介護福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
こころとからだのしくみ 問102

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問題

介護福祉士国家試験 第30回(平成29年度) こころとからだのしくみ 問102 (訂正依頼・報告はこちら)

Lさん(84歳、男性、要介護4)は、自宅で妻と暮らしている。数日前から妻が体調を崩しているため、短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。利用初日に、介護福祉職が身体の確認をするために着替えを行ったところ、Lさんの腋窩(えきか)と腹部に赤い丘疹(きゅうしん)が見られ、一部に小水疱(しょうすいほう)を伴っていた。強いかゆみを訴えており、手指間には灰白色の線が見られる。
Lさんに考えられる皮膚疾患について、集団生活を送る上で最も注意すべき優先度の高いものを1つ選びなさい。
  • 皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)(asteatotic eczema)
  • 疥癬(かいせん)(scabies)
  • 白癬(はくせん)(tinea)
  • 蕁麻疹(じんましん)(urticaria)
  • 帯状疱疹(たいじょうほうしん)(herpes zoster)

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この過去問の解説 (3件)

01

優先度の高いものは2です。

問題文中の「腋窩と腹部に赤い丘疹」「小水疱」「強いかゆみ」「手指間の灰白色の線」は疥癬の特徴です。ヒゼンダニの寄生によって起こります。

他の選択肢については以下のとおりです。

1.皮脂欠乏性湿疹は皮膚が乾燥し、角質がはがれたようになり、かゆみを伴うのが特徴です。

3.白癬とは、いわゆる「みずむし」のことです。

4.蕁麻疹はかゆみをともなうブツブツが出たり、皮膚が赤くなったりするものですが、数十分から数時間で消えるのが一般的です。

5.帯状疱疹は、神経に沿って帯状に出てくるものでピリピリとした痛みを伴います。

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02

正解は2です。
考えられる疾患の中で、集団生活で最も気を付けなければいけないものは疥癬です。疥癬の疑いがある時点で、居室の隔離、毎日入浴など清潔を保たなければいけません。そして、集団感染が起こる可能性があるので、早期発見、対応に気をつける必要があります。対応した人の把握や同室者にも最新の注意が必要です。

1,皮脂欠乏性湿疹は皮膚の乾燥によって起こるもので、集団感染はしません。
3,白癬はまれにうつることもありますが、触ったあとの手洗いを24時間以内にしっかりするとうつる可能性は少ないです。
4,蕁麻疹では集団感染しません。
5,帯状疱疹で、集団感染は低いですが、帯状疱疹になった人の抵抗力が弱っていますので十分気をつける必要があります。

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03

1.誤
皮脂欠乏性湿疹とは老化あるいはそのほかの要因によって皮脂の量が減り、皮膚のバリア機能が損なわれて乾燥で角質がはがれてしまっている状態のことです。感染症ではないため誤りです。

2.正
疥癬はダニの一種であるヒゼンダニが皮膚に寄生することにより発症します。病院、 老人ホーム、 養護施設などで集団発生の事例があり、選択肢の中では最も優先度が高いです。

3.誤
白癬はいわゆる水虫で外用薬を塗布していれば、他の利用者への感染の可能性は極めて低く、皮膚に付着した場合でも角質層に侵入するまで2,3日は要するため24時間以内に石鹸で洗い流せば感染することはありませんので誤りです。

4.誤
蕁麻疹は食べ物や薬に対するアレルギー反応のほか、運動や暑さ、寒さといった刺激、圧迫や日光などによっても起こりますが人にうつることはないため誤りです。

5.誤
帯状疱疹とはヘルペスウイルスによる感染症で、
帯状に出る皮膚の症状と痛みが特徴です。帯状疱疹として人にうつることはないため誤りです。

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