介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
認知症の理解 問8
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問題
介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 認知症の理解 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
バリデーション(validation)に基づく、認知症(dementia)の人の動きや感情に合わせるコミュニケーション技法として、正しいものを2つ選びなさい。
- センタリング(centering)
- リフレージング(rephrasing)
- レミニシング(reminiscing)
- ミラーリング(mirroring)
- カリブレーション(calibration)
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この過去問の解説 (3件)
01
バリデーション(validation)とは、アルツハイマー型認知症や、それに類似する認知症を患っている方とのコミュニケーションをとる方法をのことを指します。
認知症の方の言動や行動を意味のあること捉え、認め、受け入れることをいいます。
×ːセンタリング(centering)とは、介護現場において、「介護する側が精神を集中させること」を意味します。
「人の動きや感情に合わせる」には当てはまらないので、適切ではありません。
×ːリフレージング(rephrasing)とは、認知症の方の発した言葉に対し、重要だと思われる言葉をそのまま繰り返すことを意味します。
「人の動きや感情に合わせる」には当てはまらないので、適切ではありません。
×:レミニシング(reminiscing)とは、昔話・回想法のことです。
「人の動きや感情に合わせる」には当てはまらないので、適切ではありません。
〇ːミラーリング(mirroring)とは、認知症の方と目線を同じ高さに合わせ、その方の表情や動作をコピーするという意味です。
ミラーリングを行うことで、感情を分かちあう効果が期待されているので、適切です。
〇ːカリブレーション(calibration)とは、認知症の方の身体で感情が表れている部分を観察し、一致させていくことを意味します。
相手の表情や呼吸のペース、姿勢などを真似するので、適切です。
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02
認知症利用者と関わる技法である、バリデーション(validation)に関する問題です。バリデーションとは認知症の方と関わるときに求められる態度や心構え、考え方になります。今では当たり前となった、共感、受容などはバリデーションの考え方の中心になります。発案者は1963年にアメリカのソーシャルワーカーであったナオミ・フェイル氏によるもので、認知症利用者と関わるための具体的な行動指針と言えます。
× センタリングとは、バリデーションを行う際に、介護側が実践する方法の事で、好きな音楽を聴く、深呼吸するなどリラックスする事で、集中力を高める方法の事です。
× リフレージングとは相手に共感しながら同じ言葉を反復する方法です。相手が寂しい気持ちの時は、声のトーンを抑えるようにします。
× レミニシングとは、昔にしていた仕事や生育歴、趣味活動などを聴くことで、相手の気持ちが前向きになる方法です。
〇 ミラーリングとは相手の表情や声の調子を合わせる事です。共感を持ちながら行う事で信頼感を獲得する事ができます。
〇 カリブレーションとは共感する意味で選択肢としては一番近い内容です。しかし、バリデーション自体が共感をベースに作られた考え方なので、「カリブレーション」が正答である事に困惑した方も多くいらっしゃったかと思われます。
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03
認知症ケアの技法のひとつであるバリデーションについての問題です。
バリデーションは、共感的に関わることで認知症の方のストレスや不安を軽減する技法です。
認知症ケアは、バリデーションの他にも
・認知症の方の「その人らしさ」「自分らしさ」を重視する「パーソン・センタード・ケア」
・知覚・聴覚・触覚などを用いたコミュニケーションに基づく「ユマニチュード」
などがあります。
その違いなどは知っておくようにしましょう。
不正解です。
センタリングとは、介護者の心を落ち着かせるための技法です。
不正解です。
リフレージングとは認知症の方の言葉で、重要と思われる言葉をそのまま繰り返す技法です。
不正解です。
レミニシングとは、過去の思い出話をしてもらう回想法のひとつです。
正解です。
ミラーリングは真正面で向き合い、相手の動作や話し方、姿勢、表情などを鏡のように真似ることで共感を生み、コミュニケーションをスムーズに行っていくための技法です。
正解です。
カリブレーションは、認知症の方の表情や姿勢、感情などを観察し、真似することで共感し、あるがままを認めて受容するコミュニケーション技法です。
本来、介護福祉士試験には2択はないのですが、選択肢が不適切で正解が2つになったようです。
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