管理栄養士の過去問
第27回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問27
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問題
第27回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問27 (訂正依頼・報告はこちら)
個体の恒常性とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
- 体温調節の中枢は、大脳皮質前頭葉に局在する。
- ストレス応答の疲はい期には、全身の同化反応が亢進する。
- 概日リズム(サーカディアンリズム)の形成には、遺伝子が関与する。
- 循環血液量が減少すると、レニンの分泌が抑制される。
- 代謝性アシドーシスでは、呼吸数が減少する。
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この過去問の解説 (3件)
01
概日リズム(サーカディアンリズム)とは、約24時間周期で変動する生物学的リズム(体内時計)です。
時計遺伝子と呼ばれる遺伝子が関与しているといわれています。
1.体温調節の中枢は、間脳の視床下部に局在します。
視床下部には、体温調節中枢のほか、摂食調節中枢、下垂体機能を調節する中枢などがあります。
2.ストレス応答の疲はい期には、体の抵抗力が使い果たされ、心身の機能が衰え、様々な障害が現れます。
ストレス応答は、警告反応期、抵抗期、疲はい期の順に進んでいきます。
警告反応期は、外界からの刺激(ストレッサー)を受けた時に、最初に体が起こす反応の時期です。
体のあらゆる働きが低下するショック状態から体が防衛するため、次第に抵抗力を上げていきます。
抵抗期には、体が外界からの刺激に対して抵抗を続けている状態です。
刺激に体を適応させようと防衛的な身体反応が持続しています。
4.循環血液量が減少すると、レニンの分泌が促進されます。
レニンは、血中のアンジオテンシノーゲンに作用し、アンジオテンシンⅠを生成します。
アンジオテンシンⅠはアンジオテンシン変換酵素の作用により、アンジオテンシンⅡになり、副腎皮質に作用し、アルドステロンを分泌させます。
アルドステロンは腎臓に働き、Na⁺の再吸収を促進します。
その結果、血中Na⁺濃度が上昇し、次いで循環血液量が増加します。
5.代謝性アシドーシスでは、二酸化炭素を放出しようとするために呼吸数が増加します。
代謝性アシドーシスは、血液もしくは体液の酸塩基平衡が酸性側に傾く状態です。
呼吸性アシドーシスは、肺におけるガス交換が低下して体内に二酸化炭素が滞留し、血液が酸性に傾く状態で、呼吸数は減少します。
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02
【3.概日リズム(サーカディアンリズム)の形成には、遺伝子が関与する。】です。
サーカディアンリズムとは、約24時間周期で繰り返されるリズムのことで、明暗の刺激や食事摂取のサイクルに影響されます。時計遺伝子と呼ばれる遺伝子が関与しているとされています。
1.体温調節の中枢は、視床下部に存在します。視床下部は他にも、食欲、睡眠、生体リズム等の中枢もあり、自律神経の最高の中枢といわれています。
2.ストレス応答には、警告反応期、抵抗期、疲はい期に分けられています。
警告反応期にはショック相と反ショック相があり、ショック相ではストレスに対する抵抗力の低下、逆に反ショック相ではストレスに対する抵抗力の増加が見られます。
抵抗期はストレスへの抵抗力が安定している時期で、さらにストレスが継続すると、抵抗力が低下し生体の恒常性が維持できなくなる疲はい期へと移行します。疲はい期では、異化によりエネルギー代謝を亢進させてストレスに適応しようとするので、体力が消耗していきます。
4.循環血液量が減少すると、腎血流量が減少するため糸球体輸入動脈の血圧が低下します。血圧低下により傍糸球体からはレニンが分泌され血圧が上昇します。
5.代謝性アシドーシスでは、体内に発生した多量の酸を中和するために呼吸数が増加します。
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03
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/個体の恒常性(ホメオスタシス)とその調節機構からの出題です。
1.体温調節の中枢は視床下部に局在します。
2.疲はい期は長期間のストレス持続で生体が適応力を維持できなくなっていて、全身の異化反応が亢進します。
3.正しい記載です。サーカディアンリズムの形成には、遺伝子発現が転写レベルで調節されます。
4.循環血液量が減少すると傍糸球体細胞からレニンの分泌が亢進します。
5.代謝性アシドーシスでは、pHの低下を呼吸で二酸化炭素を排出して抑えようとするので、呼吸が増加します。
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