介護福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
総合問題 問118

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問題

介護福祉士国家試験 第27回(平成26年度) 総合問題 問118 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Lさん(45歳、男性)は30歳の頃ころ、統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが、関係が悪く、現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。

精神状態が悪くなると、誰かが襲ってくると思い込み、部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果、部屋のゴミがいっぱいで、Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。
心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が、Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ、区分3と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。
LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが、家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き、「Lさんのいる場所と私がいる場所くらいは作りたい」と伝えた。その結果、Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は、Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。

精神状態が悪くなったときのLさんの症状として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 幻覚
  • 妄想
  • せん妄(delirium)
  • 思考途絶
  • 感情鈍麻

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 2 です。

どれも統合失調症の人に起こりうる症状です。
今回は問題文中の「誰だれかが襲ってくると思い込み」という一文から、Lさんに出ている症状が『妄想』だということがわかります。

1:幻覚とは、部屋の隅の何もない所に女の子が見えると言ったり、傘を人と見間違えたりといった症状のことです。

3:せん妄とは、意識障害の一つです。
いわゆる寝ぼけているような状態です。

4:思考途絶とは、読んで字のごとく思考の途中で考えが止まってしまう状態を言います。
会話の最中で話がぷっつりと途切れてしまったりといった症状が出ます。

5:感情鈍麻とは、感情の動きが著しく低下することを言います。
大好物のご飯を無表情で食べたり、親が亡くなっても何の感情も抱かなかったりといった症状が出ます。

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02

◇正解は 2です。

1:幻覚は、その場にないものを実際にあるように知覚することを言います。
実際には「襲ってくる誰か」は見ていないので幻覚とはいえません。

2:「誰かが襲ってくる」などと事実と異なる事を事実であると確信しており、
説得することの困難な状態が「妄想」です。

3:せん妄は、意識が混濁して、幻覚や錯覚がみられる状態の事で、
大声で騒いだり人を呼んだりすることがあります。

4:思考途絶とは突然、思考の流れが途切れてしまう状態です。
話の途中で突然黙り込んだり、途切れたところから唐突に話し出したりします。

5:感情鈍麻とは、外界に対して無関心で、本来であれば情動変化を引き起こすような刺激を受けても、感情を表すことができない状態を言います。

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03

正解は2です。
問題中に「誰かが襲ってくると思い込み」とあります。実際にはないことを思い込んでいるのですから妄想です。

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