介護福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問13 (社会の理解 問7)

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問題

介護福祉士試験 第36回(令和5年度) 問13(社会の理解 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

(注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
  • 法の対象者は、身体障害者手帳を交付された者に限定されている。
  • 合理的配慮は、実施するときの負担の大小に関係なく提供する。
  • 個人による差別行為への罰則規定がある。
  • 雇用分野での、障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。
  • 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。

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この過去問の解説 (3件)

01

障がい者の権利擁護を目的とした、障害者差別解消法に関する問題です。

選択肢1. 法の対象者は、身体障害者手帳を交付された者に限定されている。

× 対象者は単に身体障がい手帳を所持している方ではなく、知的障がいの方、精神障がいの方、その他、身体・精神・知的の障がいの枠におさまらないが、日常生活や社会生活に相当な制限を受ける人も対象となり、広い範囲の方が含まれます。

選択肢2. 合理的配慮は、実施するときの負担の大小に関係なく提供する。

× 合理的配慮は障がいを持つ方の特性に合わせて行う配慮です。例えば始業時間や休憩時間が決まっている企業でも、障がいにより長時間働く事ができない場合、労働時間を柔軟に変更する事が挙れます。

選択肢3. 個人による差別行為への罰則規定がある。

× 個人への差別をした事で直ちに罰則を受けることはありません。しかし、秘密保持義務に違反した、監督庁から指導を受けていたのに改善が見られない場合は罰則があります。

選択肢4. 雇用分野での、障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。

× 雇用分野による差別的な関わりを禁止するだけではなく、障がい者差別への普及啓発や、障がい者の権利侵害を防ぐことも目的としています。

選択肢5. 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。

〇 設問の通り障害者差別解消法は、障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定されました。

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02

障害者差別解消法は、2013年に制定、2016年に施行された共生社会の実現を目指し、差別解消を推進するための基本的事項を定めた法律です。

国・地方公共団体の責務として、差別解消推進に必要な施策の策定や実施を義務付けています。

また、国民に対しての責務としては差別解消に寄与する努力義務を課しています。

選択肢1. 法の対象者は、身体障害者手帳を交付された者に限定されている。

不正解です。

障害者差別解消法は障害手帳を持っている人だけではなく、障害や社会の仕組みによって、日常生活や社会参加に制限を受けている人の全てを対象にしています。

選択肢2. 合理的配慮は、実施するときの負担の大小に関係なく提供する。

不正解です。

合理的配慮は障害のある人が社会生活に平等に参加できるよう、特性や困り事に合わせて行われる配慮です。

負担の大小は考慮されます。

選択肢3. 個人による差別行為への罰則規定がある。

不正解です。

罰則規定は行政機関や地方公共団体、民間事業者を対象にしています。

個人の言論や思想は対象にしていないため、罰則は定められていません。

選択肢4. 雇用分野での、障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。

不正解です。

障害者差別解消法は、国民が障害の有無にかかわらず、相互に尊重し合い、対等な立場で共生する社会の実現を目的としています。

選択肢5. 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。

正解です。

障害者基本法は、障害者の自立と社会参加を支援するための基本原則を定めています。

これに基づき、障害者基本計画を策定していった中で、障害者差別解消法が誕生しています。

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03

障害者差別解消法は障害を理由とせず、障害者と健常者が共に人格と個性を尊重し合いながら、格差の無い社会の実現に向けて定められた法律です。

選択肢1. 法の対象者は、身体障害者手帳を交付された者に限定されている。

×

身体障害者手帳を持つ人に限定されません。この法律の対象者は、日常生活や社会生活に制限を受ける人全般が対象です。

選択肢2. 合理的配慮は、実施するときの負担の大小に関係なく提供する。

×

「負担の大小に関係なく」は誤りです。

 

合理的配慮では障害者が社会参加できるよう調整や変更を行います。ただし、「多額の費用がかかる人員」「技術的に不可能」「他者に著しく影響が出る」など、合理的に見て難しい時には「過重な負担」と判断し、免除されます。

選択肢3. 個人による差別行為への罰則規定がある。

×

差別行為への罰則規定はありません。この法律は差別を防止し合理的配慮の促進が目的であり、啓発や話し合い・改善の努力を基本としています。

選択肢4. 雇用分野での、障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。

×

この法律は「虐待の禁止」が真の目的ではありません。格差の無い社会の実現に向けて定められた法律です。そのため、この設問は不適切です。

選択肢5. 障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。

障害者基本法は「障害のある者、ない者が共に生きる社会」の理念があります。障害者基本法が「理念の法律」であるのに対し、障害者差別解消法は「具体的に理念を実現するために制定された法律」といえます。

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