介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問63 (医療的ケア 問5)
問題文
Aさん(80歳、女性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)があり、介護老人保健施設に入所して在宅復帰に向けた訓練をしている。嚥下障害(えんげしょうがい)もあるため、経鼻経管栄養による栄養摂取をしているが、経口摂取できないことでイライラしてチューブを抜去したことがある。
医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。
経管栄養中に介護福祉士が訪室すると、チューブを触りながら、「自分の口から食べたいから、このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し、チューブが抜けていないことを確認してもらった。
このときのAさんへの介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。
経管栄養中に介護福祉士が訪室すると、チューブを触りながら、「自分の口から食べたいから、このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し、チューブが抜けていないことを確認してもらった。
このときのAさんへの介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問63(医療的ケア 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(80歳、女性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)があり、介護老人保健施設に入所して在宅復帰に向けた訓練をしている。嚥下障害(えんげしょうがい)もあるため、経鼻経管栄養による栄養摂取をしているが、経口摂取できないことでイライラしてチューブを抜去したことがある。
医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。
経管栄養中に介護福祉士が訪室すると、チューブを触りながら、「自分の口から食べたいから、このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し、チューブが抜けていないことを確認してもらった。
このときのAさんへの介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。
経管栄養中に介護福祉士が訪室すると、チューブを触りながら、「自分の口から食べたいから、このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。看護師に連絡し、チューブが抜けていないことを確認してもらった。
このときのAさんへの介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- チューブを抜かないようにAさんの右手を固定する。
- 経管栄養が早く終わるように滴下速度を調節する。
- 医師や看護師にAさんの思いを伝える。
- Aさんに胃ろうの造設を提案する。
- Aさんに経口摂取を提案する。
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この過去問の解説 (3件)
01
Aさんは以下の状況です。
・脳梗塞の後遺症で左片麻痺があり、施設で在宅復帰に向けたリハビリ中
・嚥下障害がありため、経鼻経管栄養による栄養摂取
・経口摂取ができないことへの強い不満・ストレスがあり過去にチューブを抜去したことがある
・「自分の口から食べたい。チューブを抜いてほしい」と訴えあり
介護福祉士は、本人の意思を尊重し、チームにつなぐ役割があることがポイントです。
×
身体拘束は原則禁止されています。
「緊急性」「一時性」「やむを得なさ」の3条件が必要です。したがって、チームで検討し記録・計画を立てる必要があります。
×
滴下速度の調節は医療行為です。介護福祉士が調節することは職務範囲を超えています。
〇
介護福祉士は、本人の意思や希望を尊重し、これを医療チームに伝えてチームケアに反映させる役割があります。
チームで話し合い、改めて嚥下機能の評価を行ったり、経口摂取への可能性を検討するきっかけを作れます。
×
胃ろうの造設は医療行為の一環であり、医師が医学的評価を行った上で提案・説明すべきことです。
また、Aさんの「口から食べたい」という希望とは一致していません。
×
経口摂取は、嚥下障害の状態やリスクを医師・言語聴覚士などの専門職が評価し、計画を立てた上で実施するものです。
計画なしに提案すると、誤嚥や窒息のリスクにつながります。
まとめ
本人の希望を尊重し、チームケアに生かし、安全かつ適切な方法でQOLの向上を目指すことが求められます。
介護福祉士の職務範囲を守り、適切な連携・報告を心がけましょう。
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02
Aさんの健康を守るための医療処置と、
Aさんのニーズを満たすためのケアとで、
ジレンマに陥っている状態です。
実際の介護の場面でもあり得ることで、
介護職がどのように行動するべきかを
今のうちにしっかりと考えておきましょう。
×:誤りです。
右手の固定は身体拘束です。
身体拘束を行うには、
身体拘束廃止委員会(老健での設置義務有)などで
①緊急性 ②一時性 ③非代替性
の3要件を満していると判断する必要がある、などの条件があります。
介護職の一存で行えるものではありません。
×:誤りです。
経管栄養の滴下速度は、
医師が本人の状態を鑑みて決めています。
介護職の判断で調節することはありません。
○:正しいです。
健康面、医療面だけでなく、見た目なども気にしているという
Aさんの思いを伝えることで、
AさんのQOL(生活の質)を最大限に高めるための、
より良いケアに発展する可能性があります。
平成14年4月に厚生労働省社会・援護局福祉基盤課が示した
福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針
~利用者の笑顔と満足を求めて~
の総論2-(3)において、
「自由」か「安全」かという二者択一ではないとも示されています。
・経鼻経管栄養を外したい:自由
・経鼻経管栄養を継続する:安全
どちらかを選ぶという二者択一ではなく、
「外してみて一度食事をチャレンジみて、誤嚥をするようであれば再挿入する」
などの新たな選択肢も考えていきましょうという考え方です。
×:誤りです。
胃ろう造設の提案は、医師から行うべきものです。
介護職から提案するものではありません。
また、経鼻経管栄養が一時的な治療であることも
事例に示されていて、長期利用での使用を想定している
胃ろうそのものがAさんの現状にそぐわないと考えられます。
×:誤りです。
経口摂取を目指すことは大事ですが、
Aさんの嚥下状態を鑑みて
医師が経鼻経管栄養を行っています。
仮に提案するとしても、Aさんに対してではなく、
カンファレンスなどで提案するべきです。
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03
正解は「医師や看護師にAさんの思いを伝える」です。
大事にしたいのは、「自分の口から食べたい」というAさんの思いです。
Aさんの気持ちを尊重したうえで、医師や看護師に伝えるのが適切です。
不適切
身体拘束を行うのは不適切です。
身体拘束は最後の手段なので、なぜチューブを外したいのかを優先して考えましょう。
不適切
Aさんは経管栄養が早く終わることを望んでいるわけではないので、不適切となります。
適切
チューブに対するAさんの思いが判明しているので、最も適切であるといえます。
不適切
Aさんは「自分の口から食べたい」と話しているので、胃ろうの増設を提案するのは不適切となります。
不適切
一見Aさんの思いに答えているようですが、医師や看護師に相談せずに提案するのは不適切です。チームでケアを行っていることを忘れないようにしましょう。
今回の問題は、介護福祉士としての対応の仕方に関するものでした。
利用者や患者の意思を尊重し、チームケアとして何を優先するべきか考えながら選択してみましょう。
そうすることで、明らかに間違いである選択肢が明確になってきます。
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