管理栄養士の過去問
第27回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問36

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問36 (訂正依頼・報告はこちら)

循環の調節機序に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 末梢血管抵抗は、血液粘性の増加により低下する。
  • 血管運動中枢は、脊髄に存在する。
  • セロトニンは、血管拡張作用がある。
  • 心拍数は、頚動脈洞マッサージにより増加する。
  • バソプレシンは、血管収縮作用がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

正しいものは、【5.バソプレシンは、血管収縮作用がある。】です。
バソプレシンは、抗利尿ホルモンとも言われ、視床下部の調節により下垂体後葉から分泌されます。
腎集合管に作用し、水の再吸収を促進する事で尿の濃縮も行っています。

1.末梢血管抵抗は、血液粘性の増加により上昇します。
血液の粘度が上がるという事は、いわゆる血がどろどろの状態を言い、その事で血管内を流れにくくなります。よって抵抗は大きくなります。

2.血管運動中枢は、延髄に存在します。
血管運動中枢は、全身の血管を支配している収縮性交感神経へ信号を送り、常時血管の緊張性や収縮性を制御しています。

3.セロトニンは、血管を収縮させる働きがあります。血小板からも放出され、止血にも関わっています。

4.頚動脈洞マッサージをする事により、圧受容器が刺激され、心臓抑制中枢が興奮する事により副交感神経を緊張させます。それにより心拍数を減少させます。

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02

正解は5.【バソプレシンは、血管収縮作用がある。】です。
バソプレシンは下垂体後葉ホルモンの一種です。
末梢の血管を収縮させて血圧を上昇させる働きがあります。
その他、尿細管における水の再吸収を促進する抗利尿作用の働きもあります。

以下、詳細の説明です。

1.末梢血管抵抗は、血液粘性の増加により上昇します。
末梢血管抵抗とは、末梢動脈の血液の流れにくさを示します。
血液粘性が増すと血液が流れにくくなるため、末梢血管抵抗が上昇する原因となります。

2.血管運動中枢は、延髄に存在します。
延髄には生命維持に必要な多くの中枢があり、嚥下中枢、咀嚼中枢、唾液分泌中枢、呼吸中枢などがあります。
脊髄には運動性反射の中枢が広く分布するほか、交感神経の反射中枢と副交感神経の反射中枢が多くあります。

3.セロトニンは、血管収縮作用があります。
血管を収縮させて血圧を上昇させる作用や、胃腸の管理機能調節作用などがあります。
その他、セロトニンは脳においては神経伝達物質としての役割があり、交感神経系を刺激して情緒の安定をもたらします。

4.心拍数は、頚動脈洞マッサージにより減少します。
頚動脈洞は血圧を検知して延髄に働き、心拍数を減少させる働きがあります。
よって、マッサージにより心拍数は減少し、血圧は低下します。

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03

正解は 5 です。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち/循環器系からの出題です。

1.末梢血管抵抗は、血液粘性の増加や動脈の緊張度で増加します。

2.血管運動中枢があるのは、延髄です。

3.セロトニンには平滑筋収縮作用があるので、血管が収縮します。

4.頸動脈洞マッサージをすると、副交感神経が刺激されるので心拍数が低下します。

5.正しい記載です。血管平滑筋を収縮させるので、血管が収縮します。

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