、脳の神経伝達が何らかの原因によって障害を起こしてしまう病気です。脳の損傷によって起こるものではありません。