介護福祉士 過去問
第37回(令和6年度)
問75 (コミュニケーション技術 問2)
問題文
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問題
介護福祉士試験 第37回(令和6年度) 問75(コミュニケーション技術 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
- 家族に支援方針を決めてもらう。
- 家族を通して利用者の意向を聴き取る。
- 家族と話す機会を別に設ける。
- 家族にカウンセリングを行うことを意識する。
- 家族を説得する。
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この過去問の解説 (3件)
01
介護の現場では、利用者様本人と家族の意向が一致しないことが少なくありません。
家族との関わり方では、家族の意向を押し付けたり、家族にすべて決めさせたりするのではなく、話し合いや調整を行う場を持つことが大切です。
×
支援方針を家族に決められることは、利用者様本人の意思を軽視する結果につながりかねません。
介護職の役割は、利用者の自己決定を尊重し、専門的立場から支援方法を検討・提案することです。
×
利用者様の意向はできる限り直接本人から確認することが基本です。
〇
話す機会を別に設けることで、家族の思いや不安、意見をじっくり聴くことができます。
家族にとっても安心感が生まれ、支援チームとして一緒に考えていく姿勢を示すことになります。
×
介護職はカウンセラーではなく、家族にカウンセリングを行う専門的な立場にはありません。
不安や悩みを傾聴することは大切ですが、カウンセリングを意識するという表現は介護職の役割を逸脱しています。
×
説得は、家族の考えを変えさせようとする一方的な態度であり、相互理解を深めるコミュニケーションではありません。
家族の意向や背景を理解し、協力的な関係を築くためには、話し合いや調整の姿勢が必要です。
まとめ
利用者様と家族の意向が異なるとき、介護職が留意すべきなのは、どちらかの意向に偏らず、冷静かつ誠実に話し合いの場を持ち、相互理解を図ることです。
家族と個別に話すことで、以降の背景にある不安や事情を理解し、調整の糸口を見つけることができます。
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02
介護の実践の場において、
利用者と家族の意向が異なる場面はあります。
利用者の意向が優先されることが原則ですが、
家族の意向を無視するということではありません。
原則とジレンマ、その打開策について考えていきます。
×:誤りです。
家族の意見は尊重しますが、
原則は、「利用者が方針を決める」ことです。
たとえ、認知症や障害などで意思表示が難しい利用者の場合でも
・認知症の人の日常生活・社会生活における 意思決定支援ガイドライン
・障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン
などを活用して、利用者自身の意思決定を図る工夫をして
支援方針を決めることが必要です。
×:誤りです。
家族の力を借りて、意思確認をすることはあり得ますが、
意見が異なる場合は、利用者自身が遠慮などで
本音を言えないこともあります。
専門職が利用者と直接面接して、意向の聞き取りを行うべきです。
○:正しいです。
利用者は、家族に遠慮して本音を言えないことがあります。
利用者と家族の意向が異なる場合、双方から個別に話を聞くことが重要です。
それぞれの立場や気持ちを十分に理解した上で、
別々の面談機会を設けることが必要です。
×:誤りです。
家族にカウンセリングを行うという意図が不明です。
また、利用者と家族の意見の相違によって
すり合わせのために家族との面談を行うにしても、
「心理的な悩みを打ち明けて解決策を探る」という
カウンセリングとは異なるものになります。
×:誤りです。
利用者自身の意向が最優先されることが原則ではありますが、
時には、利用者の意向を優先した結果、周囲(ここでは家族)に
多大なる影響を与えてしまい、生活がままならなくなることもあり得ます。
そのような状況では、家族を説得して利用者の意向を最優先することが
必ずしも正しいとは言い切れません。
そのようなジレンマに陥った時には、
倫理原則のスクリーンに沿って判断することもあります。
【参考】
倫理原則のスクリーン
数字が低いほど、優先順位が高い。
①生命の保護
②平等と不平等(社会正義)
↑利用者の意向を優先すると周囲が不幸になる場合は
利用者の自己決定よりも社会正義や集団的責任が優先される。
③自己決定
④被害最小
⑤生活の質
⑥個人情報の保護
⑦誠実と開示
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03
正解は「家族と話す機会を別に設ける」です。
利用者と家族の意向が異なるケースは、実際によくあります。
お互いの意思を把握し、あくまで中立的な立場で納得できる解決策を一緒に考えなくてはなりません。
不適切
利用者の意向が反映されにくいため、不適切となります。
不適切
利用者本人の意向が明確になりづらいため、不適切となります。
適切
話し合いの場を別々に設けることで、お互いの意向が明確化されます。
そうすることにより、最善な解決策へのアプローチが可能となります。
不適切
介護職はカウンセリングの専門家ではありません。
利用者、家族の意向を把握して解決策を提案する立場です。
不適切
家族を説得するのは、家族の意向が反映されないということです。
家族の意見の背景を理解し、お互いが納得できるようアプローチしましょう。
今回は、利用者と家族の意向が異なるとき、家族とのコミュニケーションにおいて介護福祉職が留意すべき点についての問題でした。
介護職は、どちらかの肩を持つのではなく中立の存在として、利用者と家族が納得できる支援策を一緒に考えましょう。
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