介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問61 (医療的ケア 問3)
問題文
次の記述のうち、介護福祉士が行う口腔内(こうくうない)の喀痰吸引(かくたんきゅういん)の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問61(医療的ケア 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、介護福祉士が行う口腔内(こうくうない)の喀痰吸引(かくたんきゅういん)の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 吸引圧は、利用者の体調によって介護福祉士が決める。
- 吸引圧をかけた状態で、吸引チューブを挿入する。
- 口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
- 吸引チューブを回転させながら痰(たん)を吸引する。
- 吸引後は洗浄水を吸引し、清浄綿でチューブを拭く。
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この過去問の解説 (3件)
01
口腔内の喀痰吸引は、介護福祉士が医師の指示のもと、安全に行う必要があり、粘膜損傷や感染のリスクを最小限に抑えるために正しい手技が求められます。
×
吸引圧は、あらかじめ医師の指示や施設の手順書で決められています。介護福祉士が独自に判断して吸引圧を変更することは認められていません。
×
吸引チューブを挿入するときは、吸引圧をかけずに口腔内へ入れます。圧をかけたまま挿入すると、口腔内粘膜を傷つける可能性があります。
×
口蓋垂の奥までチューブを挿入する必要はなく、かえって嘔吐反射や粘膜損傷を引き起こす危険があります。
〇
チューブを軽く回転させたり、動かしながら吸引することで、粘膜への吸着を防ぎ、効率的に痰を除去できます。
また、吸引後はチューブ内の洗浄を行い、衛生管理を徹底することも大切です。
×
吸引後は洗浄水を吸引してチューブ内部を洗浄するのは正しいですが、チューブの外側は通常消毒や交換を行います。
まとめ
喀痰吸引は、安全で確実に痰を除去するために、手順や方法に細心の注意が求められます。
誤った手技は、粘膜損傷や感染のリスクを高めるため、正しい知識が必要です。
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02
介護職員が痰吸引を行うには2つ条件があります。
一つ目の条件は
介護福祉士や介護職員等が所属する事業者が
登録喀痰吸引等事業者であることです。
二つ目の条件は、
喀痰吸引等制度において介護福祉士の資格を持つ者、あるいは一定の研修を修了し、
都道府県知事に認定された「介護職員等」であることです。
喀痰吸引等研修は、実施行為と対象者により、
第1~3号研修に分けられています。
・第1号研修
:不特定多数の利用者に対し、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の吸引が実施できる
・第2号研修
:不特定多数の利用者に対し、口腔内・鼻腔内のみの吸引が実施できる
・第3号研修
:在宅療養中の重度障がい者など、特定の利用者を対象とし、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の吸引が実施できる
×:誤りです。
吸引圧を介護福祉士は決めるということはありません。
医療従事者が決めた吸引圧に従います。
一般的に推奨される吸引圧は
成人で100~150mmHg(約13.3~20.0kPa)程度とされることが多く、
吸引圧が強すぎると、口腔内、咽頭や気管などを傷つけたり、
酸素が不足するリスクがあります。
尚、挿入前に吸引圧の設定を行い、
チューブを折り曲げて吸引器のメモリを確認します。
×:誤りです。
吸引チューブには先端とその側面に穴が開いているため、
吸引圧がある状態(チューブから吸引している状態)で挿入すると、
側面の穴が口腔内やその他の器官の壁に張り付いてしまいます。
従って、吸引チューブの挿入時は、チューブを指で折り曲げるなどして
吸引圧がない状態で挿入します。
×:誤りです。
口蓋垂は、のどの奥、扁桃の間に垂れ下がっていて、
いわゆる「のどちんこ」と呼ばれるものです。
厚労省の一次資料にある喀痰吸引等研修テキストに、
「介護職の吸引できる範囲は、鼻腔内、および口腔内までで、
その奥にある咽頭は鼻腔からの空気と口腔からの食べ物の通り道で、
痰がたまりやすい場所ではあるが、介護職員が吸引をする範囲ではない」
とされています。
また、気管カニューレがある場合は、カニューレ内のみです。
○:正しいです。
吸引チューブには先端と側面に穴が開いていて、
チューブを回転させながら側面の穴を360度に向けて
痰を吸います。
回転させないと、同じ壁面の所しか吸引できません。
×:誤りです。
清浄綿でチューブを拭くのは正しいですが、
洗浄水を吸引する必要はありません。
水道水(滅菌不要)を吸引しチューブ内を洗浄する対応で十分です。
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03
正解は「吸引チューブを回転させながら痰(たん)を吸引する」です。
吸引の際は、指をゆっくりこするようにチューブを回転させると、圧が分散して効率的に吸引が行えます。
ちなみに、吸引の時間は10〜15秒が目安です。
不適切
吸引圧は体調だけでなく、年齢や吸引部位などによって異なるので不適切となります。
不適切
吸引圧をかけたままチューブを挿入すると、粘膜を傷つけてしまう恐れがあるので不適切となります。
不適切
口蓋垂は「のどちんこ」のことです。
口蓋垂にチューブが当たると嘔吐反射や咳を誘発してしまうので、不適切となります。
適切
吸引チューブを回転させると、吸引圧を分散させられるので、粘膜を傷つけることなく効率的に行えます。
なので選択肢の中では最も適切となります。
不適切
吸引後は、アルコール綿でチューブの外側を拭き、洗浄水を吸引して内側を洗浄するのが望ましいので、不適切となります。
今回は口腔内(こうくうない)の喀痰吸引(かくたんきゅういん)に関する問題でした。
喀痰吸引の決まりや注意点をしっかり覚えておく必要があります。
自宅でも実際の現場を想定して何度も復習し体で覚えておきましょう。
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