介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
認知症の理解 問9

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 認知症の理解 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

Mさん(80歳、女性、要介護1)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であり、3日前に認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。
主治医から向精神薬が処方されている。
居室では穏やかに過ごしていた。
夕食後、表情が険しくなり、「こんなところにはいられません。私は家に帰ります」と大声を上げ、ほかの利用者にも、「あなたも一緒に帰りましょう」と声をかけて皆が落ち着かなくなることがあった。
Mさんの介護を検討するときに優先することとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • Mさんが訴えている内容
  • Mさんの日中の過ごし方
  • ほかの利用者が落ち着かなくなったこと
  • 対応に困ったこと
  • 薬が効かなかったこと

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この過去問の解説 (2件)

01

認知症の方が訴える内容には必ず何かの理由があります。夕方に帰りたいという方は、夕方になると家族が帰ってくるので、ご飯の支度をしなければならないなど、昔から過ごしてきた生活が馴染んでいる状態です。無理に止めることは相手を興奮させる原因に繋がるため、相手が納得できる上手な声掛けが求められます。

選択肢1. Mさんが訴えている内容

〇 Mさんがなぜ他の利用者と一緒に帰りましょうと言っているのか理由があるはずです。認知症は過去を生きる人です。相手の生活歴をアセスメントする事でヒントが見えてきます。理由が分かれば相手が納得できる言葉を伝えるだけです。

選択肢2. Mさんの日中の過ごし方

× 日中の過ごし方も大事ですが、Mさんの介護を検討するときに優先して話し合う事ではないでしょう。例えばMさんが夜間不眠で睡眠リズムが崩れている場合は日中の過ごし方を検討したほうが良いでしょう。

選択肢3. ほかの利用者が落ち着かなくなったこと

× Mさんの言動が原因で他利用者が不穏になったかも知れませんが、Mさんが落ち着いて過ごす事ができれば解決します。まずは、Mさんがどうすれば落ち着いて、穏やかに過ごせられるか検討しましょう。

選択肢4. 対応に困ったこと

× 対応に困った事をよりは、なぜMさんが帰りたいか検討する方が優先でしょう。課題を解決するときは、常に利用者さんが答えを持っています。Mさんの様子を観察し、アセスメントする事が優先されます。

選択肢5. 薬が効かなかったこと

× 薬を使用するのは、介護職員で対応出来ない場合など、最小限に留めるべきです。薬を使って意識低下させる事はできるかもしれませんが、はたしてMさんのQOL(生活の質)は向上しているでしょうか。Mさんの訴えに耳を傾け、介護方法を検討する事が優先になると思われます。

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02

アルツハイマー型認知症であるMさんは、3日前にグループホームに入居したことで、居住地が変わりました。

こういった環境の変化は、認知症の方に大きな負担を与え、混乱を招きます。

Mさんの気持ちに寄り添い、不安を解消してあげるのが最優先事項になります。

選択肢1. Mさんが訴えている内容

〇ː本文にある通り、3日前にグループホームに入居したばかりで、まだ落ち着かない状況が続いているはずです。

Mさんの不安を解消するためにも、本人の訴えに耳を傾けることが必要です。

選択肢2. Mさんの日中の過ごし方

×ː日中は穏やかであっても、夕方には不安になるということもアルツハイマー型認知症の方にはよくあります。

特に不安な状態の時に寄り添ってあげることが必要になるため、適切ではありません。

選択肢3. ほかの利用者が落ち着かなくなったこと

×ː今回のケースにおいて、もっとも重要なのはMさんの状態を落ち着かせることです。

そのため、適切ではありません。

選択肢4. 対応に困ったこと

×ːMさんは「こんなところにはいられません。私は家に帰ります」と大声を上げています。

こういったMさんの訴えに対して、丁寧に寄り添ってあげることが重要になってくるので、適切ではありません。

選択肢5. 薬が効かなかったこと

×ː【主治医から向精神薬が処方されている。】とありますが、今回のケースにおいてはMさんの居住環境が大きく変化したことが原因である可能性が高いので、適切ではありません。

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