介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
認知症の理解 問10

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 認知症の理解 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(80歳、男性、要介護1)は、認知症(dementia)で、妻の介護を受けながら二人で暮らしている。
「夫は昼夜逆転がある。在宅介護を続けたいが、私が体調を崩し数日間の入院が必要になった」と言う妻に提案する、Aさんへの介護サービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
  • 特定施設入居者生活介護
  • 介護老人福祉施設

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この過去問の解説 (3件)

01

施設入所に関して、考え方は十人十色です。問題の内容だけを読んで判断するのであれば、妻が数日間の入院が必要であり、その間主たる介護者が不在である、そのため期間限定の入所サービスが必要と判断できるので、ショートステイ利用が最も適切だと判断できるでしょう。

選択肢1. 認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)

× 認知症対応型通所介護は認知症の方でも安心して通えるデイサービスですが、夕方にはサービスが終わり自宅に戻ります。よって、主たる介護者が不在の中、本人1人で夜を過ごす事になるため、選択肢は誤りです。

選択肢2. 短期入所生活介護(ショートステイ)

〇 短期入所生活介護は1泊2日から利用できるお泊りサービスです。介護者不在の間でも施設介護ができる事、長期間施設利用しないので、本人のADLが低下しづらい事が特徴として挙げられます。

選択肢3. 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

× 認知症対応型共同生活介護とは、施設入所サービスです。よって、長期間施設で生活する事が前提になるので、Aさんの場合は不適当と考えられています。

選択肢4. 特定施設入居者生活介護

× 特定施設入所者生活介護とは、サービス付き高齢者住宅、ケアハウスなどで利用できる施設入所サービスです。よって、長期間施設で生活する事が前提になるので、Aさんの場合は不適当と考えられています。

選択肢5. 介護老人福祉施設

× 介護老人福祉施設とはいわゆる特別養護老人ホームなどに代表される施設入所サービスです。よって、長期間施設で生活する事が前提になるので、Aさんの場合は不適当と考えられています。

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02

妻の介護を受けながら二人で暮らしているAさんに対し、施設への入所を提案するのは適切ではありません。

妻が退院後、また元の生活に戻れるような提案を行うのが適切だと考えられるため、短期間でのショートステイを提案するのが適切です。

選択肢1. 認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)

×ːAさんは認知症を患っており昼夜逆転があるため、通所介護だと夜間の生活に心配が残ります。

そのため、適切ではありません。

選択肢2. 短期入所生活介護(ショートステイ)

〇ːAさんの妻が入院中の間のみ、ショートステイを利用ことを提案することで、適切な食事や生活の対応が可能になります。

選択肢3. 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

×ːAさんは介護1で妻の支援により在宅で生活できているため、適切ではありません。

選択肢4. 特定施設入居者生活介護

×ː適切ではありません。

選択肢5. 介護老人福祉施設

×ːAさんは介護1なので対象外です。

参考になった数6

03

施設ごとの特徴を問われる問題です。

Aさんの状態と特に「在宅介護を続けたい」「数日間の入院が必要」といった奥様の声に合わせて要望に合わせた最適な施設を提案しましょう。

 

選択肢1. 認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)

不正解です。

 

認知症対応型通所介護は、認知症の進行を予防し、自立した日常生活を支援することを目的とした施設です。

通所介護とある通り、通いの日帰りが基本です。

「数日間の入院が必要」といった奥様のご要望にあった提案ではありません。

選択肢2. 短期入所生活介護(ショートステイ)

正解です。

 

短期入所生活介護は、介護が必要な方に対して、入浴や食事、機能訓練などを提供する短期間の泊り施設です。

30日間まで対応でき、家族の介護負担の軽減にも利用できます。

「在宅介護を続けたい」が、「数日間の入院が必要」といった状況には最適な提案です。

選択肢3. 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

不正解です。

 

認知症対応型共同生活介護は、認知症の方がグループホームに入所し、最大9人の少人数の利用者で小規模で家庭的な生活をしながら介護サービスを受けることができる施設です。

ショートステイの受け入れをしている施設もありますが、この問題の場合「短期入所生活介護」を選択するのが最適なため不正解になります。

選択肢4. 特定施設入居者生活介護

不正解です。

 

特定施設入居者生活介護は、入所することで生活上の介護や支援を受けることができる施設で、有料老人ホームや軽費老人ホームがそれにあたります。

ショートステイの受け入れをしている施設もありますが、この問題の場合「短期入所生活介護」を選択するのが最適なため不正解になります。

選択肢5. 介護老人福祉施設

不正解です。

 

介護老人福祉施設は、社会福祉法人や地方自治体などが運営する公的な介護施設です。

介護保険法が根拠となっていて、老人福祉法上では特別養護老人ホームと呼ばれ、サービス内容は同じです。

基本的に入居条件は要介護3以上になるため、要介護1のAさんには不適切です。

また、ショートステイの受け入れをしている施設もありますが、この問題の場合「短期入所生活介護」を選択するのが最適なため不正解になります。

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