管理栄養士の過去問
第27回
基礎栄養学 問80

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問題

第27回 管理栄養士国家試験 基礎栄養学 問80 (訂正依頼・報告はこちら)

たんぱく質・アミノ酸の体内代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • たんぱく質摂取量の増加によって、尿素合成は減少する。
  • たんぱく質の摂取不足によって、窒素出納は正になる。
  • たんぱく質の摂取不足によって、血中ラピッドターンオーバープロテイン(RTP)値は低下する。
  • たんぱく質摂取量の増加によって、ビタミンB6の必要量は減少する。
  • たんぱく質摂取量の増加によって、体たんぱく質の合成は減少する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 3 です。

基礎栄養学/たんぱく質の栄養からの出題です。

1.たんぱく質摂取量が増加すると余剰分はエネルギー利用に回ります。その際尿素合成が行われるため、増加します。

2.たんぱく質の摂取不足によって、尿中排泄される窒素の方が上回ってしまうので、窒素出納は負になります。

3.正しい記載です。RTPとは血液中に存在し、代謝回転の良いたんぱく質のことですので、摂取不足では低下します。

4.ビタミンB6がたんぱく質の代謝に必要であるため、必要量は増加します。

5.たんぱく質摂取を増やすと体たんぱく質の合成は増加します。

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02

1.たんぱく質摂取量の増加によって、尿素合成は亢進します。
摂りすぎて体内で過剰となったアミノ酸は、異化されます。異化されたアミノ酸がアミノ基となり、尿素回路で代謝され、尿素となります。

2.たんぱく質の摂取不足によって、窒素出納は負になります。
窒素出納とは、窒素の摂取量と排泄量のバランスを示したものでたんぱく質の代謝動態を示します。
摂取量>排泄量の場合は、体たんぱく質として蓄積されるため、窒素出納は正になります。
摂取量<排泄量の場合は、体たんぱく質が異化されるため、窒素出納は負になります。

3.血中ラピッドターンオーバープロテイン値とは、トランスサイレチン(プレアルブミン)、トランスフェリン、レチノール結合たんぱく質をいいます。
これらは半減期の短いたんぱく質であるため、短期間の栄養状態を反映します。
つまり、これら3つのたんぱく質の摂取不足により、血中ラピッドターンオーバープロテイン値は低下します。
よって、正しい答えとなります。

4.たんぱく質摂取量の増加によって、ビタミンB6の必要量は増加します。
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に必要なビタミンであるからです。

5.たんぱく質摂取量の増加によって、体たんぱく質の合成は亢進します。

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03

正解は 3 です。

1:たんぱく質摂取量の増加によって、尿素合成も増加します。
たんぱく質の分解産物であるアミノ酸の代謝過程において、生じたアンモニアが肝臓の尿素回路で解毒処理される際に、尿素が産生されます。

2・5:たんぱく質の摂取不足によって、窒素出納は負になります。
体たんぱく質の分解が進み、合成が減るため、窒素の貯蓄が減ります。

4:たんぱく質摂取量の増加によって、ビタミンB6の必要量も増加します。
アミノ酸のアミノ基転移反応において、関与する酵素(トランスアミナーゼ)の補酵素がビタミンB6由来のピリドキサールリン酸であるためです。

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