介護福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問96 (生活支援技術 問17)

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 問96(生活支援技術 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

介護福祉職が行うことができる、市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器(かんちょうき)を用いた排便の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 浣腸液(かんちょうえき)は、39℃~40℃に温める。
  • 浣腸液(かんちょうえき)を注入するときは、立位をとるように声をかける。
  • 浣腸液(かんちょうえき)は、すばやく注入する。
  • 浣腸液(かんちょうえき)を注入したら、すぐに排便するように声をかける。
  • 排便がない場合は、新しい浣腸液(かんちょうえき)を再注入する。

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この過去問の解説 (3件)

01

市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いて浣腸することは、医療行為の規制対象にする必要がないと考えられている医療行為のため、介護職が実施可能です。

ただし、医療行為であるため、使用方法等を誤ると危険な行為になりかねません。

 

選択肢1. 浣腸液(かんちょうえき)は、39℃~40℃に温める。

正解です。
一般的に直腸温は37.5~38℃くらいです。浣腸液の温度を、これより高くすることで腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促すことにつながります。
高すぎると刺激が強すぎて炎症を起こす危険性があり、低すぎると、腸壁の毛細血管を収縮させて血圧を上昇させたりする危険性があります。

選択肢2. 浣腸液(かんちょうえき)を注入するときは、立位をとるように声をかける。

不正解です。

立位では肛門の緊張が高くなり、直腸に傷をつけてしまう可能性があります。

ベッドに臥床し左側臥位の状態が肛門から直腸がまっすぐになりスムーズに入りやすくなりるため最適です。

選択肢3. 浣腸液(かんちょうえき)は、すばやく注入する。

不正解です。

浣腸液をすばやく注入すると、刺激で排便反射が起こり、液だけが排泄されてしまいます。

選択肢4. 浣腸液(かんちょうえき)を注入したら、すぐに排便するように声をかける。

不正解です。

すぐに排便すると、浣腸液だけが出てしまう場合があります。

3~10分ほど我慢してもらうことで、浣腸液が便に浸透して硬い便を柔らかくします。

選択肢5. 排便がない場合は、新しい浣腸液(かんちょうえき)を再注入する。

不正解です。

過剰に注入すると副作用などもあるため危険です。

医師に報告相談を検討しましょう。

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02

市販されている浣腸器を用いた浣腸は、規定があるので規定内のものであれば介護職員でも介助を行うことができます。

また浣腸にも使用上の注意や体位などといった留意しておく点があるので、しっかりと確認しておくことが必要です。

選択肢1. 浣腸液(かんちょうえき)は、39℃~40℃に温める。

正解です。

浣腸液は体温に近い39~40℃まで温めてから使用します。

選択肢2. 浣腸液(かんちょうえき)を注入するときは、立位をとるように声をかける。

不正解です。

浣腸液を注入するときは、左側を下にして横になった状態(左側臥位)になってもらうようにします。

選択肢3. 浣腸液(かんちょうえき)は、すばやく注入する。

不正解です。

速く注入すると液剤が漏れ出たり腹痛を起こすことがあるため、様子を見ながらゆっくり注入します。

選択肢4. 浣腸液(かんちょうえき)を注入したら、すぐに排便するように声をかける。

不正解です。

浣腸には薬液の作用で腸壁に刺激を与えて排泄を促すといった効果があります。

注入後すぐに排便すると液剤だけが体外に出てしまい効果が薄れてしまうため、3~10分を目安に排便を我慢するよう声かけすることが適切です。

選択肢5. 排便がない場合は、新しい浣腸液(かんちょうえき)を再注入する。

不正解です。

浣腸液は一度の使用量が決まっています。

注入後に液漏れが分かった場合でも自己判断せず、医療従事者から指示をもらい対処することが適切です。

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03

浣腸は、排便を促すことはできますが、

身体に負担を与えることもあるので

適切な使用方法を理解しましょう。

選択肢1. 浣腸液(かんちょうえき)は、39℃~40℃に温める。

正解です。

 

直腸の温度は一般的に38度くらいで、それより少し温度が高いくらいが

心地よく感じられます。

 

温度が高すぎると刺激が強すぎ、

逆に温度が低すぎると、血圧を上昇させたり、腸痙攣(けいれん)などを

起こす危険性があります。

選択肢2. 浣腸液(かんちょうえき)を注入するときは、立位をとるように声をかける。

間違いです。

 

立位では腸が下に落ちることから、

浣腸器の先端が直腸を傷つけるリスクが高まります。

左側臥位で注入することが望ましいです。

選択肢3. 浣腸液(かんちょうえき)は、すばやく注入する。

間違いです。

 

素早く注入すると、直腸に負担がかかります。

浣腸に限らず、体内に何かを入れるときは

ゆっくりすることが望ましいです。

選択肢4. 浣腸液(かんちょうえき)を注入したら、すぐに排便するように声をかける。

間違いです。

 

浣腸は注入後、即座に排便が出るものではありません。

5分ほど経過してから効果がみられることが多いです。

便意を感じてからトイレに行くか、

5分経過してからトイレ誘導することになります。

選択肢5. 排便がない場合は、新しい浣腸液(かんちょうえき)を再注入する。

間違いです。

 

浣腸液は使用量が決まっていて、

過剰に注入すると下痢になるリスクが高まります。

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