介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
生活支援技術 問16
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問題
介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 生活支援技術 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
夜間、自宅のトイレでの排泄(はいせつ)が間に合わずに失敗してしまう高齢者への介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 水分摂取量を減らすように勧める。
- 終日、リハビリパンツを使用するように勧める。
- 睡眠薬を服用するように勧める。
- 泌尿器科を受診するように勧める。
- 夜間は、ポータブルトイレを使用するように勧める。
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この過去問の解説 (2件)
01
尿失禁の種類には、切迫性、腹圧性、溢流性、機能性、反射性の5種類に分かれています。
問題では、「夜間のトイレに間に合わない」ということから機能性尿失禁であり、下肢機能の低下などにより、移動に問題があると考えることができます。
不正解です。
高齢者は、体内の水分量が減少しており、喉の渇きにも気が付きにくいなど、脱水症状におちいりやすくなっています。
むやみな水分制限は不適切です。
不正解です。
問題では、夜間のトイレに間に合わないとあります。
日中に問題はないため、終日のリハビリパンツは不適切ですし、尿意を感じているが間に合わない状態のため、間に合う手段を助言することが優先です。
不正解です。
問題の解決にならないですし、睡眠薬を飲むことで、足元が不安定なるなどして転倒のおそれがあります。
不正解です。
夜間のトイレが間に合わないということだけで、受診を勧めることは不適切です。
正解です。
夜間のトイレに間に合わないといことから、移動の課題があると考えることができます。
夜の間だけはポータブルトイレをベッドの近くに置くことで、移動距離が少くなり、トイレに間に合う可能性があります。
生活支援技術の分野ではありませんが、尿失禁の種類として以下の5つは覚えておきましょう
切迫性尿失禁
尿をためる機能に障害があり、尿意を感じてからトイレまで我慢できずにもらしてしまう
腹圧性尿失禁
くしゃみなど腹圧がかかることで尿がもれてしまう
溢流性尿失禁
前立腺肥大などで尿道が割く狭窄し、排尿困難によって残尿があることであふれるようにもれる
機能性尿失禁
認知症により場所や使用方法が分からなくなったり、下肢の運動機能低下などにより、トイレに間に合わない。
反射性尿失禁
膀胱に尿が溜まっても、尿意を感じられず、反射的にもれてしまう
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02
夜間の排泄の失敗には睡眠の状態や持病、夜間頻尿など色々な原因によって起こることがあります。
尿失禁にも身体的に何を要因とするのか、状況を把握した適切な助言を選んでいきましょう。
不正解です。
水分の摂りすぎや利尿作用のあるカフェインや酒類の摂取は良くありませんが、水分摂取量を減らすことは脱水症状などを起こす原因になるので適切ではありません。
不正解です。
終日トイレに間に合わないといった話は出ていないので適切な助言にはなりません。
不正解です。
夜間の排泄が睡眠の妨げになっているといった話が出ているわけではないので、睡眠薬の服用は関係ありません。
不正解です。
尿が出にくかったり、急な強い尿意があるといった排尿機能の問題があれば泌尿器科に受診することも考えなければいけませんが、この問では該当しません。
正解です。
排泄に疾患や問題のない高齢者が夜間のトイレに間に合わないことは、身体機能の低下から尿意に気づいてからトイレに行くまでに時間がかかってしまうことが原因となっている可能性が高いです。
この場合、夜間は寝室にポータブルトイレを置き様子をみることが適切です。
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