管理栄養士の過去問
第31回
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問37

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問題

第31回 管理栄養士国家試験 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

呼吸器疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)では、吸気時に口すぼめ呼吸がみられる。
  • COPDでは、安静時エネルギー消費量が減少する。
  • COPDでは、フィッシャー比が低下する。
  • 気管支喘息では、発作時に気道が拡張する。
  • ツベルクリン反応は、結核に対する予防接種である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:3

1 . COPD(慢性閉塞性肺疾患)では、
 呼気時に口すぼめ呼吸がみられます。
 口すぼめ呼吸をすることで、1回換気量の増加や
 血液でのガス交換の改善の効果があります。

2 . COPDでは、安静時エネルギー消費量が増加します。
 COPDは気道が狭くなっているため十分な換気が
 できないので、それを補う為呼吸筋のエネルギー
 消費量が増加します。

3 . COPDでは、フィッシャー比が低下します。
 フィッシャー比とは、
 分岐鎖アミノ酸(BCAA)/芳香族アミノ酸(AAA)
 のモル比のことです。
 COPDではBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)
 の低下、AAA(チロシン、フェニルアラニン)の増加
 が見られます。

4 . 気管支喘息では気道が慢性的に炎症が起こすことで、
 発作時に気道が狭くなります。
 呼吸機能検査では、1秒率の低下が見られます。

5 . ツベルクリン反応は、結核に対する免疫の有無を
 調べる検査です。

参考になった数18

02

正解は3です。

1.× 
COPD(慢性閉塞性肺疾患)では、吸気時ではなく呼気時に口すぼめ呼吸がみられます。
COPDの場合、気道閉塞があるため、息が吐きだしにくくなります。その際に口すぼめ呼吸を行うことで、ゆっくり呼吸ができ、呼気時の口腔内圧が高くなり、気道内圧の上昇が陽圧降下につながることで、気道が閉塞するのを防ぐことができます。

2.×
COPDでは、安静時エネルギー消費量が上昇します。
COPDは、呼吸困難があるので、常に呼吸運動が強まっている状態になります。横隔膜を含めた呼吸筋が活動しているということは、スポーツで激しい運動しているのと同じような状態になります。

3.〇
COPDでは、フィッシャー比が低下します。
フィッシャー比とは、分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン・ロイシン・イソロイシン)と、芳香族アミノ酸(AAA:チロシン・フェニルアラニン)のモル比(BCAA/AAA)のことを言います。
BCAAは骨格筋で代謝され。AAAは肝臓で代謝されます。COPDでは、骨格筋がエネルギーを消費するので血液中のBCAAが減少し、フィッシャー比は低下します。

4.×
気管支喘息では、発作時に気道が狭窄します。
                       5.×
ツベルクリン反応は、結核菌の感染の有無や、結核に対する免疫の有無などを判断する遅延反応の検査法のことです。
結核に対する予防接種はBCGワクチンのことで、生後1歳までにワクチン接種を行います。

参考になった数5

03

1. COPD(慢性閉塞性肺疾患)では、呼気時に口すぼめ呼吸がみられます。息を吐く時、胸の中の圧力が高まりますが、COPDでは、気管支が押しつぶされて空気が通りにくくなります。口をすぼめて息を吐くと、気管支内の圧力が高くなり、気管支が押しつぶされにくくなるので、呼吸が楽になります。

2. COPDでは、安静時でもエネルギー消費量は増大します。COPD患者は呼吸に関わる筋肉の働きが低下しているため、呼吸時により多くのエネルギーを必要とします。

3. 正解です。COPDではフィッシャー比が低下します。フィッシャー比は、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)と芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニン)のモル比です。アミノ酸の多くは肝臓で代謝されますが、分岐鎖アミノ酸は主に筋肉で代謝されるアミノ酸です。COPDでは、呼吸に関わる筋肉の働きが亢進しているため、分岐鎖アミノ酸の消費が増し、フィッシャー比が低下します。

4. 気管支喘息では、気道の狭窄または閉塞がおきます。

5. ツベルクリン反応は、結核に感染しているかどうかの判定に用いる検査です。精製ツベルクリン液を注射し、48時間後に注射部位の発赤が直径10mm以上の場合を陽性とします。

参考になった数4